「a marked man」の意味と使い方|『CHUCK』S03E04で学ぶ英会話

「a marked man」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

誰かに目をつけられ、どこへ行っても狙われている――スパイものや犯罪ドラマで、そんな逃れられない立場に置かれた人物を目にすることがありますよね。

その緊迫感を一言で言い表す「a marked man」を、『CHUCK』シーズン3第4話の終盤、義兄デヴォンが置かれた危険な状況をサラが冷静に告げるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「a marked man」の意味とニュアンス

a marked man
意味:命を狙われた人/標的にされた人/目をつけられて逃れられない立場の人

a marked man は、直訳すると「印(mark)をつけられた男」です。ここでの mark は「標的」「狙いの的」を指し、「特定の誰か――敵や組織――から、危害や報復の対象として狙い定められた人」という意味になります。

ポイントは、単に「注目されている」のではなく、「身の危険が迫っている」という深刻さを含むことです。証言者が報復を恐れる、逃亡者に賞金がかけられる、スパイが組織から追われる――そうした、命に関わる切迫した状況で使われます。man の部分は、対象が女性なら a marked woman となります。また、命の危険そのものではなく、組織内で「冷遇・排除の対象にされた」という比喩的な意味で使われることもあります。緊張感のある物語で、登場人物の窮地を端的に示す決め台詞として頻出する表現です。

【ここがポイント!】

  • 「a marked man」の核は、背中に標的の印をつけられたようなイメージ
  • 「注目される」ではなく「身の危険が迫っている」という深刻さを帯びる一言
  • 命の危険にも、組織内の冷遇・排除にも使える幅があるのがコツ

『CHUCK』S03E04のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

スパイと取り違えられた義兄デヴォンを、二度と任務に関わらせまいとするチャック。しかしサラは、敵スパイのシドニーが生きている限りデヴォンの危険は去らない、と冷静に現実を突きつけます。

Chuck: What? No! No way! I’ve already been over this. Devon is out of the spy business for good.
(何だって? だめだ! 絶対にだめだ! 何度も言っただろう。デヴォンはスパイ稼業から永久に足を洗うんだ。)

Sarah: Chuck, as long as Sydney is alive, Devon is a marked man.
(チャック、シドニーが生きている限り、デヴォンは命を狙われ続けるのよ。)

Casey: She’s right, Chuck.
(彼女の言うとおりだ、チャック。)

Chuck Season3 Episode4(Chuck Versus Operation Awesome)

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シーン解説と心理考察

Devon is a marked man という一文が、デヴォンの置かれた状況の深刻さを端的に言い表しています。サラはここで、感情的になるチャックとは対照的に、淡々とした口調でこの言葉を口にします。その冷静さが、かえって事態の重さを際立たせる効果を生んでいます。

注目したいのは、チャックの感情とスパイたちの論理が真っ向からぶつかっている点です。家族を巻き込みたくないチャックはリスクを否定したい一方、サラとケイシーは「脅威を取り除くまで、デヴォンは標的のままだ」という冷厳な現実を示します。a marked man という言葉が選ばれることで、「もう普通の生活には戻れない」という後戻りのできなさが浮かび上がります。コメディ色の強い『CHUCK』の中でも、シリーズ後半の緊張感を担う、引き締まった場面です。

『CHUCK』流・覚え方のコツ

背中に、大きな赤い的のマーク――射撃場の標的のような同心円――を描かれた人物を思い浮かべてみてください。その印は本人には見えませんが、狙う側には一目瞭然です。どこへ逃げても、闇の中からスコープがその的を捉え続けている。そんな映像が a marked man の核心です。

サラが「シドニーが生きている限り」デヴォンは狙われ続ける、と告げたあの場面を思い出してみてください。消えない標的マークを背負わされたデヴォンのイメージと重ねておくと、a marked man が「ただ目立つ」のではなく「身が危ない」立場を表す一言だと、その深刻さごと記憶に残ります。

