「par for the course」の意味と使い方|『CHUCK』S03E04で学ぶ英会話

「par for the course」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

面倒なトラブルや不運な出来事に、いちいち驚くこともなく「まあ、こういうのはよくあることだから」と淡々と受け流す――そんな場面に覚えはありませんか。

その心境にぴったりの「par for the course」を、『CHUCK』シーズン3第4話の中盤、敵スパイの不穏な指示を「お決まりの手口だ」と受け流して、にわかスパイのデヴォンを落ち着かせようとするチャックのシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「par for the course」の意味とニュアンス

par for the course
意味:お決まりのこと/想定内/(好ましくないが)よくあること

par for the course は、ゴルフ由来の表現です。par とは、各ホールに設定された「基準打数」のこと。「そのコースなら、これくらいの打数で回って当然」という基準を指します。そこから「予想どおり」「想定の範囲内」という意味へ広がりました。

ポイントは、この表現が好ましくない事態に対して使われることが多い点です。トラブル、遅延、面倒事といった、嬉しくはない出来事を「まあ、いつものことだよ」「驚くには値しない」と、ややあきらめ混じりに受け止めるニュアンスがあります。逆に、喜ばしい出来事には使いにくい表現です。that’s par for the course(まあお決まりだ)のように、面倒を淡々と受け流す場面で活躍します。

【ここがポイント!】

  • 「par for the course」の核は、ゴルフの「基準打数=想定どおり」というイメージ
  • 面倒・不運など、好ましくない出来事を「いつものこと」と受け流す一言
  • どこかあきらめ混じりで、喜ばしい出来事には使いにくいのがコツ

『CHUCK』S03E04のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

リングの女スパイ、シドニーからデヴォンに小包が届き、イヤピースと時計を着けるよう指示されます。にわかスパイのデヴォンは怯えますが、ハンドラー役のチャックは「こんなのお決まりだ」と軽く受け流し、落ち着かせようとします。

Sydney: From now on, Devon, I will speak to you through the earpiece included in the package. Now, put in the earpiece, and put on the watch.
(これからはデヴォン、同梱したイヤピース越しに話すわ。さあ、イヤピースを着けて、時計をはめなさい。)

Chuck: Par for the course. Just do what she says.
(まあお決まりの手口だ。言われたとおりにしろ。)

Sydney: Now we can track you on our own GPS network.
(これで私たちのGPS網であなたを追える。)

Chuck Season3 Episode4(Chuck Versus Operation Awesome)

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シーン解説と心理考察

Par for the course というチャックのささやきには、デヴォンを安心させるための”ベテランの余裕”が表れています。本物のスパイ業務に怯えるデヴォンに、「こんなのいつものことだ、驚くようなことじゃない」と伝えることで、義兄を落ち着かせようとしているわけです。続く standard operating procedure(通常の手順だ)という言葉も、同じ役割を担っています。

ところが、この「想定内」という余裕は、直後にあっさり崩れます。イヤピースが実は起爆装置だと明かされ、チャックの par for the course が一瞬で吹き飛ぶのです。「お決まりだ」と強がった矢先に想定外が襲ってくる――この落差が、コメディとサスペンスを同居させる『CHUCK』らしい呼吸を生んでいます。余裕ぶるチャックと、現実の不穏さのギャップが見どころの場面です。

『CHUCK』流・覚え方のコツ

ゴルフコースの各ホールに掲げられた「PAR 4」の小さな看板を思い浮かべてみてください。「このホールは4打で回れて当たり前」という、あらかじめ決められた基準のことです。その「想定どおり」という感覚が、そのまま par for the course の核心になります。

チャックが不穏な指示を「お決まりだ」と余裕ぶって受け流した、あの直後に起爆装置が発覚する流れを思い出してみてください。「パー(想定どおり)で回れると思ったらバンカー(想定外)に落ちた」というゴルフの情景と重ねておくと、par for the course が「想定内・よくあること」を表す一言だと、皮肉のニュアンスごと記憶に残ります。

