「stretched thin」の意味と使い方|『CHUCK』S05E09で学ぶ英会話

「stretched thin」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

やることが多すぎて、人手も時間も薄く引き伸ばされ、どこにも十分に手が回らない——仕事をしていると、そんな綱渡りの時期が誰にでも訪れます。

その感覚をぴたりと言い表す「stretched thin」を、スパイコメディ『CHUCK』シーズン5第9話の序盤、ヴァーバンスキーがチャックたちに仕事を依頼する理由を口にするシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「stretched thin」の意味とニュアンス

stretched thin
意味:(人手・資金・時間などが)手薄で余裕がない、手が回らない

stretch は「引き伸ばす」、thin は「薄い」。限られたリソースを、あちこちに配ろうとして薄く引き伸ばしてしまい、どこにも十分に行き渡らない——そんな状態を表します。be stretched thin の形で「手が回らない」と受け身で使うのが基本で、人手・資金・時間・注意力など、足りなくなりがちなもの全般に使えます。少しでも余裕がなく、いっぱいいっぱいだというニュアンスがにじむため、ビジネスの場で「これ以上は引き受けられない」と伝えたいときにも重宝する、実務的な言い回しです。

【ここがポイント!】

  • 「引き伸ばして薄くなる(stretch + thin)」というイメージが核
  • be stretched thin で「手が回らない・余裕がない」と受け身で使う
  • 人手・資金・時間など、足りなくなりがちなもの全般に使える

『CHUCK』S05E09のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

自前の警備会社を率いるヴァーバンスキーが、なぜわざわざチャックたちの会社に仕事を頼むのか——その理由を、彼女はさらりと明かします。腕利きの彼女がへりくだるでもなく、しかし人手が足りない現実を認める、余裕のある大人の依頼の場面です。

Verbanski: My personnel are stretched a bit thin. Besides, your company offers a level of service that other companies just don’t offer. You care.
(うちの人員は少し手が足りていなくてね。それに、あなたの会社は他社にはないサービスを提供してくれる。あなたたちは「気にかけて」くれるでしょ)

Chuck: See? Mission statement working already.
(ほらね? 理念がもう効いてるよ)

Chuck Season5 Episode9 (Chuck Versus the Kept Man)

Amazon Prime Videoで見る ※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)

シーン解説と心理考察

腕利きのヴァーバンスキーが、自社の人手不足をあっさり認めつつ、依頼を切り出す落ち着きが表れています。stretched a bit thin という言い回しには、「うちも余裕がなくてね」という実務的な事情が、気負いなく差し込まれています。a bit(少し)を添えることで、深刻さより余裕をにじませているのも彼女らしいところです。人手が足りないという弱みを、堂々と依頼の理由に変えてしまう——その大人の駆け引きが、この一言に表れている場面と言えます。

『CHUCK』流・覚え方のコツ

stretched thin は、一枚のトーストに、少ししかないバターを端から端まで薄く薄く伸ばしていく——あの手つきを思い浮かべると覚えやすい表現です。無理に全体へ広げようとすれば、どこもかしこも薄くなって、満足に塗れたところがなくなってしまう。人手や時間も同じで、あちこちに配ろうとすれば一つひとつが手薄になります。ヴァーバンスキーが「うちの人員は少し手薄でね」と語るこの場面に、パンいっぱいに伸ばしきったバターを重ねれば、stretched thin の「薄く引き伸ばされて余裕がない」感覚がそのまま体に残ります。

例文で覚える「stretched thin」

stretched thin は、人手・時間・資金が「手薄で余裕がない」場面で幅広く使えます。職場から日常まで、3つの例文で見てみましょう。

Our team is stretched thin with three projects running at once.
(3つのプロジェクトが同時進行で、うちのチームは手が回らない状態だ。)
人手不足を説明する場面です。be stretched thin で「余裕なく引き伸ばされている」状態を、そのまま言い表せます。

I’m stretched too thin to take on anything else right now.
(今は手一杯で、これ以上は何も引き受けられない。)
依頼を断る場面です。too thin とすることで「限界を超えて手薄」というニュアンスを強められます。

A: Can you help with the event next week too?
B: Honestly, I’m already stretched pretty thin.
(A:来週のイベントも手伝ってもらえる?)
(B:正直、もうかなり手一杯なんだ。)
頼みごとをやんわり断る会話です。pretty thin と程度を添えて、角を立てずに余裕のなさを伝えられます。

あわせて覚えたい関連表現

spread thin
(手薄になる、薄く行き渡る)
ほぼ同じ意味で、spread(広げる)を使った異形です。stretch が「引き伸ばす」の緊張感を持つのに対し、spread は「広げて薄まる」感覚で、be spread too thin の形でよく使われます。

have one’s hands full
(手一杯である)
「両手がふさがっている」というイメージで忙しさを表します。stretched thin が「リソースが足りず手薄」なのに対し、こちらは「今まさに手がふさがっている」という目の前の忙しさに焦点があります。

run ragged
(へとへとに疲れ果てる)
ragged(ぼろぼろ)まで働かされる、という消耗に重心があります。stretched thin が「余裕のなさ」を表すのに対し、こちらは「疲弊しきった」状態まで踏み込んだ表現です。

Note|バターを薄く伸ばす、stretched thin の身体感覚

stretched thin という表現の手触りは、台所の何気ない動作を思い浮かべると、すっと腑に落ちます。

英語圏では、限られたものを無理に広げて薄くなる感覚を、しばしば「バターやジャムを薄く伸ばす」動作に重ねてきたとされます。実際、同じ発想の spread oneself too thin(あれこれ手を出して自分をすり減らす)という言い回しでは、spread(塗り広げる)という語がそのまま使われています。一枚のパンに、ほんの少しのバター。端まで届かせようと薄く薄く伸ばせば、どこもかしこも物足りない仕上がりになってしまう——この身体的なイメージが、「一つのリソースを多方面に配って、どこにも十分行き渡らない」という状態の比喩へと広がっていったと考えられます。stretch(引き伸ばす)を使う stretched thin は、そこに「ぴんと張って、今にも切れそう」という緊張感が加わるのが持ち味です。ゴムを限界まで引き伸ばしたときのような、張り詰めた余裕のなさが言葉ににじみます。

ヴァーバンスキーのセリフに戻ると、「人員が stretched a bit thin」は、腕利きの部隊さえ薄く引き伸ばされている、という実情をさらりと伝える一言でした。a bit を挟むことで深刻になりすぎず、それでいて「手が回らない」現実をきちんと示しているのが、実務家らしい言葉選びです。

薄く伸ばしきった余裕のなさが、そのまま言葉になっているのですね。

まとめ|ヴァーバンスキーの依頼から学ぶ「手が回らない」の一言

stretched thin は、リソースを薄く引き伸ばすイメージから、「(人手・時間・資金が)手薄で余裕がない、手が回らない」を表す表現でした。ぴんと張り詰めて今にも切れそう、という緊張感を帯びた言い回しです。

spread thin という異形と合わせて押さえておけば、「余裕がない・手が回らない」状況を、場面に応じて表情豊かに描けます。仕事を断りたいときにも、状況を説明したいときにも、この一言が役立ちます。

ヴァーバンスキーが依頼の理由として口にしたこの表現を、あなたの会話のレパートリーに加えてみてください。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



おすすめ記事
ビジネス英語を学びたい方におすすめの海外ドラマはこちら
「stretched thin」のような、仕事で使える英語表現をもっと学びたい方におすすめです。
ビジネス英語が学べる海外ドラマを見る

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次