「race against the clock」の意味と使い方|『CHUCK/チャック』S04E09で学ぶ英会話

「race against the clock」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

締め切りや刻限が刻一刻と迫るなか、時間そのものと追いかけっこをしているような焦りを感じた経験はありませんか。

その切迫感を運ぶ「race against the clock」、つまり時間と競争するという意味の表現を、『CHUCK/チャック』シーズン4第9話の中盤、さらわれたチャックの行方を追うサラが、タイ大使館の関係者アナンを尋問するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「race against the clock」の意味とニュアンス

race against the clock
意味:時間と競争する、締め切りに追われる、一刻を争う

race against the clock は、限られた時間のなかで何かを間に合わせようと、時間そのものを競争相手のように相手取って急ぐことを表す表現です。締め切り前の仕事から、命がかかった救助の現場まで、「刻限が迫るなかで急ぐ」あらゆる場面で使えます。

鍵になるのは、相手が人ではなく the clock(時計=時間)である点です。ストップウォッチで記録を計る競技のように、進み続ける時間と徒競走している——そんなイメージが、この表現の「一刻を争う」という切迫感につながっています。

深刻な救助や医療の場面でも、日常の締め切りでも使える幅の広さがあり、緊迫の度合いは文脈しだいで変わります。劇中のように biological clock(体内時計)などと組み合わせて応用されることもあります。

【ここがポイント!】

  • 核は「進み続ける時間を競争相手のように相手取って急ぐ」こと
  • 命がかかった救助から日常の締め切りまで、幅広く使える
  • 相手が the clock(時間)である擬人化が、切迫感を生む

『CHUCK/チャック』S04E09のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

さらわれた恋人チャックを追い、世界中を飛び回るサラは、手がかりを握るタイ大使館の関係者アナンを厳しく尋問します。探している男が「自分と結婚したがっている」と本音を漏らしたサラを、アナンは皮肉で切り返します。

Sarah: But this man that I’m looking for- he loves me. He wants to marry me.
(でも、私が探してるこの男は——私を愛してる。私と結婚したがってるの。)

Anand: I see. It’s amazing what a woman will do to find a husband. Even the toughest spies in the world are just racing against that biological clock.
(なるほど。女が夫を見つけるためなら何でもするとは驚きだ。世界一タフなスパイでさえ、結局はその体内時計と競争してるだけさ。)

Sarah: You got me. I’m just a needy, love-crazed girl on a husband hunt… who’s trained in over 200 ways to kill you. Afraid yet?
(バレたわ。私はただの夫探しに必死な恋に狂った女——ただし、あなたを殺す方法を200通り以上仕込まれてるけどね。もう怖くなった?)

Amazon Prime Videoで見る ※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)

シーン解説と心理考察

アナンは racing against that biological clock という一言で、有能な女性スパイであるサラを「結婚を焦る女」へと矮小化しようとします。biological clock(体内時計)をあえて持ち出すあたりに、相手を挑発して主導権を握ろうとする計算がにじみます。

注目したいのは、サラがその挑発にあえて乗ってみせるところです。「その通り、夫探しに必死な女よ」と皮肉を受け流した直後に、「殺す方法を200通り知っている」と付け加える。侮辱に苛立つのではなく、それを逆手に取って一瞬で立場を逆転させる切れ味が、この場面の緊張と面白さを生んでいます。

『CHUCK/チャック』流・覚え方のコツ

大きな壁掛け時計の秒針がカチカチと進むのを背に、ゴールへ全力疾走する自分を思い浮かべてみてください。相手は人ではなく「時計」そのもの。進み続ける針と徒競走している——その絵が、そのまま「時間と競争する」という意味になります。

劇中では、アナンがサラを煽りながら “biological clock” と口にしていました。「時間に追われる」という中核のイメージに、「人生の刻限」という含みを重ねたこの応用を思い出すと、race against the clock の切迫感と、the clock を相手取る発想が一度に頭に残ります。