例文で覚える「par for the course」

日常の不便から仕事のトラブルまで、「よくあること」と受け流す場面で活躍します。場面を変えた3つの例文で、その温度感をつかんでみましょう。

The train was late again, but that’s par for the course around here.
(また電車が遅れたけど、この辺じゃいつものことさ。)
日常の不便を受け流す場面です。あきらめ混じりに「驚くことじゃない」と肩をすくめる、最も典型的な使い方です。

A few technical glitches on launch day are pretty much par for the course.
(ローンチ初日に多少の不具合が出るのは、まあお決まりだ。)
仕事のトラブルを冷静に受け止める場面です。チャックの「想定内」に近い、淡々とした温度感が出ています。

A: Ugh, they changed the deadline again.
B: Honestly, that’s par for the course with this client.
(A:うわ、また締め切りを変えてきたよ。)
(B:正直、あのクライアントだと、もうお決まりだよね。)
面倒な相手について愚痴り合う会話です。「この相手なら想定どおり」と、半ばあきらめて受け止めるニュアンスがよく伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

business as usual
(いつもどおり・通常運転)
「平常運転」を中立に指す表現です。par for the course が持つ「面倒だがよくある」というあきらめの色はなく、淡々と「特に変わりなく進んでいる」状態を表します。

nothing out of the ordinary
(特に変わったことはない)
「普通の範囲内」を述べる言い方です。par for the course と違って好ましくない含みは持たず、単に「異常なし」と中立に報告する場面で使われます。

comes with the territory
(つきものだ・避けられない)
「その立場や仕事なら当然伴う」という宿命の色が濃い表現です。par for the course が「よくあること」と広く言うのに対し、こちらは「その役割を選んだ以上、避けられない」という覚悟がにじみます。

Note|ゴルフ用語 par が「想定内」になるまで

なぜ「想定どおり」をゴルフの par(基準打数)で表すのか。その背景には、スポーツ用語が日常語へと広がっていった、英語らしい言葉の旅があります。

par という語は、もともとラテン語で「等しい」を意味する言葉だったとされています。それがゴルフに取り入れられ、「各ホールを、上手な人なら何打で回れるか」という標準的な基準打数を指すようになりました。19世紀末から20世紀初頭にかけてゴルフが大衆に広まると、この par という言葉も競技場の外へ出ていきます。「基準どおり」「水準に達している」という par の感覚が、日常の出来事に当てはめられるようになったのです。そうして生まれた par for the course は、文字どおりには「そのコースにとっての基準打数」を指しますが、転じて「その状況なら当然予想されること=想定内」を表すようになりました。興味深いのは、この表現が次第に「(嬉しくはないが)まあそんなもの」という、あきらめ混じりの響きを帯びていった点です。

この由来を踏まえると、チャックが不穏な指示を par for the course と呼んだ余裕の正体が見えてきます。「このコース(スパイの世界)では、これくらいは基準打数のうちだ」――そう構えてみせた直後に、想定外のバンカーが待っていたわけです。

ゴルフコースの基準打数が、いつしか人生の「想定内」を映す言葉になったのですね。

まとめ|チャックの強がりから学ぶこと

par for the course は、ゴルフの基準打数 par から生まれた、「お決まりのこと/想定内/よくあること」を表す表現でした。とくに、面倒や不運をあきらめ混じりに受け流す、という温度感がこの一言の核心です。

that’s par for the course の形を引き出しに入れておくと、トラブルや遅延に出くわしたとき、ただ嘆くのではなく「まあ想定の範囲だよ」と、ひと呼吸おいた余裕とともに受け止められるようになります。

「お決まりだ」と構えた矢先に想定外が襲ってくる、あのチャックの強がりと現実のギャップがにじんだ場面とともに、この一言を表現の引き出しに加えてみてください。

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