例文で覚える「a marked man」

報復から組織内の窮地まで、「狙われた立場」を語る場面で使えます。場面を変えた3つの例文で、その緊迫感をつかんでみましょう。

After testifying against the gang, he became a marked man.
(ギャングに不利な証言をして以来、彼は命を狙われる身になった。)
報復の標的になった状況を語る場面です。「もう安全ではいられない」という深刻さを、一言で言い表せます。

Once you cross the boss, you’re a marked man in this company.
(ボスに楯突いたら、この会社じゃもう終わりだぞ。)
組織内の立場を警告する場面です。命の危険ではなく、「冷遇・排除の対象になる」という比喩的な使い方です。

A: With that bounty on his head, he can’t stay anywhere for long.
B: Yeah. He’s a marked man wherever he goes.
(A:あれだけの賞金首じゃ、どこにも長くはいられないな。)
(B:ああ。どこへ行っても狙われる身さ。)
逃亡者について語り合う会話です。デヴォンの状況にも近い、「行く先々で標的にされる」という緊迫感がよく出ています。

あわせて覚えたい関連表現

have a target on one’s back
(標的にされている・狙われている)
a marked man とほぼ同じ意味ですが、より口語的で、「背中に的を背負っている」と視覚的に表す言い方です。命の危険だけでなく、批判が集中する立場など、比喩的にも広く使えます。

on someone’s hit list
(誰かの抹殺リスト/要注意リストに載っている)
特定の敵が作った「リスト」に名前がある、という具体性が持ち味です。深刻な場面はもちろん、「あの人に嫌われてる」程度の軽口としても使われます。

living on borrowed time
(いつ命を落としてもおかしくない状態で)
「残された時間が尽きかけている」という、時間の含みを持つ表現です。狙われているかどうかは問わず、「もう長くはもたない」危うさそのものを表す点が a marked man と異なります。

Note|mark が「標的」を背負うようになった歴史

なぜ「印(mark)をつけられた人」が、「命を狙われた人」を意味するのか。その背景には、mark という語が「狙いの的」を指してきた長い歴史があります。

英語の mark には、古くから「狙って当てるべき的」という意味がありました。弓術や射撃で狙う標的、つまり「当てるべき目標点」を mark と呼んだのです。to miss the mark(的を外す)、to hit the mark(的を射る)といった言い回しは、この用法の名残とされています。狙撃手や射手が的に狙いを定めるように、「誰かを危害の対象として狙い定める」ことを mark someone と表すようになり、そうして狙われた人が a marked man と呼ばれるようになったと考えられます。さらに、囚人や逃亡者、報復対象などに「目印」をつけて特定する、という発想も重なります。marked for death(死を運命づけられた)のような定型句も、同じ系譜にある表現です。射撃の的としての mark と、識別のための印としての mark――二つのイメージが結びついて、「狙い定められ、逃れられない人」という意味が育ちました。

この成り立ちを知ると、サラの a marked man という言葉の重みが見えてきます。デヴォンはもはや、敵のスコープに捉えられた的そのもの――だからこそ、ただ身を隠すだけでは安全になれないわけです。

射撃の的が、いつしか「狙われた人」そのものを映す言葉になったのですね。

まとめ|サラの冷静な一言から学ぶこと

a marked man は、「狙いの的(mark)」を定められたイメージから生まれた、「命を狙われた人/標的にされて逃れられない立場の人」を表す表現でした。ただ目立つのではなく、身の危険が迫っている、という深刻さがこの一言の核心です。

have a target on one’s back といった近い表現と並べて引き出しに入れておくと、「狙われている」「窮地に立たされている」という切迫した状況を、命の危険から組織内の冷遇まで幅広く言い表せるようになります。

感情的になるチャックに、サラが淡々と現実を告げたあの引き締まった場面とともに、この一言を表現の引き出しに加えてみてください。

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