「from scratch」の意味と使い方|『Friends』S06E09で学ぶ英会話

「from scratch」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

手間をかけて作った料理を、家族や友人に「これ、全部手作りなんだよ」と伝えたくなった経験はありませんか。

そんな一言にぴったりの「from scratch」を、『フレンズ』シーズン6第9話の中盤、レイチェルが自信作のデザートの中身を得意げに説明する場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「from scratch」の意味とニュアンス

from scratch
意味:一から、ゼロから、既製品を使わず材料から

from scratch は、既製品や下ごしらえ済みの材料を使わず、最初の材料や何もない状態から始めることを表す表現です。料理なら「市販のミックスに頼らず、材料から作る」、仕事や勉強なら「土台となるものがない状態から始める」という意味になります。

scratch はもともと「引っかき傷」を表す語ですが、この表現では「何もない状態」という意味で働きます。from が出発点を示すので、「何もないところから出発して」という流れがそのまま言葉になっています。

使い方は簡単で、made from scratch のように動詞のあとに置くか、from scratch を文末に添えるだけです。料理の場面では bake / cook / make、仕事や学びの場面では build / start / learn といった動詞と組み合わせる形です。

【ここがポイント!】

  • 「from scratch」の核は、既製品なしで最初の材料から始めるイメージ
  • 料理では「手作りで」、仕事や学びでは「ゼロから」と訳し分ける
  • made / build / start など、動詞のあとに添えるだけで使える形

『フレンズ』S06E09のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

レイチェルが感謝祭のデザートとして作ったトライフルを披露する場面です。レイチェルは、作中でイギリスの伝統的なトライフルと紹介していたデザートを前に、層の順に中身を説明していきます。カスタードを一から作ったと言い添えるところが、from scratch の登場です。

Rachel: Well, look at it. Isn’t it beautiful?
(ほら、見てよ。きれいじゃない?)

Ross: Yeah, yeah, what is it?
(ああ、うんうん。で、それ何なんだ?)

Rachel: It’s a trifle and it’s got all of these layers. First, there’s a layer of ladyfingers then a layer of jam then custard, which I made from scratch. More ladyfingers then beef sauteed with peas and onions and then a little bit more custard, and then bananas and then I just put some whipped cream on top.
(トライフルよ。いろんな層になってるの。まずレディフィンガー、その上にジャム、それからカスタード。これは私が一から作ったの。またレディフィンガーを重ねて、グリンピースと玉ねぎと炒めた牛肉、もう少しカスタード、それからバナナ。最後にホイップクリームをのせたのよ。)

Ross: What was the one right before bananas?
(バナナの直前のは何だったっけ?)

Friends Season6 Episode9(The One Where Ross Got High)

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シーン解説と心理考察

レイチェルの説明では、材料が次々と並べられていきます。ジャムやカスタードといった素材を順に挙げる中で、「which I made from scratch」だけが、作り手としての手間を語る一節です。ジャムに手を加えたとは言わず、カスタードにだけ「一から作った」と添えることで、この層に自分の力を注いだという誇らしさが表れています。

which の直前の custard が関係詞節の先行詞にあたり、その節の中で from scratch が作り方を補足している構造も見どころです。デザートの中身を一気に説明する流れの中に、さりげなく自慢の一言が織り込まれています。

一方で、聞き手のロスの反応は対照的です。ロスは「Yeah, yeah, what is it?」と軽く聞き、レイチェルの長い説明の最後に「バナナの直前は何だった?」と質問を返します。レイチェルが手作りの誇りを語るあいだに、ロスは説明の並びを追い、ひとつの層に引っかかっていることが分かります。

「きれいでしょ?」で始まり、「何だったっけ?」で終わる短い往復の中で、作り手の自信と聞き手の疑問が同じ場面に同居しています。自慢が前に出るほど、その後の質問の存在感が増していきます。デザートを見せる人と、それを見て中身を確かめる人という位置関係が、二人の短い言葉だけではっきり伝わってくる場面です。

また、レイチェルの説明が「まず」「それから」「またもう一度」と層を積み上げる順に進むのも印象的です。材料の名前を並べる語り口そのものが、時間をかけて作り込んだ手順の長さを伝えています。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

