海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
面接や初対面のあいさつなど、自分が相手にどう映るのかが気になる場面は、誰にでもあるのではないでしょうか。
そんなときに使える「make a good impression」を、『フレンズ』シーズン6第4話の後半、ロスが講義の場で聞き手に弁明する場面から、一緒に見ていきましょう。
「make a good impression」の意味とニュアンス
make a good impression
意味:好印象を与える
make a good impressionは、相手に良い印象を持ってもらうことを表す表現です。makeは「作る」、impressionは「印象」という意味で、直訳は「良い印象を作る」になります。相手の中に印象を形づくっていく動きが、makeという動詞に表れています。
印象を持つ相手は、on 人の形で示します。make a good impression on the interviewer(面接官に好印象を与える)のように、onの後ろに相手を置くのが基本です。就職の面接、初対面のあいさつ、取引先への訪問、恋人の家族との顔合わせなど、相手の目に自分がどう映るかが問われる場面によく合います。
good impressionの間にfirstを挟んだmake a good first impressionは、初対面での一度目の印象に限った言い方になります。この場面のロスも、firstを挟んだ形と挟まない形の両方を口にしています。
impressionは、相手が心の中に持つ像を指す名詞で、与える側が意図して作れるものとして扱われます。そのため、want toやtry to、目的を表すto不定詞と組み合わせて、「好印象を与えたい」という意図や目的を述べる文を作れます。日本語の「好印象を与える」とほぼ同じ感覚で、そのまま置き換えられる点も覚えやすいところです。
【ここがポイント!】
- 「make a good impression」の核は、相手の中に良い印象を作り出すこと
- 相手はon 人で示し、初対面に限るときはfirstを挟む
- 面接、初対面、顔合わせなど、相手の目が気になる場面に合う
『フレンズ』S06E04のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
講義の場面で、訛りをやめて素の話し方に戻ったロスが、聞き手に向けて弁明を続けるところです。ロスは、いい第一印象を与えたかったのに失敗したと認め、正規の仕事に就きたいから印象が大事だと訴えます。最後に「もう一度チャンスを」と頼んだところで、レイチェルの声が割って入ります。弁明の言葉がどう組み立てられているかに注目です。
Ross: All right, look, I was just trying to make a good first impression. Obviously, I screwed up.
(いいか、俺はただいい第一印象を与えたかっただけなんだ。見てのとおり、失敗したけどな。)Ross: But what you guys think of me is really important because I’m-I’m hoping to get a permanent job here.
(でも、みんなが俺をどう思うかは本当に大事なんだ。俺はここで正規の仕事に就きたいと思ってるから。)Ross: So if you just give me another chance to make a good impression…
(だから、もう一度いい印象を与えるチャンスをもらえないかな……)Rachel: Ross! Are you crazy?
(ロス! 正気なの?)Friends Season6 Episode4(The One Where Joey Loses His Health Insurance)
シーン解説と心理考察
ロスの弁明は、失敗を認め、理由を述べ、次の機会を頼むという三段の流れで組み立てられています。最初の「I was just trying to make a good first impression」で目的を示し、続く「Obviously, I screwed up」で失敗をあっさり認めています。言い訳を重ねるより先に認めてしまう運びに、切羽詰まった様子が出ています。この少し前に、ロスが訛りを使い続けた末にそれをやめ、「I’m not English. I’m from Long Island.」と素の話し方に戻っています。その流れがあるからこそ、ここでの「もう一度」が、初回の講義の印象を作り直したいという頼みとして響きます。
次の「what you guys think of me is really important」では、聞き手の見方が大事だと訴え、その理由として、ここで正規の仕事に就きたいという事情を明かします。「I’m-I’m」と言い直しが入っているところに、本音を打ち明けるときの落ち着かなさが表れています。「you guys」と聞き手全体に語りかける言い方も、講師という立場を離れて、同じ目線で頼みごとをしている様子を伝えています。
最後の「So if you just give me another chance to make a good impression…」は、言葉が「…」で途切れています。頼みごとを最後まで言い切る前に、レイチェルの「Ross! Are you crazy?」が割って入ります。続けてレイチェルは「自分はまだロスの妻だ」と声を上げ、ロスの弁明は別の事態に飲み込まれていきます。印象をよくしようとする弁明の最中に別の問題が飛び込む、重なりのおかしさが際立つ展開です。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
粘土をこねて形を作っていくように、相手の中に印象を少しずつ形づくっていく様子を思い浮かべてみましょう。make(作る)という動詞が、印象を作り上げる動きを表しています。
ロスが頼んだのは「another chance to make a good impression」でした。一度作った印象がうまくいかなかったので、もう一度作り直す機会がほしい、という意味です。「作り直すチャンス」という絵を頭に置いておくと、makeが印象を作る動詞であることが場面ごと思い出せます。第一印象は一度きりという感覚があるからこそ、ロスは「もう一度」と頼んでいます。印象を作る機会は何度も訪れるものではない、という前提まで含めて覚えておくと、場面の切実さも思い出せます。
例文で覚える「make a good impression」
面接、職場、顔合わせの3つの場面で、make a good impressionの使い方を確認していきましょう。
I wore a suit to make a good impression at the interview.
