海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
嫌なことをされたとき、「いつか見返してやる」と、ちょっとした仕返しを心に決めること、ありますよね。
そんな気持ちを表す「get someone back」を、『フレンズ』シーズン5第8話の回想シーン、痩せて見違えたモニカが、かつて自分を傷つけたチャンドラーへの仕返しについてレイチェルと話す場面から、一緒に見ていきましょう。
「get someone back」の意味とニュアンス
get someone back
意味:(人に)仕返しする、やり返す
get someone back は、「その人に仕返しする、借りを返す」という意味の表現です。get のあいだに人を挟んで「get + 人 + back」の形をとり、やられたことに対してやり返す、という状況を表します。
ここでの back は、「やられた分を相手に返す」という方向を示しています。相手からもらったものを、お返しに投げ返すイメージです。この表現が指す「仕返し」は、必ずしも物理的な報復ではありません。むしろ、恥をかかせる、ぎゃふんと言わせる、見返してやる、といった「意趣返し」に幅広く使われます。日常のちょっとしたやり返しから使える軽さがあり、深刻な復讐というより「してやったり」の感覚に近いのが特徴です。ひとつ注意したいのは、同じ get と back を使う get back together(よりを戻す)とは意味がまったく違う点です。人を挟む語順かどうかで、意味が大きく分かれます。
【ここがポイント!】
- get と back のあいだに人を挟んで「その人にやり返す」を表す一言
- 物理的報復より、恥をかかせる・見返すといった意趣返しに使う表現
- get back together(よりを戻す)と混同しないよう語順で見分けるのがコツ
『フレンズ』S05E08のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
大幅に痩せたモニカが、再びチャンドラーの前に現れて彼を夢中にさせます。台所に戻ってきたモニカに、レイチェルは「デブと呼ばれた仕返しは完璧」と喜びますが、モニカ本人の反応は思いのほか晴れません。
Rachel: That was so awesome. You totally got him back for calling you fat. He was just drooling all over you. That must have felt so great.
(すごい、最高だった。デブって呼ばれた仕返しを完璧にやってのけたね。彼、あなたにすっかり見とれてたもの。さぞ気持ちよかったでしょ)Monica: Well, it didn’t.
(それが、そうでもなかったの)Rachel: What?!
(えっ?)Monica: Yeah, I mean, yeah, I look great and, yeah, I feel great and, yeah, my heart is not in trouble anymore. Blah, blah, blah. I just don’t feel like I got him back, you know?
(ええ、そりゃ見た目もいいし、気分もいいし、心臓の心配ももうない。うんぬんかんぬん。ただ、仕返しできた気がしないのよね)Friends Season5 Episode8(The One with All the Thanksgivings)
シーン解説と心理考察
get him back が二度繰り返されることで、モニカの複雑な心境が浮かび上がる場面です。レイチェルは「見返してやったね」と手放しで喜びますが、当のモニカは「仕返しできた気がしない」と、どこか満たされない表情を見せています。
痩せて美しくなるという外見的な逆転を果たしても、かつて傷つけられた痛みは晴れない。その埋まらなさが、この短いやり取りににじんでいます。同じ get someone back という言葉を、レイチェルは達成として、モニカは未達として使っている。同じフレーズが、二人のあいだで違う温度を帯びているのが読み取れます。この後モニカは、より直接的に相手を辱めたいと言い出します。仕返しの達成感と、それでも残る過去の傷の対比が、この場面のテーマとして響きます。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
痩せたモニカが「仕返しできた気がしない」とつぶやく場面を思い浮かべてみましょう。get someone back は、「やられた分を、その人に返しに行く」という動きの表現です。
相手からもらった(get)ものを、back(お返しに)投げ返すキャッチボールをイメージしてみてください。ボールが自分から相手へ戻っていく、その方向感が「仕返し」の核心です。ここで大事なのは、恋愛の get back together(よりを戻す)とは動きがまったく違うということ。あちらは二人が近づいて一つに戻る動き、こちらは受けたものを相手に投げ返す動きです。二つの絵を並べて覚えておくと、混同を防げます。
例文で覚える「get someone back」
友達へのちょっとした仕返しから、考え方を語る場面まで使えます。3つの例文で幅を見ていきましょう。
He pranked me last week, so I’m going to get him back today.
(先週いたずらされたから、今日はやり返してやる)
友人への仕返しを宣言する場面です。「やられたから、やり返す」という、最も基本的な使い方になります。
The best way to get someone back is to succeed and move on.
(人に仕返しする一番の方法は、成功して前に進むことだ)
考え方を語る、少し格言めいた場面です。物理的な報復ではなく「見返す」という前向きな意味合いで使われています。
A: You’re not still upset about the joke, are you?
B: A little. Don’t be surprised if I get you back someday.
(A:あのジョークのこと、まだ怒ってないよね?)
(B:ちょっとね。いつか仕返しされても驚かないでよ。)
軽い応酬の場面です。会話の中に入れると、「いつか借りは返すからね」という冗談まじりの牽制になります。
あわせて覚えたい関連表現
get even (with someone)
((人に)仕返しする、五分五分にする)
「貸し借りをゼロに戻す」という公平さのイメージがある表現です。get someone back とほぼ同義ですが、より「帳消しにする」ニュアンスが強くなります。
pay someone back
((人に)仕返しする、お金を返す)
「借金を返す」という文字どおりの意味と、「仕返し」の両方を持つ表現です。どちらの意味になるかは、文脈で決まります。
take revenge (on someone)
((人に)復讐する)
より重く深刻な「復讐」を指す表現です。日常のちょっとした意趣返しから使える get someone back とは、深刻さのレベルが違います。
Note|get someone back と get back together の混同注意
get someone back を学ぶうえで、いちばん気をつけたいのが、よく似た get back together との混同です。どちらも get と back という同じ部品を使いながら、意味はほとんど正反対に近いところにあります。
鍵になるのは、語順です。get someone back のように、get と back のあいだに人(him、her、someone)を挟むと、「その人にやり返す、仕返しする」という意味になります。「I’ll get him back(彼に仕返しする)」といった形です。一方、get back together は、人を挟まずに back together がひとかたまりになっていて、「(別れた二人が)よりを戻す」という意味になります。「They got back together(二人はよりを戻した)」というように使います。つまり、仕返しと復縁という、感情の方向がまるで逆の二つが、似た見た目をしているわけです。この back は、get someone back では「相手に返す」方向を、get back together では「元の関係に戻る」方向を指しています。同じ back でも、どこへ戻るのかが違うのです。文の中に人が挟まっているかどうかを見れば、どちらの意味かを落ち着いて判断できます。
この見分け方を押さえておくと、get someone back を使うときも聞くときも、復縁の話と取り違えずに、仕返しの意味だと正しく受け取れるようになります。
同じ部品でも、並べ方で意味が変わります。
まとめ|モニカの仕返しから学ぶ「やり返す」の一言
get someone back は、やられたことに対して「その人に仕返しする、やり返す」という意味の表現です。物理的な報復というより、恥をかかせる・見返すといった意趣返しに幅広く使えます。
この一言を覚えておくと、「いつか見返してやる」といったちょっとした仕返しの気持ちを、軽やかに英語で言えるようになります。深刻な復讐とは違う、日常の「してやったり」の温度感で使えるのが便利なところです。
キャッチボールのように相手へ投げ返すイメージとともに、会話のレパートリーに加えてみてくださいね。


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