「be in hot water」の意味と使い方|『メンタリスト』S01E08で学ぶ英会話

「be in hot water」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

うっかり相手を怒らせてしまって、次に顔を合わせるまでの時間が妙に長く感じられる。そんな居心地の悪い一日が、誰にでもあるはずです。

その状態をそのまま言い表す「be in hot water」を、『メンタリスト』シーズン1第8話の中盤、地元刑事を疑いはじめたチームをリスボンが押しとどめるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「be in hot water」の意味とニュアンス

be in hot water
意味:面倒なことになっている、まずい立場にある

熱い湯に浸かっていて出るに出られない、という感覚がそのまま比喩になった言い方です。すでに問題が起きていて、責められる側に立たされている。その居心地の悪さを表します。

大切なのは前置詞の in です。これから熱湯に入るのではなく、もう浸かっている。だからこの表現は、問題が起きる前の警告ではなく、起きたあとの立場を語るときに使われます。

もうひとつの特徴は、原因が自分の側にあることが多い点です。約束を破った、期限を落とした、言ってはいけないことを言った。単なる不運や災難には向きません。in trouble とほぼ同じ意味ですが、in hot water のほうが口語寄りで、責められている当事者の感じが強く出ます。

形は3つあります。状態を言う be in hot water、そうなる過程を言う get into hot water、誰かをそこに追い込む land someone in hot water。with を続ければ、誰との間でまずいのかも示せます。

【ここがポイント!】

  • 核は「もう熱い湯に浸かっていて、出るに出られない」という居心地の悪さ
  • in が示すのは、これからではなくすでに、という時間の位置
  • 自分の行動が原因の場面に向く一言で、単なる不運には使わないのがコツ

『メンタリスト』S01E08のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

チームが事件の見立てを組み替えていく場面です。被害者に金を渡していた人物が地元刑事のプレシアドではないか、という推測が進み、条件が次々に当てはまっていきます。勢いづいたチョウが動こうとしたところで、リスボンが止めに入ります。合同捜査ですでにぶつかっている相手を、確証のないまま疑いにいけばどうなるか。その前提を、彼女は一言で共有します。

Van Pelt: Oh, damn. He couldn’t have been that surprised. She had Joe Purcell’s baby.
(あ、そうだ。それほど驚いたはずがありません。彼女はジョー・パーセルの子どもを産んでいたんですから)

Cho: Let’s go have a chat with Preciado.
(プレシアドに話を聞きにいこう)

Lisbon: We’re already in hot water with the Davis P.D. We need to be sure we’re right, find out the facts and then act.
(こっちはもうデイビス市警とまずいことになってるの。確信が持てるまでは動かない。事実を押さえてから動くのよ)

Rigsby: Yes, boss.
(了解です、ボス)

The Mentalist Season1 Episode8(The Thin Red Line)

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シーン解説と心理考察

リスボンの一文は、二つの部分でできています。前半で現在地を示し、後半で手順を示す。まず自分たちがどういう立場にいるかを共有してから、だから確かめてから動く、と続けます。判断の理由を先に置く運びが、チームを率いる立場の話し方として表れています。

already という一語も効いています。これから面倒になるかもしれない、ではなく、もう浸かっている。すでに支払っているコストがある以上、次の一手はより慎重にならざるを得ない、という計算がこの副詞に重なっています。

短い三つの発話で役割分担が見えるのも、この場面のうまさです。動こうとするチョウ、止めるリスボン、受けるリグスビー。誰が前に出て誰がブレーキを踏むのかが、説明抜きで伝わってくる構成になっています。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

熱い湯を張った浴槽に、着替えもしないまま足を突っ込んでしまった場面を思い浮かべてみてください。飛び出すこともできず、じっとしていても熱い。周りからは「自分で入ったんでしょう」という目で見られています。

覚え方の軸は、「危険が迫っている」ではなく「もう浸かっていて居心地が悪い」という点に置くとつかみやすくなります。in が示しているのは、これから入るのではなく、すでに中にいるという位置です。

