海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
ぎくしゃくしてしまった相手と、時間をかけてでもなんとか折り合いをつけたい——そんなふうに思うこと、ありますよね。
そんなときに使える「work things out」を、『CHUCK』シーズン1第2話の終盤、姉エリーが弟チャックに、交際相手との仲直りをそっと後押しするシーンから、一緒に見ていきましょう。
「work things out」の意味とニュアンス
work things out
意味:問題を解決する、(関係などを)うまく修復する、折り合いをつける
work out には「(答えや解決を)苦労して導き出す」という意味があり、その間に things(諸々の事情・問題)を挟んだのが work things out です。「もつれた物事を、時間と労力をかけて解決していく」という意味になり、とりわけ人間関係のいざこざを話し合って修復する場面でよく使われます。
ポイントは、一瞬で解決するのではなく「なんとか折り合いをつけていく」というプロセスのニュアンスがあること。けんかした相手と仲直りする、こじれた状況を少しずつ整理する、といった文脈にぴったりです。なお、things を挟まない work out は「うまくいく・運動する」など別の意味にもなるため、things を入れた形でセットで覚えると混同を防げます。
【ここがポイント!】
- 核は「もつれた物事を、時間をかけて解決していく」プロセス
- 特に人間関係の修復・仲直りの場面で活躍する表現
- things を挟む形で覚えると、work out の別の意味と混同しにくい
『CHUCK』S01E02のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
エピソード終盤、姉エリーが、弟チャックとその交際相手サラの関係を気にかけ、仲直りをそっと後押しします。事情を知らないエリーの、家族としての温かい気づかいがにじむ、しめくくりにふさわしい場面です。
Ellie: She seems really great, Chuck. I hope you guys work things out before the next dinner party.
(彼女、本当に素敵な人ね、チャック。次のディナーパーティーまでに、二人で仲直りできるといいんだけど。)Chuck: Yeah. Me too.
(うん。俺もそう思うよ。)Chuck Season1 Episode2 (Chuck Versus the Helicopter)
シーン解説と心理考察
エリーの work things out という言葉には、二人を責めるのではなく「歩み寄って解決してほしい」という願いがにじむ場面です。弟の幸せを願う姉の気づかいが、控えめな後押しとして差し出されています。
興味深いのは、事情を知らないエリーが、これを純粋な恋愛のすれ違いとして受け止めている点です。観客はサラがスパイであるという二重構造を知っているため、エリーの善意の助言が、どこかほろ苦い余韻として響きます。「次のディナーパーティーまでに」という何気ない一言が、家庭という日常の場と、サラの抱える非日常との距離を、そっと浮かび上がらせています。温かさと切なさが同居する空気が、この短いやり取りに重なっています。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
もつれた毛糸の玉を思い浮かべてみてください。things(こじれた諸々)が絡まったその玉を、時間をかけて少しずつ手繰り(work)、最後にきれいに片づける(out)——その手作業の感覚が work things out です。
姉エリーが弟に「次の集まりまでに二人で仲直りできるといいね」と優しく語りかける場面を思い出すと、一気にではなく、歩み寄りながら関係を解きほぐしていく、というこの表現のニュアンスが記憶に残ります。
例文で覚える「work things out」
こじれた関係や問題を、時間をかけて解決していく場面で活躍します。場面を変えて三つの使い方を見てみましょう。
I’m sure you two can work things out if you just talk.
(ちゃんと話せば、二人ならきっと解決できるよ。)
仲たがいした相手を励ます場面です。人間関係の修復を後押しする、劇中に近い使い方です。
They decided to work things out instead of breaking up.
(彼らは別れる代わりに、関係を修復することにした。)
歩み寄った経緯を語る場面です。break up との対比で「修復」の意味がくっきりします。
A: We had a huge argument last week.
B: Did you manage to work things out?
(A:先週、すごく大げんかしちゃってさ。)
(B:それで、ちゃんと仲直りできたの?)
けんかのその後を尋ねる会話です。「折り合いをつけられたか」を自然に問う使い方です。
あわせて覚えたい関連表現
sort things out
(物事を整理する、片づける、解決する)
work things out とほぼ交換できることも多いですが、sort out は「整理・仕分けして片づける」感覚が強めです。work things out は努力・話し合いを通じた解決により重点があります。
patch things up
(関係を修復する、仲直りする)
patch up は「ほころびを繕う」イメージで、特に人間関係の仲直りに限られます。work things out は関係だけでなく、問題や状況全般の解決にも使える点が違います。
come to terms
(折り合いをつける、合意に達する)
come to terms (with) は合意に至る、またはつらい現実を受け入れることに焦点があります。work things out は対立を能動的に解決していく作業のニュアンスが強い表現です。
Note|人間関係を「work する」という英語の発想
work things out には work、つまり「働く・努力する」という語が入っています。人間関係の修復に、なぜ「労働」の言葉が使われるのでしょうか。ここには、英語ならではの発想が隠れています。
英語では、恋愛や友情といった関係を「自然に続くもの」ではなく、「働きかけて保つもの」として捉える感覚があります。たとえば work at a relationship(関係を築く努力をする)、a relationship that works(うまくいっている関係)、make it work(なんとかうまくやっていく)といった言い回しは、いずれも関係を「手をかけ、努力して機能させる対象」とみなしています。work things out もこの系譜にあり、こじれた関係を「放っておけば直る」ものではなく、「働きかけて解きほぐす」ものと捉えています。日本語の「関係を修復する」にも近いものの、英語の work には「汗をかいて取り組む」という能動的な響きがより強く宿っています。
この発想を知ると、エリーが弟に贈った work things out という言葉が、「黙って待つのではなく、二人で動いて解決して」という、能動的な後押しだったことが見えてきます。
良い関係は、待つものではなく育てるものなのかもしれません。
まとめ|エリーの優しい後押しから学ぶ、折り合いの一言
work things out は、こじれた問題や関係を、時間と労力をかけて解決していくことを表す表現です。work out に things を挟んだ形で、特に人間関係の修復・仲直りの場面で活躍します。
一気に片づける解決ではなく、歩み寄りながら少しずつ解きほぐしていく——そんなプロセスごと伝えられるのが、この表現の持ち味です。けんかした相手との仲直りも、こじれた状況の整理も、落ち着いて向き合う姿勢とともに表せます。
大切な関係を育て直したい場面で、表現の引き出しに加えてみてください。
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