海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
後先を考えない無茶なふるまいを見て、思わず「またそんなことして」とあきれてしまうこと、ありますよね。
そんなときに使える「pull a stunt」を、『CHUCK』シーズン1第2話、勝手な行動をとったチャックに、護衛役のケイシーが車内で凄むシーンから、一緒に見ていきましょう。
「pull a stunt」の意味とニュアンス
pull a stunt
意味:無茶をする、ばかな真似をする、向こう見ずなことをやらかす
stunt は、映画やサーカスで見られる「危険な離れ業」のこと。それを pull(やってのける)と組み合わせると、「無謀で人を驚かせるような行動をやらかす」という意味になります。多くの場合、話し手のあきれ・非難・心配のニュアンスがこもります。
like that(あんな)と一緒に pull a stunt like that の形で、特定の無茶な行動を指して使われることがよくあります。子どものいたずら、職場での非常識なふるまい、危険な暴走まで、大小さまざまな「やらかし」に対応する表現です。叱る側・あきれる側が口にすることが多く、感情の温度を含んだ言い回しと言えます。
【ここがポイント!】
- 核は映画の「危険な離れ業(stunt)」、それを素人がやらかすイメージ
- あきれ・非難・心配の感情がこもる、叱る側が使いがちな一言
- like that と組み合わせて「あんな無茶」を指すのがよくある形
『CHUCK』S01E02のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
任務中に勝手な行動をとったチャックに、護衛役のケイシーが車の中で凄みます。物騒な脅し文句を放つケイシーと、それを軽く受け流すチャック——緊張感とコメディが同居する、二人らしいやり取りが見どころの場面です。
Casey: You pull a stunt like that again, I’ll kill you.
(今度あんな無茶をしたら、ただじゃおかないからな。)Chuck: You keep saying that, but you never do.
(あなた毎回そう言うけど、一度もやらないよね。)Chuck Season1 Episode2 (Chuck Versus the Helicopter)
シーン解説と心理考察
ケイシーが pull a stunt like that again と凄む一言には、訓練を受けていない素人のチャックが現場で勝手をすることへの苛立ちがにじむ場面です。物騒な脅し文句の物々しさが、かえってこのコンビの緊張感をユーモラスに見せています。
それを受けたチャックの「毎回言うけど、一度もやらないよね」という軽口が、会話の温度をふっとゆるめています。表向きはビクビクしながらも、ケイシーの脅しが本気でないと見抜いている——その読みが、少しずつ築かれていく二人の信頼の裏返しとして響きます。叱る側と受け流す側、立場の違う二人の距離感が、短いやり取りに表れています。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
映画の撮影現場で、スタントマンが車を爆走させたりビルから飛び降りたりする「危険な離れ業」を思い浮かべてみてください。プロでもない人が、いきなりそんな無茶を pull(やってのけよう)とする——その無謀さが pull a stunt の核です。
ケイシーが「またあんな stunt をやったら」と凄み、チャックが飄々と受け流す場面を思い出すと、叱る側のあきれた表情ごと、この表現の「無茶なやらかし」というニュアンスが記憶に残ります。
例文で覚える「pull a stunt」
誰かの無謀なふるまいを、あきれや非難をこめて指すときに活躍します。場面を変えて三つの使い方を見てみましょう。
If you pull a stunt like that at work, you’ll get fired.
(職場でそんな無茶をしたら、クビになるぞ。)
無謀な行動に警告する場面です。like that を伴う、劇中と同じ典型的な使い方です。
I can’t believe he pulled a stunt like that in front of the clients.
(彼が客の前であんな真似をしたなんて信じられない。)
同僚の非常識なふるまいを語る場面です。あきれ・非難のニュアンスがよく出る形です。
A: Don’t pull any stunts while I’m gone, okay?
B: Relax, I’ll be on my best behavior.
(A:俺がいない間に変な真似はするなよ?)
(B:落ち着いてよ、ちゃんとお行儀よくしてるから。)
留守を任せる相手に釘を刺す会話です。any stunts と複数形にして「妙なこと一切」を表しています。
あわせて覚えたい関連表現
pull a prank
(いたずらを仕掛ける)
同じ pull a ~ の形ですが、prank は笑わせる・からかう目的のいたずらに限られます。pull a stunt は危険・無謀・非常識な行動全般で、必ずしも笑い目的ではありません。
do something reckless
(無謀なことをする)
意味は近いものの、説明的で中立的な言い方です。pull a stunt のほうが口語的で、あきれや非難の感情がこもりやすい表現です。
act out
(問題行動を起こす)
act out は感情を抑えきれずに起こす問題行動(特に子ども)を指します。pull a stunt は計画的か衝動的かを問わず、「やらかし」全般を指す点が違います。
Note|映画の「スタント」が日常表現になるまで
pull a stunt の stunt と聞くと、まず映画のスタントシーンが頭に浮かびます。この派手な言葉が、どうやって「無茶なやらかし」という日常表現になったのでしょうか。
stunt はもともと、サーカスや見世物で披露される「人を驚かせる離れ業・妙技」を指す語でした。20世紀に入って映画産業が花開くと、危険なアクションを専門にこなすスタントマンの存在とともに、stunt は「危険で目を引く行為」の代名詞として広く知られていきます。やがてこの語は比喩的に広がり、「人目を引くための行為」「常識外れの無謀な行動」までも指すようになりました。そこに「(計略や行為を)引っぱり出す・やってのける」を意味する pull が結びつき、pull a stunt という口語表現が生まれます。pull a prank(いたずらをする)、pull a fast one(一杯食わせる)など、pull a ~ で「よからぬことをやってのける」を表す仲間の一つです。
この成り立ちを知ると、pull a stunt が「素人が危険な離れ業をやらかす」という、あきれ混じりの像を背負った表現だと見えてきます。
派手な無茶には、どこか見世物めいた響きがつきまとうのですね。
まとめ|ケイシーの脅し文句から学ぶ、無茶への一言
pull a stunt は、無謀で常識外れな行動を、映画の「危険な離れ業」になぞらえて表す表現です。あきれ・非難・心配の感情がこもり、叱る側・あきれる側が口にすることが多い言い回しです。
「やめろ」と直接止める代わりに、相手の行動を stunt と呼ぶことで、その無謀さをくっきりと際立たせられます。子どものいたずらから職場の暴走まで、後先を考えないふるまいを指すのにぴったりの一言です。
誰かの無茶にあきれた場面を思い出しながら、表現の引き出しに加えてみてください。
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