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『メンタリスト』シーズン2第15話は、料理コンテストの会場で起きた急死をめぐる捜査から始まる回です。今回の記事では、事件現場に到着した捜査官が主催者に事情を聴く場面を起点に、自分の立場を守りながら話す人物の言い回しに注目します。短い受け答えの中にも、話し方の工夫がいくつも見つかります。
決まりの悪い状況を前にしたとき、人がどんな言葉を選ぶのかを見ていきます。
「stick to the facts」―話を本題に戻す一言
事件現場に到着したリズボンとジェーンは、コンテストの主催者デュースターバーグから事情を聴きます。デュースターバーグは開口一番、「今回のことは全くの事故で、自分は何も悪いことをしていない」と切り出します。それに対し、リズボンは次のように話を本題に戻します。
Lisbon: Let’s just stick to the facts, Mr. Duesterberg.
(「事実だけに絞りましょう、デュースターバーグさん。」)The Mentalist Season2 Episode15 (Red Herring)
stick to ~は「~から離れない、~に固執する」という意味の表現で、stick to the factsとなると「事実だけに絞る、本題からそれない」という決まった言い方になります。相手が説明を広げようとするときに、話の軸を戻すための一言として使われる表現です。Mr.と姓を添えて呼びかけることで、丁寧さを保ちながらも聴取を主導する姿勢が伝わってきます。事実確認を進めるための言葉選びが、この一言に表れています。
stick toはfactsに限らず、stick to the point(要点からそれない)、stick to the plan(予定通りに進める)のように、話や行動が本来の軸から離れないことを表す場面で幅広く使われる形です。捜査の現場に限らず、話が広がりすぎたときに軌道を戻したい場面でも役立つ言い回しと言えます。
「very gently, of course」―自分の言い分を整えて話す言い回し
トリュフの代金をめぐる言い争いについて説明を続けたデュースターバーグは、自分の行動を次のように振り返ります。
Duesterberg: Naturally, I defended myself. Very gently, of course.
(「当然、私は自分の身を守りました。もちろん、ごく穏やかにですが。」)The Mentalist Season2 Episode15 (Red Herring)
naturallyは「当然のことながら」という意味の副詞で、自分の行動を当たり前のことのように差し出す働きをします。そこに続くvery gently, of courseは「ごく穏やかに、もちろん」という言い添えで、自分の行動を実際よりも穏やかなものとして伝えようとする響きがあります。of courseは本来、相手の理解を確かめるように「もちろん、当然」と添える語ですが、ここでは自分の行動を当然のものとして押し出す働きをしています。gentlyのような穏やかさを表す語を自分の行動の説明に添えるのは、状況を和らげて話したいときによく使われる言い回しです。
このあとの聴取でも、デュースターバーグは同じ調子で言葉を選びます。
Duesterberg: But he–he’s never laid hands on me before.
(「だが彼が私に手を上げたことなど一度もなかった。」)The Mentalist Season2 Episode15 (Red Herring)
lay hands on ~は「~に手を上げる」という意味の言い回しです。beforeを添えることで「これまでは」という含みが生まれ、直前の「ごく穏やかに」という説明との間に、微妙な言葉の重なりが感じられます。自分の話を整えながら伝えようとする人物の言葉選びが、この一連のやり取りから読み取れます。
まとめ|事実を確認する側と、言葉を選んで話す側
stick to the factsは話を本題に戻すための一言で、very gently, of courseやnever laid hands on me beforeは、自分の行動を穏やかに伝えようとする言葉選びの例です。事情聴取という場面には、事実を確認しようとする側と、自分の立場を整えて話そうとする側、それぞれの言葉の使い方が表れています。
『メンタリスト』の会話からは、こうした言葉選びの機微もこれからも見えてきます。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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