「stick up for」の意味と使い方|『フレンズ』S04E03で学ぶ英会話

「stick up for」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

誰かが責められたり悪く言われたりしているとき、思わずその人をかばって口を開いた経験はありませんか。

そんなときにぴったりの「stick up for」を、『フレンズ』シーズン4第3話の冒頭、母親のパーティーのケータリングを引き受けたモニカが、フォローしてくれる兄ロスに軽口を返すシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「stick up for」の意味とニュアンス

stick up for
意味:〜をかばう、〜を擁護する、〜の味方をする

stick up for は、誰かが非難されたり不利な立場に置かれたりしている場面で、その人を守って発言・行動することを表す口語表現です。とりわけ「言葉で味方する」「弁護する」ニュアンスが強く、日常会話で「かばう」と言いたいときの第一候補になります。

うしろには守る対象が for でつながり、stick up for someone(人をかばう)の形が基本です。for yourself を続けると「自分の立場を主張する」「自分の身を守る」という意味に広がり、遠慮しがちな相手への助言でよく登場します。硬めの stand up for と比べると、目の前の人を「とっさにかばう」場面に寄った、温度のある言い回しです。

【ここがポイント!】

  • 核は「誰かの前に立ちはだかって守る」イメージで、for のうしろに守る相手が来る表現
  • 攻撃や非難から「言葉でかばう」場面に強い、口語寄りの一言
  • for yourself にすると「自分の立場を主張する」意味に伸びるのが使いこなしのコツ

『フレンズ』S04E03のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

朝食の席で、モニカは母親のパーティーのケータリングを引き受けたと打ち明けます。お金のためとはいえ気が重いモニカに、兄のロスが「腕を認めているから母さんも頼んだんだ」とやさしくフォロー。ところがモニカは、その一言を「その場にいない母をかばう発言」と受け取り、すかさず切り返します。

Monica: I just told my mom I’d cater her party for her.
(母さんのパーティーのケータリングを引き受けちゃったの。)

Phoebe: How come?
(どうして?)

Monica: Because I need the money, and I thought it’d be a great way to get rid of that last little smidgen of self-respect.
(お金が要るし、最後にちょっとだけ残った自尊心を手放すのに、ちょうどいいと思って。)

Ross: Come on, I think this is a good thing. I don’t think Mom would’ve hired you if she didn’t think you were good at what you do.
(いや、いいことだと思うよ。腕を認めてなきゃ、母さんだって君に頼まないさ。)

Monica: You don’t have to stick up for her. She can’t hear you.
(母さんをかばわなくていいわよ。どうせ聞こえてないんだから。)

Friends Season4 Episode3(The One with the Cuffs)

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シーン解説と心理考察

母親との確執を抱えるモニカにとって、ロスの善意のフォローは「母を持ち上げる言葉」に聞こえてしまいます。stick up for her の her が母を指し、「その場にいない相手をかばっても意味がない」という皮肉が会話の温度を変えています。ロスは純粋にモニカを励ましたつもりなのに、受け取る側の屈折した心理によって、言葉が思わぬ方向へ跳ね返る構図です。自尊心を手放すとまで自虐するモニカの言葉の奥には、母に認められたいのに素直に期待できない長年の屈託がにじみます。この短いやり取りだけで、エピソード全体を貫く母娘の緊張が先出しされていると言えます。かばう相手が本人不在という一点をつく返しが、モニカの母への根深い不信を静かに照らす場面です。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

stick up は「棒をまっすぐ立てて掲げる」動き。誰かが責められているとき、その人の前に自分の体を一本の棒のように立て、盾になって守る——この「間に割って入って立ちはだかる」映像が核心です。ロスがモニカ(の母)をかばおうとする場面を思い出すと、for のうしろに守る対象が来る形が自然に定着します。for yourself なら「自分の前に自分で立つ」と延長し、自分の立場を張るイメージでつかむと忘れにくくなります。

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例文で覚える「stick up for」

守る相手を for のうしろに置く感覚を、場面を変えた3つの例文で確かめてみましょう。

Thanks for sticking up for me in the meeting today.
(今日の会議でかばってくれてありがとう。)
自分の意見が攻められたときに味方してくれた同僚へ、お礼を伝える場面です。ビジネスでも使える、感謝とセットの定番の言い回しです。

She always sticks up for her little brother when other kids tease him.
(彼女は弟がほかの子にからかわれると、いつもかばってあげる。)
家族や兄弟の関係を説明する場面です。三人称単数の sticks up for の形も、そのまま覚えておくと便利です。

A: Did anyone say anything when the new guy got blamed?
B: Yeah, I stuck up for him. It wasn’t his fault.
(A:新入りが責められたとき、誰か何か言った?)
(B:うん、私がかばったよ。彼のせいじゃなかったし。)
職場での出来事を振り返る会話です。過去形 stuck up for のように、会話の中でとっさに「かばった」と言える形も押さえておきましょう。

あわせて覚えたい関連表現

stand up for
(〜を擁護する、〜のために立ち上がる)
stick up for とほぼ同義ですが、権利や信念など抽象的な対象にも広く使え、やや硬く力強い響きになります。目の前の人をとっさにかばう stick up for に対し、こちらは「信じるもののために立つ」場面にも向きます。

take someone’s side
(〜の味方をする、〜の側につく)
対立や口論で「どちらにつくか」を選ぶニュアンスです。守って発言・行動する動作に重点がある stick up for と組み合わせて覚えると、「味方する」の幅が広がります。

have someone’s back
(〜を陰で支える、後ろ盾になる)
その場で守るというより「いざというとき支える」という信頼を表します。stick up for が前に出てかばう動きなら、こちらは背後で支える構えの表現です。

Note|「stick up for yourself」に宿る、自分のために声を上げる感覚

stick up for は「誰かをかばう」表現ですが、うしろを for yourself に変えると、少し性質の違う一言に変わります。

英語では stick up for yourself が「自分のために声を上げる」「不当な扱いに黙って耐えず、自分の立場をはっきり主張する」という前向きな行動を指します。ここには、自分の権利や意見を守るのは自分自身だという考え方が根づいています。日本語では「自分をかばう」と訳すと、責任逃れや言い訳のような後ろ向きの印象がつきまといがちですが、stick up for yourself はむしろ推奨される態度として、子どもへの助言や職場のアドバイスで日常的に使われます。たとえば、理不尽な要求に流されそうな相手へ You need to stick up for yourself と言えば、「言いなりにならず、自分の考えを口にしていい」という励ましになります。他人をかばうのと同じ動詞で「自分を守り主張する」ことを表せる点に、この表現の広がりがあります。

このズレを知っておくと、stick up for が単なる「かばう」を超えて、誰かのため・自分のために「前に立って声を上げる」表現だという核が見えてきます。

守る矢印を他人にも自分にも向けられる、懐の広い一言です。

まとめ|モニカの一言がかばうより刺す理由

stick up for は、責められている誰かの前に立ちはだかって、言葉で守り味方する口語表現です。for のうしろに守る相手を置き、その相手を自分にすれば「自分の立場を主張する」意味へと自然に伸びていきます。

このフレーズが身につくと、「かばう」「味方する」「自分の考えを守る」といった、人と人のあいだで生まれる場面を、ひとつの動詞で軽やかに表現できるようになります。

大切な人を守りたいときにも、自分の立場を静かに主張したいときにも使える言葉として、会話のレパートリーに加えてみてくださいね。

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