例文で覚える「race against the clock」

救助の現場から日常の締め切りまで、幅広く使えるこの表現を、3つの場面で見てみましょう。

The rescue team was racing against the clock to reach the trapped hikers.
(救助隊は、閉じ込められた登山者のもとへたどり着こうと時間と競争していた。)
命の期限が迫る救助の場面です。「一刻を争う」というこの表現の最も緊迫した使い方です。

We’re racing against the clock to finish the report before the deadline.
(締め切り前にレポートを仕上げようと、時間との戦いだ。)
仕事の締め切りに追われる場面です。日常のビジネスで最も使用頻度の高い使い方です。

A: How’s the project going?
B: Honestly, we’re racing against the clock right now.
(A:プロジェクトはどう進んでる?)
(B:正直、今はもう時間との勝負だよ。)
進捗を尋ねられて切迫感を伝える会話です。right now を添えると、まさに今その渦中にいる臨場感が出ます。

あわせて覚えたい関連表現

against the clock
(時間に追われて、時間制限つきで)
race を省いた副詞的な形で、work against the clock のように動詞と組み合わせます。race against the clock のほうが「競走している」動きのイメージがより強く出ます。

beat the clock
(時間内に間に合わせる、締め切りに勝つ)
beat は「打ち負かす=間に合う」という結果に焦点があります。race が「競争している最中」のプロセスを指すのに対し、beat は「間に合った」という達成に重心があります。

down to the wire
(最後の最後まで、ぎりぎりまでもつれて)
競馬のゴール線(wire)に由来し、「結果が最後まで分からない接戦」を表します。race against the clock が「時間」を相手取るのに対し、down to the wire は「勝敗のもつれ」に焦点がある点で異なります。

Note|なぜ「時計」と競走するのか

race against the clock を初めて見ると、なぜ「時計」と競走するのか、少し不思議に感じるかもしれません。その答えは、the clock という言葉が「時間そのもの」を指している点にあります。

この表現は、ストップウォッチで記録を計るスポーツ競技のイメージから広まったとされています。走者が競うのは、隣のレーンの相手であると同時に、刻々と進む時計の針でもあります。やがてこの「時間を競争相手として相手取る」発想が、スポーツを離れて、締め切りや刻限に追われるあらゆる場面へと広がっていきました。興味深いのは、英語が「時間」をしばしば擬人化された競争相手として描くことです。beat the clock(時計を打ち負かす)、race against time(時間と競走する)なども同じ発想の仲間で、いずれも進み続ける時間を、立ち向かうべき相手として捉えています。

劇中でアナンが持ち出した biological clock(体内時計)も、この発想の延長にあります。「出産適齢期」を暗に指すこの言い回しと race を組み合わせることで、単なる時間の切迫に「人生の刻限」という含みが重なります。ただし、この応用はジェンダーをめぐる皮肉として使われる面もあり、劇中でも相手を侮辱する文脈で用いられていました。使う相手や場面には注意が要る表現だと言えます。

時間を競争相手として相手取る——その発想をつかむと、race against the clock の切迫感がくっきりと立ち上がってきます。

まとめ|サラへの皮肉に学ぶ「時間との勝負」の一言

race against the clock は、限られた時間のなかで何かを間に合わせようと、時間そのものを相手取って急ぐことを表す表現です。命がかかった救助から日常の締め切りまで幅広く使え、緊迫の度合いは文脈しだいで変わります。

この一言を知っておくと、「もう時間との勝負だ」という切迫した状況を、生き生きと言い表せるようになります。仕事の締め切りを語るときにも、一刻を争う場面を描くときにも使える、便利な表現です。

有能なスパイを「時間に追われる女」と侮辱しようとしたアナンと、それを涼しい顔で逆手に取ったサラ——あの機知に富んだ応酬とセットで、この「時間との勝負」の一言を、あなたの英語の引き出しに加えてみてください。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



おすすめ記事
日常英会話を学びたい方におすすめの海外ドラマはこちら
「race against the clock」のような、日常で使いやすい英語表現をもっと学びたい方におすすめです。
日常英会話が学べる海外ドラマを見る

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次