海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン1第20話では、デートの相手からの電話を待つチャンドラーが、ちょっとしたうっかりや言っていることの食い違いを重ねます。そのたびに短い一言でツッコミを入れるのがモニカです。
親しい友達の見落としを指摘するとき、きつく聞こえずに伝えるにはどんな言い方があるのでしょうか。モニカの4つの返しから、からかい半分の指摘の英語を見ていきます。
「for future reference」で見落としを指摘する
チャンドラーが電話を手にしたまま、モニカとレイチェルの部屋に入ってきます。
Chandler: Can I use your phone?
(電話借りていいか?)
Monica: Yeah. But for future reference that thing in your hand can also be used as a phone.
(いいわよ。でも今後のために言っておくと、あなたが手に持ってるそれも電話として使えるのよ。)
Friends Season1 Episode20(The One with the Evil Orthodontist)
for future reference は「今後の参考までに」「次からのために」という意味の前置きです。本来は、次に役立つ情報を伝えるときに使われます。モニカはこれを、手に持っている電話に気づいていないかのような相手への指摘に使い、分かりきったことをわざと丁寧に教える形にしています。
続く can also be used as ~ は「〜としても使える」という言い方で、ここでは電話を「電話としても使える」と言うことで、指摘の可笑しさが強まっています。このあとチャンドラーは、借りた電話から自分の電話にかけてみて、ちゃんと使えることを確かめます。
日常では For future reference, the meeting room is on the third floor.(次のために言っておくと、会議室は3階です)のように、からかいではない普通の案内にも使えます。皮肉に聞こえることもあるので、ツッコミとして使うのは気心の知れた相手の間に留めるのが無難です。
「This is where you’d ~」と「Do you?」でからかう
フィービーの助言で相手の留守電に電話をかけたチャンドラーは、こう報告します。
Chandler: She answered.
(出た。)
Monica: This is where you’d use that “hello” word we talked about.
(ここで、前に話したあの「もしもし」って言葉を使うのよ。)
Friends Season1 Episode20(The One with the Evil Orthodontist)
This is where you’d ~ は「ここが〜する場面でしょ」と、本来するはずだったことを示す言い方です。would には「普通ならそうする」という含みがあります。相手が出たのに話さなかったチャンドラーに、あいさつという当たり前の一言を that ~ word we talked about(前に話したあの言葉)と大げさに呼んで、初歩から教えるような口ぶりで返しています。
翌朝の同じ部屋で、モニカは自分から電話するよう勧めます。
Monica: Why don’t you call her?
(自分からかけたら?)
Chandler: I can’t call her. I left a message. I have some pride.
(かけられるかよ。伝言は残したんだ。俺にもプライドってものがある。)
Monica: Do you?
(そう?)
Chandler: No.
(ないな。)
Friends Season1 Episode20(The One with the Evil Orthodontist)
モニカの Why don’t you ~? は「〜したら?」と軽く勧める形で、チャンドラーは短い文を重ねてそれを断ります。
Do you? は、相手の I have some pride. を受けて短く聞き返し、「本当に?」と疑ってみせる言い方です。長い反論をしなくても、助動詞だけで聞き返すことでからかいになります。チャンドラーは No. とあっさり認め、そのまま電話をかけます。I’m busy. に Are you? と返すように、相手の文に合わせて be 動詞や助動詞を選ぶのがポイントです。
「Just pointing out the irony.」でさらりと言い添える
その後、ジョーイが家の電話がつながらないと言い出し、チャンドラーは自分で電源を切っていたことに気づきます。そこでモニカが口を開きます。
Monica: Just like you told her. Just pointing out the irony.
(あなたが彼女に言ったとおりね。皮肉なめぐり合わせだなって言ってるだけよ。)
Friends Season1 Episode20(The One with the Evil Orthodontist)
Just like you told her. の her はダニエルで、チャンドラーが電話で「うっかり電源を切っていた」と言い訳していたことを指しています。言い訳として口にしたことが本当に起きていた、という食い違いを、モニカはひと言で突いています。
Just pointing out ~ は I’m just pointing out ~ の I’m を省いた形で、「ちょっと指摘しただけ」と言い添えるときに使われます。just が入ることで、責めているのではないという調子になり、相手が言い返しにくい言い方になります。irony は「皮肉」と訳されることが多い語ですが、ここでは「思っていたことと逆になる成り行き」「皮肉なめぐり合わせ」を指しています。
似た言い添え方に Just saying.(言ってみただけ)があります。I’m just pointing out that we’re already late.(もう遅れてるって言ってるだけだよ)のように、that 節で中身を続けることもできます。
まとめ|からかい半分の指摘を一言で
for future reference で見落としを指摘し、This is where you’d ~ でするべきことを示し、Do you? で疑ってみせ、Just pointing out ~ で言い添える流れを見てきました。どれも短い言葉で、親しい相手のうっかりを笑いに変える言い方になっています。
チャンドラーとモニカのやりとりに注目すると、『フレンズ』の会話のテンポがよく見えてきます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、チャンドラーの電話をめぐる英語がつながって見えてきます。


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