海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
言い合いの途中で腹が立って、思わず席を立って部屋を出ていきたくなること、ありますよね。
そんなときにぴったりの「storm out」を、『フレンズ』シーズン5第5話、レイチェルの怒りが限界に達するシーンから、一緒に見ていきましょう。
「storm out」の意味とニュアンス
storm out
意味:(怒って)飛び出す、荒々しく出ていく
storm out は、感情を——特に怒りを——爆発させて、足音荒くその場を出ていく様子を表す句動詞です。storm はもともと「嵐」を意味する名詞ですが、ここでは動詞として使われ、「嵐のように激しく移動する」というイメージを持ちます。そこに out(外へ)が加わって、「怒りの勢いのまま外へ飛び出す」という意味になります。
ただ静かに leave(去る)するのではなく、感情の激しさが動作に乗っているのがポイントです。口論の途中で腹を立てて席を立つ、話し合いに見切りをつけて部屋を出ていく、といった場面で使われます。storm out of the room(部屋を飛び出す)のように、of + 場所を続けて「どこから出ていったか」を示す形もよく登場します。
【ここがポイント!】
- storm(嵐)を動詞に使い、怒りの勢いで飛び出す様子を表す一言
- ただの leave と違い、感情の激しさが動作に乗っているのが核
- storm out of the room のように、of + 場所で「どこから」を足せる
『フレンズ』S05E05のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
「つらいのは自分だ」と言い続けるロスに、レイチェルの怒りがついに限界を超えます。彼女は席を立ち、勢いよく部屋を出ていこうとします。ところが、そこで思わぬ事実に気づくことになります。
Ross: You have no idea what a nightmare this has been. This is so hard.
(これがどれだけ悪夢だったか、君にはわからないよ。本当につらいんだ)Rachel: What are you doing? Storming out.
(何やってるのって? ……出ていくのよ)Ross: Rachel, this is your apartment.
(レイチェル、ここ君の部屋だよ)Rachel: Yeah, well, that’s how mad I am.
(ええ、それくらい怒ってるってことよ)Friends Season5 Episode5(The One with the Kips)
シーン解説と心理考察
ロスの自分本位な言い草に、レイチェルの怒りが爆発する場面です。storm out という言葉どおり、彼女は嵐のような勢いで部屋を飛び出そうとします。ところが飛び出した先が自分の部屋だと突っ込まれ、「それくらい怒ってるの!」と返す。怒りの激しさと、勢い余ったおかしみが同居しているのが見どころです。
storm out が持つ「感情に任せた荒々しい退場」というニュアンスが、この場面ではっきりと表れています。本気の怒りであることは伝わってくるのに、退場先を間違えるという間の抜けたオチが加わることで、シリアスな空気がふっと緩む。感情の勢いと笑いが一つに重なった、フレンズらしい場面と言えます。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
窓の外を嵐が吹き荒れながら通り過ぎていく様子を思い浮かべてみてください。その嵐が、そのまま人の姿になったのが storm out です。怒りをまき散らしながら、バーンと勢いよく外へ出ていく。out(外へ)がつくことで、「怒りの嵐となって外へ」という映像が結びつきます。
レイチェルが勢いよく storm out しようとしたら、そこが自分の部屋だった——あのオチの場面ごと覚えると、「勢い」というこの表現の核心まで、一緒に記憶に残ります。
例文で覚える「storm out」
怒りの勢いを乗せた退場を、一言で表せるのがこの表現です。場面の異なる3つの例文で、使い方を見ていきましょう。
She stormed out of the meeting without a word.
(彼女は一言も言わずに会議を飛び出していった)
会議中に誰かが腹を立てて席を立った様子を伝える場面です。storm out of + 場所 は、この表現の基本の形になります。
He slammed the door and stormed off.
(彼はドアを叩きつけて、怒って行ってしまった)
激しい怒りの退場を描くときに使えます。storm off もほぼ同じ意味で、of + 場所を伴わずに単独で使いやすい形です。
A: Where did Mark go? He looks upset.
B: He got angry and stormed out a minute ago.
(A:マークはどこ行ったの? 怒ってるみたいだったけど)
(B:さっき腹を立てて飛び出していったよ)
その場を去った理由を説明する会話です。got angry and stormed out のように、怒りの感情とセットで語られることが多い表現になります。
あわせて覚えたい関連表現
storm off
(怒ってその場を去る、プイと行ってしまう)
storm out とほぼ同じ意味です。storm out が「(部屋・建物などの)中から外へ」という方向を持つのに対し、storm off は of + 空間を伴わず、単独で「その場から離れる」形で使いやすい表現です。
walk out (on someone)
(見捨てて出ていく、退席する)
怒りよりも「見限る・放棄する」というニュアンスが中心です。walk out on someone で「人を見捨てる」という意味になります。storm out は、あくまで怒りの勢いが主役です。
flounce out
(プリプリして、見せつけるように出ていく)
怒りに「これ見よがし・芝居がかった」感じが加わった表現です。storm out より演技的で、やや皮肉っぽく使われることがあります。
Note|天気の名詞が動詞になる英語の発想
storm out の storm は、もともと「嵐」という名詞です。それが動詞に姿を変えて「激しく突き進む」を表すところに、英語ならではの発想が見えてきます。
英語では、天気を表す名詞がそのまま動詞になり、勢いや感情を描くことがよくあります。storm はその代表格で、「嵐」から転じて「猛烈な勢いで動く・突進する」という意味を持ちます。たとえば storm the castle(城に突撃する)では、軍勢が嵐のように押し寄せる様子が表されます。storm out はこの延長線上にあり、「怒りの嵐となって外へ出ていく」という映像を一語に凝縮しているわけです。同じように、感情や状況を天気に重ねる表現は英語に数多くあります。a whirlwind romance(つむじ風のような恋)は、めまぐるしく展開する恋を旋風に例えたものですし、breeze through(すいすいこなす)はそよ風の軽やかさを動作に移した言い方です。自然の激しさや軽やかさを、そのまま人の動きや感情に写し取る——この発想が、英語の表現を生き生きとさせています。
storm out を「嵐が出ていく」と捉えると、レイチェルの怒りがなぜあれほど勢いよく見えたのかが腑に落ちます。彼女の感情そのものが、小さな嵐になっていたのですね。
天気の言葉が感情を運ぶ。そう思うと、覚えやすくなる一語です。
まとめ|レイチェルの空回りから学ぶ「怒って飛び出す」
storm out は、怒りの勢いを乗せて、足音荒くその場を出ていく様子を表す句動詞です。ただ去るのではなく、感情の激しさが動作にあらわれているのが持ち味です。
この表現を知っておくと、口論や感情的な場面を描写するときに、「怒って飛び出した」という勢いまで一言で伝えられます。storm out of the room のように場所を続ける形も、あわせて覚えておくと表現の幅が広がります。
本気で怒って飛び出したのに、そこが自分の部屋だったレイチェル。その空回りが、storm out の「勢い」というニュアンスを、忘れられないものにしてくれます。会話のレパートリーに加えてみてください。


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