海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
言いにくい知らせを抱えて、「どう切り出せばいいんだろう」と、伝える前から気が重くなった経験はありませんか。
そんな「切り出しにくさ」までまるごと運んでくれる「break the news」、つまり(言いにくい知らせを)切り出す・伝えるという意味の表現を、『CHUCK/チャック』シーズン4第5話の序盤、チャックがモーガンに告白の切り出し方を助言するシーンから、一緒に見ていきましょう。
「break the news」の意味とニュアンス
break the news
意味:(言いにくい知らせを)切り出す、打ち明ける、伝える
break the news は、相手が動揺しそうな重大・深刻な知らせを「切り出す」ときに使う表現です。ただ伝える(tell)よりも、「言い出しにくさ」「相手への配慮」のニュアンスが乗るのが特徴です。
ここでの break は「(沈黙や緊張を)破る」というイメージです。相手がまだ知らない情報を隔てている見えない壁を、そっと破って届ける——そんな感覚が、この表現の核にあります。break the news to 人(人に切り出す)、あるいは news を it に置き換えた break it to 人 の形でよく使われます。
良い知らせにも使えますが、特に悪い知らせや、相手をがっかりさせそうな事実を伝える場面で活躍します。gently(やさしく)を添えれば、「配慮して切り出す」ニュアンスをさらに強められます。
【ここがポイント!】
- 核は break(沈黙・状態を破る)。情報の壁を破って相手に届けるイメージ
- ただ伝える tell より「言い出しにくさ・配慮」がにじむ一言
- break it to 人、gently を添えるなど、形を変えて使い回せるのがコツ
『CHUCK/チャック』S04E05のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
モーガンは、厳格で威圧的なケイシーの娘アレックスと交際していますが、そのことをまだ父ケイシー本人に言い出せずにいます。その様子を見たチャックが、からかい半分に「切り出し方」を助言する場面です。
Chuck: Still haven’t told Casey yet, huh?
(まだケイシーに言ってないんだろ?)Morgan: No.
(ああ。)Chuck: Well, be careful how you break the news to him. He might kill you accidentally.
(まあ、どう切り出すかは気をつけろよ。うっかり殺されかねないからな。)Morgan: Sound advice. Thank you.
(まっとうな忠告だ。どうも。)Chuck Season4 Episode5(Chuck Versus the Couch Lock)
シーン解説と心理考察
「父親に交際を切り出す」というモーガンの気の重さが、break the news という言葉選びに重なっています。tell ではなく break the news を使うことで、これが「ただの報告」ではなく「言い出しにくい告白」なのだと伝わってきます。
チャックの “He might kill you accidentally.” というオチが、緊張をユーモアに変えています。ケイシーの恐ろしさはシリーズおなじみの設定で、それを承知のうえで「気をつけろよ」とからかう親友どうしの軽口が、会話の温度をやわらかく見せています。気の重い話題を笑いで包む、CHUCK らしいやり取りだと言えます。
『CHUCK/チャック』流・覚え方のコツ
break は「割る・破る」。胸の奥にしまっておいた重い知らせを、そっと殻ごと割って相手に差し出す——そんな絵を思い浮かべてみてください。相手との間にある「まだ知らせていない」という沈黙の壁を break(破って)、中の news を取り出して手渡すイメージです。
劇中では、モーガンが「交際の告白」という気の重い知らせを、どう break しようか悩んでいました。「うっかり殺されるかも」というチャックのオチごと覚えておくと、break the news が持つ「言い出しにくさ」の手触りが、記憶に残ります。
例文で覚える「break the news」
言いにくい知らせを切り出す場面で活躍するこの表現を、3つの場面で見てみましょう。
I don’t know how to break the news to my parents.
(どうやって両親に切り出せばいいか分からないよ。)
言いにくいことを家族に告げる前の悩みを語る場面です。how to break the news の形で、「切り出し方」そのものに焦点を当てられます。
The manager had to break the news that the project was cancelled.
(マネージャーはプロジェクト中止という知らせを伝えなければならなかった。)
組織内で悪い決定を共有する例です。break the news that 節 と続ければ、知らせの中身をそのまま述べられます。
A: Did you tell her the trip is off?
B: Not yet. I’m trying to figure out how to break it to her gently.
(A:旅行が中止だって彼女に言った?)
(B:まだなんだ。どうやさしく切り出すか考えてるところ。)
がっかりさせる事実を誰がどう伝えるか相談する会話です。break it to 人 gently の形で、「配慮して切り出す」気づかいがにじみます。
あわせて覚えたい関連表現
break it to someone gently
(〜にやんわりと切り出す)
break the news の news を it に置き換え、gently を添えた形です。相手を傷つけないよう配慮して伝える、というニュアンスを強める定番のフレーズです。
give someone the bad news
(〜に悪い知らせを伝える)
こちらは「悪い知らせ」と明言する直接的な言い方です。break the news は良い・悪いどちらにも使え、「切り出しにくさ」そのものに重心がある点で異なります。
let someone know
(〜に知らせる)
中立的に「知らせる」だけの表現です。break the news のような「言い出しにくさ・深刻さ」の含みはなく、事務的な連絡にも気軽に使えます。
Note|break が運ぶ「破る」の発想
break the news を直訳すると「ニュースを割る」。なぜ「割る・破る」が「知らせを伝える」になるのか、不思議に感じるかもしれません。その答えは、英語が break をどう使ってきたかにあります。
break には「それまでの状態を断ち切る」という核の意味があります。break the silence(沈黙を破る)、break the ice(初対面の場の緊張をほぐす)——どれも、それまで続いていた状態(沈黙・緊張)を断ち切る動作です。break the news も同じ発想で、相手がまだ知らない情報を隔てている「壁」を破って、知らせを届けるイメージから来ています。興味深いのは、報道の breaking news(速報)も同じ break だという点です。a story breaks(ニュースが初めて報じられる)のように、break には「情報が初めて世に出る・明るみに出る」という意味もあります。break the news が「人に初めて知らせる」のに対し、breaking news は「世間に初めて出る知らせ」。同じ語の二つの顔として並べると、break の守備範囲の広さが見えてきます。
「壁を破って情報を届ける」という核をつかむと、break the news の「言い出しにくさ」のニュアンスも腑に落ちてきます。
「破る」というたった一つの動作が、沈黙から知らせまで運んでしまう。break という語の働きを知ると、この表現が忘れにくくなります。
まとめ|チャックの軽口に学ぶ「切り出す」の一言
break the news は、相手が動揺しそうな知らせを、配慮しながら切り出すことを表す表現です。ただ伝える tell とは違い、「言い出しにくさ」のニュアンスを帯びるのが持ち味です。
この一言を知っておくと、気まずい告白や悪い知らせを、相手への配慮を込めて切り出せるようになります。break it to 人 gently と形を整えれば、やさしさをさらに添えることもできます。
「うっかり殺されるかも」とからかうチャックの軽口とセットで、この「切り出す」の一言を、あなたの英語の引き出しに加えてみてください。
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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)


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