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『フレンズ』シーズン2第6話では、カフェのセントラルパークで働くレイチェルが、店長のテリーから、日曜の午後にプロのミュージシャンを雇うと告げられます。これまで店で演奏してきたフィービーの出番のため、レイチェルはテリーに掛け合います。
自分の頼みごとではなく、友達の代わりに話をつける場面では、言葉の順番が大きな意味を持ちます。抗議、代案、交換条件と進む会話を、3つの場面に分けて追います。
「But what about ~?」で置き去りにされる友達を持ち出す
店で掃除をしているレイチェルを、テリーが呼び止めます。フィービーが歌っている最中です。
Terry: Rachel, sweetheart could I see you for a minute?
(レイチェル、ちょっといいかな?)
Rachel: What’s up?
(どうしたの?)
Terry: F.Y.I., I’ve decided to pay a professional musician to play here on Sunday afternoons.
(一応伝えておくと、日曜の午後はお金を払ってプロのミュージシャンにここで演奏してもらうことにした。)
Terry: Her name is Stephanie…
(名前はステファニー……)
Terry: Something. She’s supposed to be very good.
(何とか。すごくうまいらしい。)
Rachel: But what about Phoebe?
(でも、フィービーはどうなるの?)
Friends Season2 Episode6(The One with the Baby on the Bus)
Could I see you for a minute? の see は「会う」から転じて「少し話をする」の意味で、人を呼んで二人で話したいときに使えます。続く F.Y.I. は for your information の略で、「参考までに」「一応伝えておくと」という前置きです。相談ではなく、決まったことを知らせる場面で使われることが多く、聞き手には「もう決定済み」という響きが伝わります。be supposed to be ~ は「〜だと言われている」と、人から聞いた評判を伝える形です。
レイチェルの But what about ~? は、決まった話の中で置き去りにされる人を持ち出す一言です。ここではフィービーの名前を入れ、自分ではなく友達の立場から話を始めています。
テリーはフィービーの演奏をかなり辛辣に評します。それを受けたレイチェルの返しです。
Rachel: Okay, so you’re not a fan.
(なるほど、つまりファンじゃないってことね。)
Rachel: But, I mean, come on. You cannot do this to her.
(でもさ、ちょっと待ってよ。彼女にこんなことしちゃだめでしょ。)
Rachel: Oh, no, no, no. I have to do this to her?
(えっ、だめだめ。私が彼女にこれをやらなきゃいけないの?)
Friends Season2 Episode6(The One with the Baby on the Bus)
so you’re not a fan は、相手の厳しい評価を「つまり好きではない、と」と控えめに言い直す返し方です。言葉の強さを一度落としてから、You cannot do this to her. と本題の抗議に移っています。do this to ~ は「〜にこんな仕打ちをする」という意味です。テリーが返事の代わりにレイチェルを指さすと、彼女は同じ do this to her を使い、自分が伝える役なのかと聞き返します。
「Let me just see what else I can do」でもう一度掛け合う
次の場面は、レイチェルがフィービーに話を伝えたあとです。店で演奏できなくなる不満を口にするフィービーに、レイチェルは謝ります。
Phoebe: Yeah, okay. You probably did everything you could.
(うん、わかった。たぶん、できることは全部やってくれたのよね。)
Rachel: Okay, you know what? Let me just see what else I can do.
(よし、じゃあこうしよう。ほかに何ができるか、ちょっと当たってみる。)
Friends Season2 Episode6(The One with the Baby on the Bus)
You probably did everything you could. は、結果が出なかった相手の努力をねぎらう一言で、謝られた側から返すと、相手を責めていないことが伝わります。レイチェルは同じ do を受けて、Let me just see what else I can do.(ほかにできることがないか当たってみる)と返します。you know what? は、話の向きを変える前に置く前置きです。
レイチェルはテリーのところへ行き、こう持ちかけます。
Rachel: Why don’t you just let her go on after Stephanie whatever her name is. You won’t be here, you don’t pay her.
(ステファニー何とかって人の後に、彼女も出してあげればいいじゃない。あなたはいないし、彼女にお金も払わないんだから。)
Terry: I don’t know.
(どうかな。)
Rachel: Terry, I’ll even clean the cappuccino machine.
(テリー、カプチーノマシンの掃除だってするから。)
Terry: You don’t clean the cappuccino machine?
(カプチーノマシン、掃除してないのか?)
Rachel: Of course… I clean it. I mean, I will clean it. I will clean it.
(もちろん……掃除してるよ。っていうか、掃除する。掃除するから。)
Friends Season2 Episode6(The One with the Baby on the Bus)
Why don’t you just ~? は「〜すればいいんじゃない?」と軽く代案を出す形で、let her go on の go on は「舞台に出る」の意味です。続く You won’t be here, you don’t pay her. で、相手に手間もお金もかからないことを並べています。I’ll even ~. の even は「〜まで」で、自分から交換条件を差し出す働きをしています。
テリーに問い返されると、レイチェルは I mean で言い直し、現在形の clean から will clean へ切り替えています。「している」と言ったそばから「これからする」に変わるところに、この場面の笑いがあります。このやりとりのあと、テリーはレイチェルの案を受け入れます。
「Who’s working for you?」とうまくいったことを伝える
テリーの了承を取りつけたレイチェルは、フィービーのところへ戻ります。
Phoebe: Really?
(本当に?)
Rachel: Yeah. Who’s working for you, babe?
(うん。誰があなたのために動いてると思う?)
Phoebe: Oh, my God! This is so exciting.
(うそ、すごい! わくわくする!)
Friends Season2 Episode6(The One with the Baby on the Bus)
Who’s working for you? は直訳すると「誰があなたのために働いている?」です。答えは言うまでもなく自分で、「私が動いたんだよ」と自分が動いたことを知らせる言い方になっています。babe は親しい相手への呼びかけです。フィービーの This is so exciting. は、知らせを受けた喜びをそのまま返す一言です。
掛け合いの結果を伝えるときは、It’s done. や You’re in.(出られることになった)のように結論だけを言う形もあります。レイチェルは結論の代わりに問いの形で伝え、自分が動いたことを相手に気づかせています。頼みごとを引き受けた側が、報告の場面で少し胸を張るときの言い方として使えます。
この回の掛け合いを順に並べると、次のようになります。
| 段階 | 英語 | 働き |
|---|---|---|
| 持ち出す | But what about ~? | 置き去りにされる人を話に出す |
| 抗議する | You cannot do this to her. | 決定に反対する |
| 申し出る | Let me just see what else I can do. | もう一度掛け合うと伝える |
| 代案を出す | Why don’t you just ~? | 軽く別の案を示す |
| 条件を足す | I’ll even ~. | 自分から交換条件を出す |
| 報告する | Who’s working for you? | うまくいったと知らせる |
ただ、フィービーの喜びのあと、話は報酬のことで思わぬ方向へ進みます。
まとめ|友達の代わりに話をつける英語
But what about ~? で友達を話に出し、You cannot do this to her. で抗議し、Why don’t you just ~? と I’ll even ~. で代案と条件を示す流れを見てきました。順番ごと覚えておくと、誰かのために頼む場面で言葉を選びやすくなります。
レイチェルの粘り強い交渉を思い出しながら、次回も『フレンズ』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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