(面接で好印象を与えるために、スーツを着ていった。)
面接に臨む場面です。to make a good impressionを目的として添えると、行動の理由を簡潔に伝えられます。at the interviewのように、印象を与えたい場所を添える形も使えます。
A: Are you nervous about meeting her parents?
B: Yeah. I really want to make a good impression.
(A:彼女のご両親に会うのは緊張する?)
(B:うん。どうしても好印象を持ってもらいたいんだ。)
顔合わせの前の会話です。want to の後ろに置くと、好印象を与えたいという気持ちをそのまま伝えられます。
She worked hard to make a good impression on her new team.
(彼女は新しいチームに好印象を与えようと、懸命に働いた。)
新しい職場での様子を語る場面です。on の後ろに相手のチームを置く形が、そのまま使われています。
あわせて覚えたい関連表現
make a good first impression
(いい第一印象を与える)
make a good first impressionは、初対面の一度目の印象に限った言い方です。make a good impressionは、初対面に限らず、好印象を与えることを広く指します。
leave a good impression
(好印象を残す)
leave a good impressionは、別れたあとに相手の記憶に残る印象に重点があります。make a good impressionは、会っている最中に印象を作ることに重点があります。
come across well
(感じよく見える)
come across wellは、相手の目にどう映るかという結果に焦点があります。make a good impressionは、好印象を与えようとする行為に焦点があります。
Note|「作る」「残す」「見える」、印象をめぐる3つの動詞の使い分け
印象を表す英語の言い方は、どの動詞を選ぶかで焦点が変わります。make a good impressionのほかに、leave a good impressionとcome across wellが比べる対象になります。
makeは「作る」で、会っている最中に相手の中に印象を形づくる行為に焦点があります。leaveは「残す」で、会ったあとに相手の記憶に残る印象に焦点があります。come acrossは「(相手に)伝わる、見える」で、相手の目にどう映るかという結果に焦点があります。同じ「好印象」でも、行為・余韻・結果のどれを言いたいかで動詞が変わります。
ロスの場面では、makeが合っています。ロスが求めているのは、会ったあとに残る余韻でも、見え方という結果でもなく、もう一度印象を作り直す機会でした。印象を作るための行為を求めているので、makeが自然に選ばれています。
同じ「好印象」でも、どの段階を言いたいかで動詞が変わります。
まとめ|印象を作り直すチャンスを求めるロス
make a good impressionは、相手に良い印象を持ってもらうことを表す表現です。相手はon 人で示し、初対面に限るときはfirstを挟む形が使われます。
面接、初対面のあいさつ、顔合わせなど、相手の目に自分がどう映るかが問われる場面で使えます。leave a good impressionやcome across wellと並べて、行為・余韻・結果のどれを言いたいかで動詞を選ぶと、表現の幅が広がります。会話の中で自分の意図を伝えたいときは、want toやtry toと組み合わせる形が使いやすい型です。
ロスは、失敗を認め、事情を明かしたうえで、もう一度印象を作るチャンスを頼んでいました。頼みごとが言い切られる前にレイチェルの声が割って入る展開まで含めて、印象をめぐるコメディの一場面になっています。弁明の運びごと、表現の引き出しに加えてみてください。


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