パニックのときほど出る、英語の言葉遊び|『BONES』S01E09で学ぶ英会話

『BONES』コラム: パニックのときほど出る、英語の言葉遊び|『BONES』S01E09で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『BONES』シーズン1第9話は、ラボが検疫のため封鎖され、クリスマスを施設内で迎えることになるエピソードです。緊迫した状況の合間にも、登場人物たちは言葉をひねって遊ぶ余裕を見せます。今回は、隔離生活のなかで飛び交う語呂合わせや造語、既存フレーズの転用を見ていきます。

こうした軽妙なやり取りを追いながら、英語ならではの言葉遊びの仕組みに触れていきます。

目次

アナグラムと転用で生まれる語呂合わせ

物語冒頭、アンジェラはクリスマスパーティーのSecret Santa(匿名のギフト交換)についてブレナンを誘いますが、乗り気でない反応を見せられると言葉遊びで返します。

ANGELA: Yeah, yeah, I know. If you rearrange Secret Santa, though, you get Secret Satan.

(そうよね、わかってるわ。でも Secret Santa の文字を並べ替えると、Secret Satan になるのよ。)

BONES Season1 Episode9 (The Man in the Fallout Shelter)

Secret Santa と Secret Satan は使われているアルファベットがほぼ共通しており、文字を並べ替える(アナグラム)と別の意味の言葉に変わるという言葉遊びです。英語では、このように綴りの近さを利用して皮肉やジョークを作る表現がしばしば登場します。

検疫が発表された直後には、ブースが別の種類の言葉遊びを見せます。

BOOTH: Okay, it must suck to be Hodgins right now, but the rest of us, we didn’t inhale. So it’s okay if I go, right?

(ホジンズは大変だろうけど、残りの俺たちは吸ってない。だから俺は帰ってもいいよな?)

BONES Season1 Episode9 (The Man in the Fallout Shelter)

inhale は「(息や煙などを)吸い込む」という意味の動詞で、ここでは胞子を吸い込んだかどうかという医学的な文脈で使われています。we didn’t inhale というフレーズは、1992年の米大統領選で、当時候補だったビル・クリントンが自身の大麻使用について「吸ったが、肺には入れなかった(I didn’t inhale)」と釈明したことで広く知られるようになった言い回しでもあります。ブースの発言がこの決まり文句を意識したものかどうかは会話の流れからは断定できませんが、深刻な状況を茶化すような響きを持つ言葉として使われている点は読み取れます。

語尾を足して即興でつくる言葉

ブースが自分の隠し子について話す場面では、状況を言い表す言葉をその場で作り出す様子が見られます。

GOODMAN: Vague?
BOOTH: That word’s just a little bit Christmasier than what I was thinking.

(曖昧、かい?)
(その言葉、俺が考えてたのよりちょっとクリスマスっぽいな。)

BONES Season1 Episode9 (The Man in the Fallout Shelter)

Christmasier は Christmas に比較級の語尾 -ier を付けた、その場限りの即興的な言葉です。本来 Christmas は比較級化する形容詞ではありませんが、口語では名詞に活用語尾を付けて遊び感覚で新しい言葉を作ることがあります。文脈からは「もっとクリスマスらしい、もっと控えめな婉曲表現」を指しているのだと読み取れます。

決まり文句を場面に流用する言い回し

全員がラボに足止めされ、ブースの私生活が明らかになる場面では、レンタルビデオ店の決まり文句を流用したひとことが挟まれます。

ZACK: Be kind, rewind.

(優しくしてあげて、巻き戻して。)

BONES Season1 Episode9 (The Man in the Fallout Shelter)

Be kind, rewind. はもともとレンタルビデオ店で、借りたテープを早送りのまま返すのではなく巻き戻してから返すよう促す注意書きの決まり文句です。ザックはこれを、驚きの展開に動揺する周囲をなだめる場面でそのまま持ち出しており、本来の意味とは異なる文脈に流用することで軽い笑いを誘っています。

もうひとつ、相手の発言をそのまま言葉尻で受けて皮肉る返しも見られます。ブレナンが贈り物の文化について人類学的な考察を語ると、ブースは次のように返します。

BOOTH: Wow, that’s deep. That’s a very deep pile of crap.

(すごいな、深いね。ものすごく深い、ゴミの山だ。)

BONES Season1 Episode9 (The Man in the Fallout Shelter)

that’s deep は「それは深いね(含蓄がある)」と相手の発言に感心するときの決まり文句ですが、ブースはこれを文字どおりの「深い(山のように積まれた)」という意味に転じさせ、a very deep pile of crap(ものすごく深いゴミの山)という皮肉に落とし込んでいます。同じ語を異なる意味で二重に使うことで、相手の発言をやんわりとこき下ろす言い方になっています。

まとめ|緊迫のなかで生まれる言葉遊び

Secret Santa のアナグラム、Christmasier という即興の言葉、Be kind, rewind のような決まり文句の転用、that’s deep の言葉尻を取った皮肉――緊張が続く状況でも、英語には言葉をひねって遊ぶ余地が残されていることが伝わってきます。

緊張の合間にふと差し込まれる軽妙さから、キャラクターたちのユーモアのセンスが見えてきます。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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