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『メンタリスト』シーズン3第1話には、嘘をついた、つかないをめぐって、ジェーンとリズボンが言葉を交わす場面がいくつも出てきます。嘘つきと言われたときの返し方や、嘘を認めるときの言い方、見抜けるかどうかの言い合いが並んでいます。
嘘をめぐる言葉は、疑う側と疑われる側、認める側と言い張る側で形が変わります。3つの場面を、台詞に沿って順に見ていきます。
「You’re gonna call me a liar?」決めつけに聞き返す
最初は、ジェーンに個人的な頼みごとが持ちかけられる場面です。誰かに会ってほしいと言われ、相手を尋ねても教えてもらえません。そのあとに続くのが、次のやりとりです。
— I promise it has nothing to do with Harvey Dublin.
(約束する、ハーヴェイ・ダブリンとは何の関係もない。)
— You’re trying to play me somehow, convince me to change my mind.
(何とかしてこちらを丸め込んで、考えを変えさせようとしている。)
The Mentalist Season3 Episode1 (Red Sky at Night)
ハーヴェイ・ダブリンは、誘拐されて行方が分からなくなっている大物ロビイストです。have nothing to do with ~ は「〜とは無関係だ」という意味で、I promise ~ を前に置くと、無関係であることを約束する形になります。play me の play は、人を思いどおりに動かす、という使い方です。try to ~ と組み合わせて、相手の意図を疑う言い方になっています。
場面はずっと先に移ります。誰かに何を話したのかと尋ねられ、上着の色をほめていたという答えが返ります。続けて「Liar.」と言われたあとの、ジェーンの返事が次です。
Jane: You’re gonna call me a liar?
(僕を嘘つき呼ばわりするつもりかい?)
The Mentalist Season3 Episode1 (Red Sky at Night)
gonna は going to の口語の短縮形です。call A B は「AをBと呼ぶ」という形で、ここでは Liar という一語で決めつけられたことを、疑問の形で相手に投げ返しています。上着をほめたという答えの compliment her on her jacket にある compliment 人 on ~ は、「〜について人をほめる」という形です。ジェーンの返しが本気の抗議なのか、軽い応酬なのかは、台詞だけでは決まりません。
「I lied this one time」嘘を認めて、理由を添える
ジェーンが黙っていたのかと問われ、嘘をつかれた件を持ち出して「おあいこ」と返す場面があります。これに対するリズボンの言葉が、次のやりとりです。
Jane: But you lied to me, so fair’s fair.
(でも、君は僕に嘘をついた。だからおあいこだ。)
Lisbon: I promise, I will never lie to you again. I– I lied this one time, because I’m concerned.
(約束するわ、二度とあなたに嘘はつかない。今回だけは嘘をついたの。心配だから。)
The Mentalist Season3 Episode1 (Red Sky at Night)
fair’s fair は fair is fair の短縮形で、「公平なものは公平だ」から転じて、「それならおあいこだ」と相手に返すときの言い方です。黙っていたのかという問いに対し、嘘をつかれたことを引き合いに出して、釣り合わせているように読めます。どの嘘を指すのかは、台詞だけでは示されません。
リズボンの台詞は、I promise ~ のあとに never ~ again(二度と〜しない)を置いて約束を示し、すぐに I lied this one time と認めています。this one time は「今回だけ」という意味です。そのあとの because I’m concerned は、認めたうえで理由を添える形で、be concerned は「案じている、心配している」という意味になります。この台詞の中では、何を案じているのかは述べられていません。冒頭の I– I は言い淀みの形です。
「I can tell」見抜けるか、見抜けないかの言い合い
終盤の場面では、見抜けるかどうかをめぐって、ふたりのやりとりが続きます。リズボンの指摘から、次のように進みます。
Lisbon: You don’t mean it. I can tell.
(本気じゃないでしょう。分かるのよ。)
Jane: What do you mean, you can tell? You can’t tell.
(分かるって、どういう意味? 分かるはずがない。)
Jane: I don’t mean it, but you can’t tell that I don’t.
(本気じゃないけど、本気じゃないことは君には分からない。)
The Mentalist Season3 Episode1 (Red Sky at Night)
mean it は「本気で言う」という意味で、You don’t mean it. は相手の言葉が本心でないと指摘する形です。この it は、直前の発言の内容を指しています。tell は「見分ける、分かる」という意味で、I can tell は「見ればわかる」と断言するときに使われます。
ジェーンは What do you mean ~? で聞き返し、You can’t tell. と同じ動詞を否定にして押し返します。最後の台詞では、自分の側から I don’t mean it と言ったうえで、tell that I don’t と、見分けられないことを主張しています。I don’t のあとの mean it は省かれています。
やりとりが続いたあと、ジェーンは次のように返します。
Jane: That’s nonsense. You’re lying. Liar, liar, pants on fire.
(ばかばかしい。君は嘘をついている。嘘つき、嘘つき、ズボンが燃えてるぞ。)
The Mentalist Season3 Episode1 (Red Sky at Night)
That’s nonsense. は「でたらめだ、ばかげている」と退ける言い方です。You’re lying. は現在進行形で、今まさに嘘をついていると指摘します。Liar, liar, pants on fire. は、子どもが言い合いで口にする決まり文句として知られており、同じ語を重ねる語呂のよさが特徴です。
まとめ|嘘をめぐる返しを、形で見る
You’re gonna call me a liar? は聞き返し、I lied this one time は認めて理由を添える形、I can tell と You can’t tell は見抜けるかどうかの押し引きでした。
嘘をめぐるやりとりを順に並べると、疑う、認める、言い張るといった場面ごとに、英語の形が違って見えてきます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


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