劇中のリスボンも、合同捜査でぶつかったあとの自分たちの立ち位置を、この一言で共有しました。すでに湯に浸かっている状態で、さらに熱い方へ足を伸ばすのか。熱い湯の絵と、慎重に構えるその判断を重ねておくと、この表現が語る「もう始まっている面倒」が体で覚えられます。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「be in hot water」

職場でも家庭でも、深刻な話にも軽い失敗にも使えるのが in hot water の便利なところです。形の違う3つの例文で、その使い分けを見ていきましょう。

He’s in hot water with his manager for missing the deadline.
(彼は締め切りを落として、上司との関係がまずいことになっている)
同僚の状況を別の同僚に説明する場面です。with 〜 for 〜 を続けると、誰との間で何が原因かを一息で伝えられます。

That post landed the company in hot water.
(あの投稿のせいで、会社は面倒なことになった)
炎上の経緯を話す場面です。land 〜 in hot water の形にすると、原因のほうを主語に立てられます。

A: Why the long face?
B: I’m in hot water at home. I forgot our anniversary again.
(A:浮かない顔だね)
(B:家でまずいことになっててさ。また記念日を忘れたんだ)
雑談で理由を短く伝える場面です。場所を添えるだけで、詳しく語らずに事情の輪郭を伝えられます。

あわせて覚えたい関連表現

be in trouble
(面倒なことになっている)
もっとも一般的で中立的な言い方で、書き言葉にも使えます。in hot water は口語寄りで、責められている当事者の感じが強く出るところが違います。

be in deep water
(手に負えない状況にある)
深い水に足が届かない、という発想で、自力では処理できない難しさに焦点があります。hot water が「叱られる立場」を指すのに対して、deep water は「実力を超えた事態」を指します。

be in a jam
(困った状況にはまっている)
身動きが取れないという点は近いものの、誰かに責められているとは限りません。渋滞や日程の板挟みなど、責任と関係のない場面にも使えます。

Note|水の英語で「困っている」を言い分ける

英語で困りごとを表す言い回しを並べていくと、水にまつわるものがやたらと多いことに気づきます。しかも、それぞれが違う困り方を担当しています。

in hot water は熱さを借りた表現で、責められる立場を指します。in deep water は深さを借りて、手に負えない事態を表します。be underwater は水面下に沈んでいる状態で、借金が資産を上回っているときや、仕事が処理能力を超えているときに使われます。keep one’s head above water は顔だけ出して沈まずにいる状態、つまりかろうじて持ちこたえていることです。be all at sea は陸標を見失った船のイメージで、まったく状況がつかめないことを表します。tread water は同じ場所で足を動かし続ける、つまり前に進めていないことを言います。

面白いのは、材料がすべて水だという点です。熱さ、深さ、水面との距離、陸からの遠さ。ひとつの素材の性質を分解するだけで、責められている、実力を超えている、沈みかけている、方向が分からない、進んでいないという五種類の困り方が描き分けられています。日本語が「火の車」「板挟み」「泥沼」「八方塞がり」と、その都度違う素材を持ってくるのとは対照的です。

in hot water が担当しているのは、このうち「熱さ」の枠です。深いわけでも沈んでいるわけでもなく、ただ居心地が悪くて、じっとしていられない。劇中のリスボンが伝えたかったのも、まさにその温度でした。

同じ水でも、どこを見るかで困り方が変わる。整理してみると、意外に細かく分業されています。

まとめ|すでに浸かっている、という現在地

be in hot water は、これから困りそうだと予告する表現ではなく、もう困っていると現在地を伝える表現です。in という前置詞ひとつに、その時間の位置が収まっています。

会話に入れておくと、状況説明を短く済ませられるようになります。締め切りを落とした同僚のことも、炎上した投稿のことも、記念日を忘れた自分のことも、この一言で輪郭が伝わります。深刻さの度合いは、口調と場面のほうが調整してくれます。

劇中のリスボンは、現在地を確認してから次の一手を決めました。今どこにいるかを共有してから動く。そんな運びの起点になる一言として、表現の幅を広げてみてください。

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