真っ白な作業台の上に、小麦粉と卵と砂糖だけが並んでいる光景を思い浮かべてみましょう。箱入りのミックスや出来合いのクリームは一つもなく、最初の材料から手を動かして作り始める感覚が、from scratch の芯にあります。

レイチェルがカスタードにだけ「一から作った」と添えたのも、この作業台の光景と重なります。市販品を使えば早く済む部分を、あえて材料から作ったと言うことで、手間をかけた部分が一言で伝わります。

料理の場面で覚えたイメージは、仕事や勉強にも移せます。何もない机の上から作り始める、という絵を頭に置くと、システムや計画を「ゼロから」作る場面でも同じ感覚で使えます。

例文で覚える「from scratch」

材料を使った料理の場面から、何もない状態から始める場面まで、幅のある使い方を3つの例文で確認していきましょう。どの例文でも、動詞のあとに from scratch を添える形は共通しています。

She makes her own pasta from scratch every weekend.
(彼女は毎週末、パスタを一から手作りしている。)
週末の手料理を語る場面です。every weekend のような習慣を添えると、手間をかけることが当たり前になっている様子が伝わります。

We had to build the whole system from scratch.
(システム全体をゼロから作り上げなければならなかった。)
職場で新しい仕組みを立ち上げる場面です。既存の土台がない状態から始めたことを、一言で言い表しています。

A: Did you buy this cake?
B: No, I baked it from scratch.
(A:このケーキ、買ったの?)
(B:ううん、材料から焼いたのよ。)
手作りだと伝える友人同士の会話です。「買った」という相手の推測に、from scratch で作り方を答える流れです。

あわせて覚えたい関連表現

homemade
(手作りの)
homemade は「手作りである」という状態を表す形容詞で、homemade cake のように名詞の前に置きます。from scratch は「既製品を使わず材料から」という作り方を述べる言い方で、I made it from scratch のように動詞のあとに添えます。

start over
(最初からやり直す)
start over はやり直す動作そのものを指します。from scratch は「何もない状態から」という出発点を表し、start over from scratch のように組み合わせることもできます。

from the ground up
(土台から)
from the ground up は、建物を土台から築くイメージで、組織や仕組みづくりに向いた言い方です。料理の場面では、from scratch のほうが自然に響きます。

Note|同じfrom scratchが「手作り」にも「ゼロから」にもなる理由

from scratch は、日本語にすると「手作りで」にも「ゼロから」にも「一から」にもなります。英語は同じ2語なのに、日本語では場面ごとに言葉が変わる表現です。

分かれ目は、何を「出発点」に置くかにあります。料理では、出発点は「材料」です。市販のミックスや出来合いの品を使わず、小麦粉や卵から作るなら、「材料から」「手作りで」と訳せます。仕事では、出発点は「何もない状態」です。既存の仕組みや土台がなく、計画を白紙から作るなら、「ゼロから」「一から」と訳せます。前者は作り方に目を向ける訳で、後者は出発点の空白に目を向ける訳です。

レイチェルの場面は前者にあたります。「カスタードを一から作った」と訳すと、市販品を使わなかった手間が伝わりますが、「ゼロから作った」と訳すと、何もない状態という意味合いが強く出て、料理の場面ではやや大げさに響きます。

同じ英語でも、出発点が材料か、何もない状態かで、日本語は変わります。

まとめ|レイチェルの誇りが一言に込められた場面

from scratch は、既製品を使わず、最初の材料や何もない状態から始めることを表す表現です。料理では「手作りで」、仕事や学びでは「ゼロから」と訳し分けます。

動詞のあとに添えるだけで使えるので、料理の説明から新しい仕組みの立ち上げまで、幅広く使えます。homemade や start over と組み合わせて、作り方や出発点をより細かく伝えることもできます。

レイチェルがカスタードにだけ添えた「which I made from scratch」には、手間をかけた部分を誇る気持ちが小さく光っていました。自分が手間をかけたものを英語で紹介する場面を思い浮かべながら、表現の引き出しに加えてみてください。

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