海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
いつもと様子が違う相手や、見慣れない状況に出くわして、「ねえ、それ一体どうしたの?」と思わず口をついて出たこと、ありますよね。
そんなときにぴったりなのが「what is with ~」です。シットコム『フレンズ』シーズン1第18話、ポーカーのあとにチャンドラーがロスの妙な言動をからかうシーンで登場します。戸惑いとツッコミが混ざったこの表現を、一緒に見ていきましょう。
「what is with ~」の意味とニュアンス
what is with ~
意味:〜は一体どうしたの?、〜は何なの?
「what is with 〜」は、相手の言動・態度・様子に対して「何がどうなってそうなってるの?」と尋ねる口語表現です。単純に理由を聞くだけでなく、戸惑い・軽い非難・からかいといった、話し手の「引っかかっている感じ」がにじむのが特徴です。
前置詞 with がカギになります。この with は「一緒に」ではなく、「〜にまつわって」「〜にくっついて」という関与を表します。つまり直訳に近いイメージは「その人(モノ)にまとわりついている事情は何なの?」。だから、人にも状況にも使えます。
口調と文脈によって表情が変わるのもこの表現の面白いところで、本気の詰問にも、仲間内の軽いからかいにもなります。ドラマのような気心の知れた関係では、ほとんどツッコミや冗談として機能することが多い表現です。なお、劇中では過去のことを指して「what was with 〜」と過去形で使われています。
【ここがポイント!】
- 「what is with 〜」の核は、相手の変な言動を指さして「それ何?」と問う感覚
- with は「〜にまつわって」の意味で、人にも状況にも使えるのが特徴
- 声のトーン次第で、本気の詰問にも軽いからかいにもなるのが読みどころ
『フレンズ』S01E18のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ポーカーの最中、ロスは「勝負になったら俺は容赦しない」と芝居がかった宣言をしていました。ゲームのあと、チャンドラーはそれを蒸し返し、「あの演説は一体何だったんだ」とからかいます。ここで「what is with」が過去形で使われます。
Chandler: Oh, come on, what was with that whole Black Bart speech? “When I play poker, I’m not a nice guy.”
(おいおい、あの「ブラック・バート演説」は一体何だったんだよ?「ポーカーをやるときの俺はいい奴じゃない」ってさ。)Ross: You are way off, pal.
(全然的外れだよ、きみ。)Chandler: I don’t think so, see, Ross because I think you love her.
(そうかな。だってロス、きみは彼女のことが好きなんだと思うよ。)Friends Season1 Episode18 (The One with All the Poker)
シーン解説と心理考察
チャンドラーの「what was with that whole Black Bart speech?」には、相手の大げさな言動を軽く問い詰めながらも、心の中はすっかりお見通しという余裕が伝わってきます。本気で理由を知りたいわけではなく、「なんだったのあれ(笑)」というノリでロスをつついているのが読み取れます。
面白いのは、この一言がロスの本心をあぶり出す呼び水になっている点です。「的外れだ」と否定するロスに、チャンドラーはすかさず「きみは彼女が好きなんだ」と畳みかけます。what was with 〜 という軽い切り出しから始まって、否定すればするほど図星感が増していく——この空回りの構図こそ、フレンズらしい掛け合いの見どころだと言えます。皮肉屋のチャンドラーの真骨頂が出た場面です。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
相手に「?」マークを浮かべながら、その人をびしっと指さして「ねえ、それ何?」と首をかしげる——そんなポーズを思い浮かべてみてください。指さした先には、その人にまとわりついている「変な何か」があります。
「what is with 〜」の with は、まさにこの「相手にくっついている何か」を指すイメージです。劇中のチャンドラーも、ロスの妙な「演説」を指さして「あれ何だったの?」とやっています。「相手+まとわりつく変な何か」をワンセットで指さす動作として覚えておくと、人にも状況にも使えるこの表現が、迷わず口から出るようになります。
例文で覚える「what is with ~」
相手の様子や状況に「引っかかり」を感じたときに出る表現です。心配寄りにもツッコミ寄りにもなる、その幅を3つの例文で味わってみましょう。
What is with you today? You’ve been quiet all morning.
(今日どうしたの?朝からずっと静かじゃない。)
様子がおかしい相手を気づかいつつ、少し問いただす場面です。心配とツッコミのちょうど中間くらいの、最もよく使うパターンだと言えます。
What is with all these boxes in the hallway?
(廊下のこの箱の山、一体何なの?)
見慣れない状況に戸惑って口にする一言です。人だけでなく、目の前の「謎の状況」に対しても自然に使えます。
A: Why is he being so nice to everyone today?
B: I know, right? What is with him?
(A:なんで彼、今日はみんなにあんなに優しいんだろう?)
(B:ね、変だよね?一体どうしちゃったの?)
友人同士で誰かの様子を話題にするやり取りです。会話の返しで使うと、「引っかかってる感じ」を軽く共有できます。
あわせて覚えたい関連表現
what’s up with ~
(〜はどうしたの?、〜は何かあったの?)
what is with とほぼ同じ意味で、さらに軽くカジュアルな響きです。心配寄りにも使いやすく、日常では what is with よりこちらの方が耳にする頻度が高いと言えます。
what’s the deal with ~
(〜って一体どういうこと?)
「事情やからくりを説明して」というニュアンスが強めです。戸惑いに興味が加わった感じで、what is with よりやや距離を取った突っ込み方になります。
what’s going on with ~
(〜はどうなってるの?)
状況の進行や変化を尋ねる、中立的な言い方です。非難やからかいの色は薄く、素直に事情を知りたいときに向いています。
Note|「一体何なの?」を表す3つの言い方
「what is with 〜」を覚えると、似たような「一体何なの?」の言い方がいくつも思い浮かびます。英語には、この戸惑いを表す表現がいくつもあり、ネイティブは無意識に使い分けています。
代表的なのが、what is with / what’s up with / what’s the deal with の3つです。まず what’s up with は最もカジュアルで、非難の色が薄い言い方。「大丈夫?何かあった?」と心配するときにも自然に使えます。次に what is with は、そこに「ちょっと引っかかってる」という戸惑いや軽い非難が加わります。相手の言動に「え、それ何?」と反応する感覚です。そして what’s the deal with は、戸惑いよりも「その事情・仕組みを説明してほしい」という興味・追及が前に出ます。たとえば行列のできる店を見て What’s the deal with this place? と言えば、「この店、何がそんなにすごいの?」という前のめりな関心を表します。3つを「心配 → 引っかかり → 追及」という方向の違いで並べると、場面ごとの選び方が見えてきます。
劇中のチャンドラーが what was with 〜 を選んだのは、ロスの言動に「引っかかった」からこそ。心配でも純粋な追及でもなく、「それ何だったの?」というツッコミの温度に、この表現がぴたりとはまっています。
同じ「何なの?」でも、どの表現を選ぶかで気持ちの向きが変わります。
まとめ|相手の「?」を指さす一言
「what is with 〜」は、相手の言動や状況に引っかかりを感じたとき、「それ一体どうしたの?」と戸惑いやからかいを込めて尋ねる表現です。前置詞 with が「〜にまとわりつく何か」を指し、人にも状況にも使える柔軟さが魅力だと言えます。
声のトーン一つで、心配にもツッコミにも化けるのがこの表現の醍醐味です。仲間内なら、劇中のチャンドラーのように軽い笑いを生む一言にもなります。相手の「?」を指さすこの言い回しを、会話のレパートリーに加えてみてください。


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