海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
仕事で大きなミスをしてしまったり、プライベートでパートナーを怒らせてしまったり…。
単に「ごめん(Sorry)」と謝るだけでは済まされない時、誠意を行動で示すための「起死回生」のフレーズをご存じですか?
今回は、デート中に最悪の失敗をやらかしたブース捜査官の、必死すぎる「償い」の提案から学びます。
実際にそのシーンを見てみよう!
ブースは恋人テッサとのディナー中、事件の連絡を受けて彼女を現場(クラブ)に連れてきてしまいます。
そこにあったのは、壁の中から発見されたミイラ化した腐乱死体。
悪臭と怒りに耐えかねたテッサは、ついに愛想を尽かして帰ろうとします。
Booth: Hey! Whoa, whoa. Where are you going?
(おい! 待てって。どこ行くんだよ?)Tessa: I’m gonna grab a cab.
(タクシー拾って帰るわ。)Booth: Oh, no. Oh, ok, hold up. Uh sorry, sorry. I apologize. Here, I’m gonna make it up to you, I promise, ok? Ice cream later?
(あー、待って、待ってくれ。ごめん、本当に悪い。ほら、埋め合わせはするって約束するから、な? 後でアイス食べるか?)Tessa: I’ll talk to you later.
(また後でね。)BONES Season1 Episode6 (The Man in the Wall)
シーン解説と心理考察
この状況、ブースは絶体絶命です。
「腐乱死体の臭いがするデート」なんて、最悪を通り越してホラーです。
そんなマイナス100点の状況を、ブースは「アイスクリーム」という子供騙しのような提案で埋めようとしています。
この「どんな手を使ってでも、マイナスをゼロに戻したい」という必死さが、このフレーズの核心です。
フレーズの意味とニュアンス
make it up to (someone)
意味: (人に)埋め合わせをする、償う、借りを返す、罪滅ぼしをする
構造を分解してみましょう。
- Make it: (事態を)なんとかする、整える
- Up: (下にあるものを)引き上げる、満たす
- To someone: (迷惑をかけた相手に対して)
つまり、自分のせいで「マイナスになってしまった相手との信頼残高」を、行動によって「元のレベルまで引き上げる(Up)」というニュアンスです。
謝罪(言葉)だけでなく、「償い(行動)」がセットになっているのがポイントです。
実際に使ってみよう!
「言葉だけでなく、行動で示します」というプロフェッショナルな姿勢を伝えるのに最適です。
I know this delay caused issues. We will make it up to you by prioritizing your order next month.
(今回の遅れでご迷惑をおかけしました。来月は御社の注文を最優先にすることで、償わせていただきます。)
解説:
自分のミスで取引先に損害を与えかけた時。「ランチを奢る」ではなく、「仕事の借りは仕事(成果)で返す」のが大人の流儀です。
I feel terrible about missing your party. Let me make it up to you—dinner is on me tonight.
(パーティーに行けなくて本当に悪いと思ってる。埋め合わせさせてくれ、今夜の夕食は私が持つよ。)
解説:
友人のイベントに行けなかった時。具体的な「埋め合わせ案」を即座に提示すると、誠意が伝わります。
I promised to take you to the zoo, I know. I’ll make it up to you this weekend, I swear.
(動物園に行く約束だったよな、分かってる。今週末、絶対に埋め合わせするから。)
解説:
家族サービスを反故にしてしまった時。”I swear”(誓うよ)をつけると、ブースのような必死さが出ます。
『BONES』流・覚え方のコツ
「感情の銀行口座(Emotional Bank Account)」をイメージしてください。
あなたがミスをするたびに、相手の中にある「あなたへの信頼残高」が引き出され(Withdraw)、マイナスになってしまいます。
このままでは関係が破綻(破産)してしまう!
そこで、急いで「お詫び」や「サービス」を入金(Deposit)して、残高をプラスに戻そうとする。
その「赤字補填の入金アクション」こそが make it up to です。
似た表現・関連表現
- make up (with someone)
(仲直りする)
解説:こちらは「関係修復」そのものを指します。make it up to は、仲直りするための「手段・償い」にフォーカスしています。 - return the favor
(恩を返す)
解説:相手が良いことをしてくれた時に「お返しをする」というポジティブな文脈。make it up to は「悪いことをしてしまった時」に使います。
まとめ|謝罪+αで信頼を築く
ミスは誰にでもあります。しかし、一流の人はその後の「リカバリー」が違います。
「ごめんなさい」だけで終わらせず、“I’ll make it up to you!”(必ず挽回します!)と付け加えることで、相手の失望を「期待」に変えることができます。
ブースのアイス作戦は失敗しましたが、皆さんは相手が喜ぶ「とっておきの埋め合わせ」を用意しておきましょう。


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