海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン1第18話では、男性陣がやっていたポーカーに、モニカ、レイチェル、フィービーも加わります。舞台はモニカとレイチェルの部屋やロスの部屋で、賭けるのは少しのお金です。
友達同士で集まって遊ぶポーカーには、席に出す食べ物から、勝負のあとのお金のやりとりまで、仲間内ならではの習慣があります。作中の場面を手がかりに、その習慣と英語を見ていきます。
「you can’t serve food with more than one syllable」に見るポーカーの席のつまみ
前の晩にポーカーをしていたという男性陣の話を聞いて、レイチェルは自分たちとはなぜやらないのかと尋ね、モニカとレイチェルの部屋で遊び方を教わることになります。その最中、モニカが料理を運んできます。
Monica: Alright, here we go. We got salmon roulettes and assorted crudites.
(さあ、できたわよ。サーモンのルーレットと、野菜スティックの盛り合わせ。)
Joey: Whoa, whoa, whoa, Monica, what are you doin’? This is a poker game, you can’t serve food with more than one syllable.
(おいおいおい、モニカ、何やってんだよ? これはポーカーだぞ。1音節より長い名前の食べ物は出しちゃだめなんだ。)
Joey: It’s gotta be like chips, or dip, or pretz..
(チップスとか、ディップとか、プレッツ……みたいなのじゃないと。)
Friends Season1 Episode18(The One with All the Poker)
モニカが出した salmon roulettes(サーモンを巻いた料理)や crudites(生野菜を切りそろえた盛り合わせ)は、フランス語由来の名前を持つ、少し手の込んだ料理です。ジョーイはそれに対して、食べ物の名前の音節の数を持ち出して冗談を言っています。syllable は「音節」のことで、chips や dip は1音節の語です。
ジョーイが挙げる chips(ポテトチップス)、dip(チップスをつけるソース)、pretzels(プレッツェル)は、手でつまめて準備の手間も少ない軽食です。アメリカでは、カードを持ちながらでも食べやすいこうしたスナックが、友達同士のゲームの席に並ぶことが多いと言われます。ただし何を出すかは集まりや家庭によってさまざまです。
なお pretzels は pret-zels と2音節に分かれる語なので、ジョーイ自身が言いかけた語も、彼の挙げた条件には当てはまりません。ジョーイの言葉は pretz.. のところで途切れています。
「I was bluffing.」ハッタリと嘘はどう違う?
教わりながらの勝負が終わったあと、フィービーがジョーイに問いかけます。
Phoebe: I see. So then, you were lying.
(なるほど。じゃあ、嘘ついてたのね。)
Joey: About what?
(何がだよ?)
Phoebe: About how good your cards were.
(自分のカードがどれだけいいかってこと。)
Joey: I was bluffing.
(ハッタリだよ。)
Phoebe: Uh-huh. And what is bluffing?
(ふーん。で、ハッタリって何?)
Phoebe: Is it not another word for lying?
(嘘の言い換えじゃないの?)
Friends Season1 Episode18(The One with All the Poker)
bluff は、手札が弱いのに強いふりをする、またはその逆をすることを指す語です。ポーカーでは、表情や賭け方で相手に手の強さを読ませないことが駆け引きの一部とされることが多く、bluff もその一つとして受け止められます。ジョーイの I was bluffing. は、ゲームの中のふるまいだと伝える返事です。
一方の lie は、事実と違うことを言って相手をだますことで、ゲームの外でも使われる言葉です。フィービーの Is it not another word for lying? は、否定疑問文で「嘘の別の言い方ではないの?」と問い返し、二つの語の境目に疑問を投げかけています。
bluff を使った言い回しには、call someone’s bluff(相手のハッタリを見抜いて受けて立つ)もあります。日常会話でも、交渉や口論の場面で使われることがあります。
「We gotta settle」と「Everybody ante」に見るお金と遊び方の決め方
勝負のあと、帰ろうとするレイチェルを男性陣が呼び止めます。
Rachel: Okay, sorry to break up this party but, I’ve got resumes to fax before lunch tomorrow.
(じゃあ、お開きにしちゃって悪いけど、明日のお昼までに履歴書をファックスしなきゃいけないの。)
Chandler: Rach, Rach, we gotta settle.
(レイチェル、レイチェル、精算しないと。)
Rachel: Settle what?
(何を?)
Chandler: The Jamestown colony of Virginia.
(バージニアのジェームズタウン植民地をさ。)
Chandler: You see King George is giving us the land, so..
(ほら、ジョージ王が俺たちに土地をくれるっていうから……)
Ross: The game, Rachel. The game. You owe us money for the game.
(ゲームだよ、レイチェル。ゲーム。ゲームの分の金、俺たちに払ってもらわないと。)
Friends Season1 Episode18(The One with All the Poker)
settle には「精算する」のほかに「入植する」という意味もあり、チャンドラーはその二つ目の意味で植民地の話に持っていく冗談を言っています。ロスの owe は「借りがある」で、遊んだ分のお金をその場で払うよう求めています。精算を済ませることは settle up という形でも表せます。
再戦の日、仕事の電話のあとで席に戻ったレイチェルは、配る番としてこう告げます。
Rachel: Where were we?
(どこまでやったっけ?)
Rachel: Oh. Okay. Five-card draw. Uh…jacks or better.
(ああ、そう。ファイブカード・ドロー。えっと……ジャックス・オア・ベター。)
Rachel: Nothing wild. Everybody ante.
(ワイルドなし。全員、参加料を出して。)
Friends Season1 Episode18(The One with All the Poker)
Five-card draw は5枚配って交換できる遊び方、jacks or better はジャックのペア以上がないと賭けを始められない取り決め、Nothing wild はどのカードも万能札として扱わないこと、ante は勝負の前に全員が出す最初の賭け金を指すと説明されることが多い言葉です。配る人が遊び方を決めて告げる形は、仲間内のゲームで見られる進め方の一つとされます。
この勝負でレイチェルが5ドル上乗せすると、ロスは次のように言います。
Ross: I thought it was a 50-cent limit.
(50セントが上限だと思ってたけど。)
Friends Season1 Episode18(The One with All the Poker)
ロスがこの勝負の賭け金の上限を50セントだと考えていたことが、この一言から分かります。このあとレイチェルは、賭け金を上げた理由を自分の言葉で続けています。
まとめ|ホームポーカーの習慣を英語で知る
ポーカーの席に並ぶ chips や dip、駆け引きとしての bluff と lie の違い、勝負のあとの settle と owe、配る人が告げる ante や Nothing wild を見てきました。仲間内の遊びの習慣が、短い言葉に表れています。
6人のテーブルの言葉を追いながら、『フレンズ』のポーカーの夜を楽しんでいきましょう。
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