「get to someone」の意味と使い方|『CHUCK/チャック』S04E20で学ぶ英会話

「get to someone」の意味と使い方を解説
目次

「get to someone」の意味とニュアンス

get to someone
意味:(人を)動揺させる、参らせる、いらだたせる

相手の言動が心に刺さって、いらだたせたり、気持ちを揺さぶったりすることを表します。物理的に「〜に着く」という get to とは別の使い方で、感情のほうに「届いてしまう」「こたえる」イメージです。挑発・皮肉・しつこい態度など、放っておけば心を乱すものが主語に来ます。

この表現がよく登場するのが don’t let 人 get to you(あの人に振り回されるな、真に受けるな)という形です。相手の言動に心を明け渡さないよう励ますときの定番で、日常会話でも頻出します。get の基本義「〜に達する」が、感情面に達する=こたえる・参らせるへ広がったとされる用法で、口語で幅広く使われています。

【ここがポイント!】

  • 核は「相手の言葉が、心のところまで届いてしまう」感覚
  • 挑発や皮肉に「振り回される」ニュアンスを持つ一言
  • don’t let it get to you の形で「気にするな」と励ますのがコツ

『CHUCK/チャック』S04E20のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。ブリーフィングの直後、ケイシーが相手を信用しすぎるなとチャックに釘を刺します。その辛辣な言い方に少し気圧されたチャックを、サラがすかさずフォローする場面です。

Casey: No matter how much you believe in this broad, remember she’s still a Volkoff.
(あの女をどれだけ信じてても、あいつはヴォルコフだ。忘れるな。)

Sarah: Don’t let him get to you. He’s just being Casey.
(彼に振り回されないで。いつものケイシーよ。)

Chuck: Sure. No, it’s… it’s cool.
(ああ。いや…平気だよ。)

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シーン解説と心理考察

サラの don’t let him get to you という一言に、チームの力関係と気遣いが凝縮されています。ケイシーの物言いは常に無骨で刺々しく、まともに受け止めれば誰でも気持ちを乱される種類のものです。それを「いつものケイシーよ」と受け流してみせるサラの落ち着きが、会話の温度を静かに整えています。一方でチャックの「平気だよ」という返しは、口ごもり気味で、実際にはケイシーの言葉が少し刺さっていることをうかがわせます。get to someone が「言葉が心に届いてしまう」表現だからこそ、それを打ち消すサラのフォローと、うまく打ち消せていないチャックの反応の対比が際立つ場面です。

『CHUCK/チャック』流・覚え方のコツ

矢が的の中心まで届いて刺さる様子を思い浮かべてみてください。get to someone の to は、その矢が「相手の心のところまで到達する」向きを示しています。ケイシーの言葉がチャックの内側にちくりと刺さり、サラが「そこまで届かせないで」と盾になる。この「届く/届かせない」の構図と重ねると、don’t let it get to you が「心の中まで入れないで」という励ましだと感覚でつかめます。物理的な到達のイメージを、感情の到達に横滑りさせるのがこのフレーズの覚え方です。

例文で覚える「get to someone」

心に刺さる相手や状況は、職場にも私生活にもあります。「こたえる」ニュアンスを意識しながら、3つの場面で見てみましょう。

Don’t let his comments get to you. He talks like that to everyone.
(彼のコメントを気にしないで。彼は誰にでもああいう言い方をするんだから。)
同僚の辛辣な物言いに落ち込む人を励ます場面です。don’t let … get to you で「真に受けるな」と伝える定番の使い方です。

The constant noise from the construction site is really getting to me.
(工事現場のひっきりなしの騒音が、本当に参ってきた。)
繰り返される不快な状況に神経がすり減る場面です。物ではなく状況が主語になり、じわじわ効いてくる感じを表します。

A: You’ve been quiet all day. Everything okay?
B: The deadline pressure is starting to get to me, honestly.
(A:今日ずっと静かだね。大丈夫?)
(B:正直、締め切りのプレッシャーが効いてきてるんだ。)
プレッシャーに追い詰められた気持ちを打ち明ける場面です。start to get to me で「こたえ始めている」段階を表せます。

あわせて覚えたい関連表現

get under someone’s skin
(じわじわいらだたせる、癇に障る)
get to someone が広く「動揺させる」全般を指すのに対し、こちらは皮膚の下に入り込むような、しつこい苛立ちに焦点があります。より粘着質な不快感を表す表現です。

get on someone’s nerves
(神経に障る、イライラさせる)
これも苛立ち系ですが、繰り返しの刺激で神経をこすられる感覚が中心です。get to someone より「うるさい・しつこい」への反応に寄っています。

bother someone
(悩ませる、気にさせる)
最も中立的で幅広い語です。get to someone が持つ「振り回される」ほどの強さはなく、軽い引っかかりから使えるぶん、トーンを抑えたいときに便利です。

Note|get to you / under your skin / on your nerves の効き方の違い

英語には「相手にこたえる」系の表現がいくつも並んでいます。get to someone もその一つですが、似た仲間と比べると、それぞれの「効き方」の違いが見えてきます。

三つを並べると、刺さり方の性質がずれているのが分かります。get to someone は最も守備範囲が広く、動揺・落ち込み・いらだちまで含めて「心に届いてしまう」全般を指します。だから The pressure is getting to me のように、怒りとは限らない疲弊感にも使えます。get under someone’s skin は、皮膚の下に異物が入り込むイメージそのままに、抜けない・しつこい苛立ちを表します。特定の相手の癖や態度が「妙に癇に障る」ときにしっくりきます。一方 get on someone’s nerves は、神経を繰り返しこすられる感覚で、うるさい音や同じ小言など「反復される刺激」に反応するのが得意です。同じ場面でも、He gets to me なら心が揺れ、He gets under my skin なら苛立ちが抜けず、He gets on my nerves なら繰り返しに神経がすり減る、という具合に微妙に手触りが変わります。

サラが選んだのは get to you でした。ケイシーの一言でチャックの心が揺れかけている、その「揺れ」全般を包む語として、最も自然な選択だったと言えます。

刺さる言葉にも、実は効き方の個性があるのです。

まとめ|ケイシーの一言に「振り回されない」を英語で

get to someone は、相手の言葉や状況が心のところまで届いて、動揺させたり参らせたりする表現です。物理的な「到達」の感覚を、感情の「到達」へ横滑りさせているのが核にあります。

この表現を知っていると、誰かに落ち込む人を don’t let it get to you と励ましたり、自分の疲弊を it’s getting to me と素直に打ち明けたりできます。強い言葉を使わずに、心の揺れをやわらかく言い表せるのが便利なところです。

ケイシーのようにきつい物言いをする相手は、どこの職場にもいるものです。そんな一言に心を明け渡さないための「気にしないで」を、表現の引き出しに加えてみてください。

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