海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン5第8話には、宿の受付で部屋について言葉が交わされる場面があります。用件を一言で切り出す言い方と、希望を控えめに尋ねる言い方の両方が、同じやりとりの中に出てきます。言葉の強さや丁寧さの違いを、実際の台詞で確かめられる場面です。
二つの言い方がどう違うのか、料金の案内や支払いの話もあわせて、宿の場面の英語を順に整理していきます。
「Looking for a room.」用件を省略して切り出す
宿の場面は、あいさつと用件の切り出しから始まります。
— Hey there. Looking for a room.
(どうも。部屋を探しているんだけど。)
The Mentalist Season5 Episode8 (Red Sails in the Sunset)
Hey there. は、相手に声をかけるくだけたあいさつです。Hello. よりも気軽な響きがあり、あまり親しくない相手への呼びかけにも使われます。
続く Looking for a room. は、本来なら I’m looking for a room. となるところから、主語と be 動詞を省いた形です。話し言葉では、主語や動詞を落として要点だけ言うことがよくあります。言葉を削るぶん、用件だけがまっすぐ相手に届きます。
この形は、「部屋がほしい」と言い切る働きをしています。相手に許可を求める形ではなく、用件を宣言する形なので、強さの面では直接的です。相手が受付の担当であれば、それだけで何を求めているかが伝わります。
一方で、省略した形は、相手との距離が近いか、やりとりを手短に済ませたいときに向いた言い方です。改まった場では I’m looking for a room. と主語を立てるほうが落ち着きます。この場面では、あいさつの Hey there. とともに、くだけた調子でそろっています。
「It’s $48 cash, $52 credit.」「I’ll be paying cash.」料金と支払い
用件の次は、料金と支払い方法のやりとりです。
— It’s $48 cash, $52 credit.
(現金なら48ドル、カードなら52ドルです。)
— Oop. I’ll be paying cash.
(おっと。現金で払います。)
The Mentalist Season5 Episode8 (Red Sails in the Sunset)
料金の案内は、It’s $48 cash, $52 credit. の一文です。cash と credit を並べて、支払い方法ごとの金額を言い分けています。動詞や前置詞を使わずに、金額のすぐあとに支払い方法を置くだけなので、数字を伝えたいときの簡潔な型になっています。
これに対する I’ll be paying cash. は、will be -ing の形です。I’ll pay cash. と言う場合に比べて、「そのつもりでいる」という段取りを告げる、やわらかい響きがあります。ただし、この二つの違いの感じ方は文脈にもよるため、一概には言えません。
文頭の Oop. は、言葉というより、短い声です。台詞の流れの中では、金額の違いを聞いたあとに入っています。現金にする理由は台詞の中では語られていないため、ここでは触れません。
「You don’t happen to have one without a television?」控えめに尋ねる
宿の場面の後半は、希望の尋ね方と、その返しです。
— You don’t happen to have one without a television?
(テレビのない部屋って、ありませんか?)
— Uh, TV’s busted in 13. No discount.
(えーと、13号室はテレビが壊れてるよ。値引きはなし。)
The Mentalist Season5 Episode8 (Red Sails in the Sunset)
尋ね方の You don’t happen to have ~? は、否定の形で疑問を作る言い方です。happen to は「たまたま〜する」という意味で、have の前に置くと、あるかどうかをたまたま知りたい、という控えめな含みが出ます。one は先ほどの a room を指しています。
ここまでの二つを比べると、違いが見えてきます。Looking for a room. は、用件を言い切る省略形で、直接的で手短です。You don’t happen to have one without a television? は、希望を疑問の形にして、さらに don’t happen to を添えることで、断られる余地を残しています。
つまり、同じように部屋について話していても、前者は要望を宣言する形、後者は無理を承知で尋ねる形です。後者のほうが、相手にとっては答えやすく、角が立ちにくい聞き方と言えます。
もっとまっすぐに尋ねるなら、Do you have a room without a television? のような言い方もあります。ここに happen to を添えると、「あればうれしいが、なくてもかまわない」という距離感が加わります。don’t の否定形にすると、さらに「ないですよね?」という控えめな響きが強まるとされます。
返しの TV’s busted in 13. は、busted が「壊れている」を表すくだけた語で、13 は、文脈から部屋番号を指すと読めます。続く No discount. は、値引きがないことを、名詞だけで告げています。理由を添えたあと、条件を一言で言い切る形です。
まとめ|言い切る形と、控えめに尋ねる形
Looking for a room. は用件を言い切る省略形、You don’t happen to have ~? は happen to で控えめに尋ねる形です。料金の言い方や支払いの段取りもあわせて、宿の場面では、強さの違う言い方が自然に使い分けられています。
次回も『メンタリスト』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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