「the jury’s out」の意味と使い方|『メンタリスト』S04E01で学ぶ英会話

「the jury's out」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

結果が出るまでのあいだ、廊下でただ時間が過ぎるのを見ているしかない。そんな待ち時間が、人生には何度かあります。誰かに「どう?」と聞かれても、答えようがない時間です。

そこで使われるのが「the jury’s out」で、まだ結論が出ていないことを表す言い方です。『メンタリスト』シーズン4第1話の終盤、評決を待つ裁判所の廊下でチームが言葉を交わす場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「the jury’s out」の意味とニュアンス

the jury’s out
意味:陪審は評議中、まだ結論が出ていない

もとは法廷の言葉です。陪審は評議に入るとき、法廷を離れて別室にこもります。この out は「外出中」ではなく「席を外して審議に入っている」という状態を指しており、そこから「判断がまだ下りていない」という比喩に広がりました。

日常で使う場合は、the jury is still out on 〜 の形になることがほとんどです。still が入ると「いまも決まっていない」という継続の感じが出て、on のあとに評価の対象を置きます。The jury’s still out on the new system. なら「新しい仕組みがいいかどうかは、まだ何とも言えない」という意味になります。

便利なのは、否定にも肯定にも倒さずに保留だけを伝えられる点です。悪いとは言っていないし、良いとも言っていない。判断材料が足りない、あるいは判断するには早い、という立場をやわらかく示せるため、会議で結論を急がされたときの受け答えとして重宝します。法廷の重い響きを残したまま、雑談で店の感想を保留するときにも使えるという、振れ幅の大きさも特徴です。

【ここがポイント!】

  • 陪審が席を外して別室にこもっている、という一枚の絵が核
  • 肯定にも否定にも倒さず、保留だけを伝えられる便利な言い方
  • 日常では the jury is still out on 〜 の形で使うのが定番

『メンタリスト』S04E01のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ジェーンの裁判は結審し、陪審が評議に入りました。裁判所の廊下で待つチームのもとに、ヴァン・ペルトが合流して状況を尋ねます。ここでは物語の核心に触れない範囲で、評決が出る前のやり取りだけを見ていきます。

Van Pelt: Any news?
(何か動きは?)

Lisbon: The jury’s out.
(陪審は評議に入ってるわ)

Van Pelt: How’s it looking?
(見通しはどうです?)

Lisbon: Maybe, if we’re lucky, they’ll give him second degree murder.
(運がよければ、第二級殺人で収まるかもしれない)

The Mentalist Season4 Episode1(Scarlet Ribbons)

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シーン解説と心理考察

リズボンの答え方は、必要な事実だけを短く置く形になっています。まだ何も決まっていない、という一点しか言えない状況で、余計な希望も不安も足さない。指示を出す立場に慣れた人の話し方が表れています。

続く Maybe, if we’re lucky という前置きには、彼女がすでに最悪の想定を済ませていることがにじみます。運がよければこの程度で収まる、という言い方は、裏返せばそれより重い結果を覚悟しているということです。仲間の前で口にできる範囲の見通しを、慎重に選んでいます。

そして、この短いやり取り全体が、待つ側の心理だけで緊張を作っています。誰も法廷の中を見ることができず、何が話されているかも分からない。the jury’s out という一言が、その見えなさをそのまま言い表しているところが、この場面の見どころです。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

法廷の中で、陪審席だけがぽっかり空いている。その光景を思い浮かべてみてください。人がいないから、まだ答えは出ていない。out という一語が「不在」と「未決」を同時に運んでいる仕組みが、この絵で一度につかめます。

劇中でも、廊下で待つチームの前に陪審の姿はありません。空いた席と、待つ人たち。この二つを並べて覚えておけば、会議で「まだ判断できません」と言いたい場面でも自然に口から出てきます。そして陪審が戻ってきた瞬間に out ではなくなる、という切り替わりまでセットで残ります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「the jury’s out」

法廷の言葉が、そのまま日常の保留表現になっています。フォーマル度の異なる3つの場面で見ていきましょう。

The jury’s still out on whether the new policy actually saves money.
(新しい方針が本当にコスト削減になるかは、まだ結論が出ていない)
社内で施策の評価を保留する場面です。still を挟んで on 以下に対象を置く形が定番で、賛否どちらにも寄らずに事実だけを伝えられます。

The jury’s still out on that new café — I’ve only been once.
(あの新しいカフェの評価はまだ保留。一度しか行っていないから)
友人に感想を聞かれたときの受け答えです。法廷の言葉を軽い話題に持ち込むことで、「まじめに考えてはいるけど結論は出ていない」という温度が出ます。

A: So, is the new hire working out?
B: The jury’s out. Give him another month.
(A:新しく入った人、うまくいってる?)
(B:まだ何とも。あと一か月見てみよう)
評価を求められて時間を確保するやり取りです。否定でも肯定でもない答えとして機能するため、相手を不安にさせずに判断を先送りできます。

あわせて覚えたい関連表現

up in the air
(未定である、宙ぶらりんだ)
予定や決定そのものがまだ固まっていない状態を指します。the jury’s out が「材料は集まりつつあるが評価が定まらない」場合に使われるのに対し、こちらは決定の存在自体が浮いている状態です。

remains to be seen
(今後を見ないと分からない)
やや硬く、書き言葉でも使える表現です。the jury’s out より客観的で、話し手が判断を保留しているというニュアンスは薄くなります。報告書向きの言い換えとして覚えておくと便利です。

too early to tell
(判断するには早すぎる)
時間が足りないという理由をはっきり示します。the jury’s out は理由を言わずに保留だけを伝えられるので、事情を説明したくないときはこちらより使いやすくなります。

Note|会議で使える「保留」、書類では置き換わる「保留」

結論を急がされたときに、否定も肯定もせず時間を確保する。この受け答えは、どの言語でも難しいものです。英語にはそのための表現がいくつも用意されていますが、選ばれる語は場面によってはっきり分かれます。

口頭の会議や社内チャットでよく選ばれるのが the jury’s still out です。法廷の言葉を借りているぶん少し大げさで、その大げささが「まじめに検討してはいる」という姿勢を伝えてくれます。一方で、同じ内容を正式な報告書や監査書類に書く場合は、この表現は選ばれにくくなります。代わりに remains to be seen や further data is required、inconclusive at this stage といった、比喩を含まない語に置き換わります。比喩表現は読み手によって受け取り方が揺れるため、記録として残る文書では避けられるからです。逆に、対面のやり取りでは比喩のほうが空気をやわらげてくれます。同じ「まだ分からない」でも、口で言うか紙に書くかで、求められているものが違うわけです。ちなみに the jury’s out はカジュアルな雑談にも下りてきますが、その場合は法廷の重さが軽い冗談として働きます。

こうして並べてみると、the jury’s out が最も活きるのは、口頭でありながら真剣さも必要な場、つまり会議室あたりだと分かります。守備範囲を知っておくと、書き言葉に持ち込んで浮いてしまうことも避けられます。

同じ保留でも、言う場所によって選ぶ言葉が変わります。

まとめ|まだ決まっていない、と伝える一言

the jury’s out は、陪審が席を外して審議に入っている状態を、そのまま「結論が出ていない」の意味に転用した表現です。肯定にも否定にも倒さず、判断を保留しているという事実だけを差し出せるところに、この言い方の使いやすさがあります。

日常では the jury is still out on 〜 の形で覚えておくと、仕事の評価から店の感想まで、そのまま応用できます。答えを急かされたときに、慌てずに時間を確保する足場になってくれます。

見えない部屋で何かが決まりつつある、という感覚が、この一言には残っているのですね。

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