「a full ride」の意味と使い方|『モダンファミリー』S08E11で学ぶ英会話

「a full ride」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

進学の話題では、学費をどうまかなうかが、いつも気がかりになります。費用がすべて奨学金でまかなわれた、という話は、英語ではたった一語の名詞で言い切れます。

そんなときに使える「a full ride」を、『モダンファミリー』シーズン8第11話で、フィルがルークに鐘の話をする場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「a full ride」の意味とニュアンス

a full ride
意味:(大学の費用を全額まかなう)全額支給の奨学金

a full ride は、大学の学費をはじめ、かかる費用を全額まかなう奨学金を表す口語表現です。奨学金のうち、一部だけを補うものではなく、全額が支給されるものを指します。学費に加えて、寮費や食費まで含む場合もあります。

ride は「乗ること」、full は「全部の、いっぱいの」という意味です。大学という乗り物に、運賃も込みで乗せてもらう、という見立てが、そのまま「全額支給」の意味につながっています。奨学金という言葉は表に出ませんが、a full ride と言えば、それだけで全額支給の奨学金を指します。口語表現なので、進学の報告や友人との会話に、そのまま使えます。

使い方は、get、win、receive のような動詞の目的語に置くのが基本です。「どの大学で」を添えたいときは、a full ride to a state university のように、to のあとに大学を置きます。「何をして得たか」を添えるときは、for や because of、あるいは動名詞を続けます。

a full ride 自体は、「費用が全部まかなわれる」という内容だけを表す言葉です。得た人の能力を褒める意味は含まず、給付の中身を言い表す表現として押さえておくと、場面に合わせて使えます。

【ここがポイント!】

  • 「a full ride」の核は、大学の費用が全額まかなわれる奨学金という意味
  • get、win、receive の目的語に置き、to のあとに大学を添える形
  • 形が似た a free ride(ただ乗り)とは別の表現

『モダンファミリー』S08E11のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

大学見学のなかで、フィルがルークに「見てくれ」と声をかけ、鐘の話を始めます。「a full ride」が出てくるのは、フィルが話の要点へ戻る一言です。

Phil: Check it out!
(見てくれ!)

Luke: A bell?
(鐘?)

Phil: Not just a bell. A series of bells fed into an ingenious instrument known as a carillon. I monkied around with one back in the day. A cutie named Gretchen took me up to her belfry and showed me some moves, which I now realize sounds sexual.
(ただの鐘じゃないぞ。鐘がずらっと並んで、カリヨンっていう巧みな楽器につながってるんだ。昔、俺もいじったことがあってね。グレッチェンっていうかわいい子が、俺を鐘楼の上に連れていって、動かし方を教えてくれたんだ。それって、いま思うと変な意味に聞こえるな。)

Luke: Not really. You talk like this a lot.
(そうでもないよ。いつもこういう話し方してるし。)

Phil: The point is, Gretchen got a full ride treading bells like these.
(要するに、グレッチェンはこういう鐘を踏んで鳴らして、全額支給の奨学金をもらったんだ。)

Modern Family Season8 Episode11 (Sarge & Pea)

シーン解説と心理考察

フィルは、Check it out! とルークを呼び、A bell? と聞き返されると、Not just a bell. と話を広げます。鐘がずらっと並んで楽器につながったものを、カリヨンという名前で紹介し、昔そのカリヨンをいじったことがあると続けます。ここまでは、鐘と自分の思い出話が中心です。

その思い出話に出てくるのが、グレッチェンという人物です。フィルがかつて出会ったグレッチェンが、フィルを鐘楼へ連れていき、動かし方を教えた、という内容が語られます。ルークの返事をはさんで、フィルは The point is, と切り出し、話の要点へ戻ります。

The point is は、「要するに」と、ここまでの話から言いたいことを取り出す前置きです。そのあとに、got a full ride treading bells like these と続きます。got a full ride のあとに続く treading bells は、動名詞で「何をして得たか」を添える形で、like these は「こういう鐘」と種類を示す言い方です。鐘を鳴らすことが、全額支給の奨学金につながった、という結論になっています。思い出話の長い前置きと、短くはっきりした結論の組み合わせが、台詞の流れをつくっています。

a full ride は、その結論の中心にある言葉です。多くの言葉を使わずに、「費用が全部まかなわれた」という大きな成果を言い切れる点が、この表現の便利なところです。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

ride を、大学行きの乗り物に乗せてもらう場面に置き換えて覚えます。full は「全部込み」ですから、運賃も食事も宿泊も、向こう持ちで乗れる、という像です。費用の心配をせずに乗り込める、というイメージが、そのまま全額支給の意味になります。「全部込みで乗せてもらう」と短く言い換えて頭に置くと、場面が変わっても思い出しやすくなります。

形が似た a free ride と混ざりそうになったら、ride の前の語を見ます。full なら奨学金、free なら「ただ乗り」です。フィルの台詞では、get の過去形 got のあとに a full ride が置かれています。get a full ride を一つのかたまりにして頭に置いておくと、a free ride との取り違えも防げます。

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例文で覚える「a full ride」

進学の報告、友人との会話、スポーツの話題を例に、a full ride の形を見ていきます。

She got a full ride to a state university.
(彼女は州立大学に通うための、全額支給の奨学金を得ました。)
友人の進学を人に話す例です。get の目的語に置き、to のあとに大学を添えると、どの大学の奨学金かが伝わります。

A: Did you get any scholarship?
B: Yes, a full ride. It covers tuition and housing.
(A:奨学金はもらえたの?)
(B:うん、全額支給だよ。学費も寮費も出るんだ。)
進学の報告をする会話です。a full ride のあとに、何がまかなわれるのかを続けると、中身が具体的になります。

He’s hoping for a full ride because of his swimming.
(彼は水泳の実績で、全額支給の奨学金をねらっています。)
見通しを話す例です。because of のあとに理由を置くと、何を根拠にした奨学金なのかを添えられます。

あわせて覚えたい関連表現

a scholarship
(奨学金)
a scholarship は、奨学金そのものを表す一般的な言葉です。全額か一部かは決まっていません。a full ride は、その中でも全額を支給する形を表します。

a full scholarship
(全額奨学金)
a full scholarship は、学費全額の奨学金をそのまま言い表す語です。a full ride と同じ場面で使えますが、a full ride のほうがくだけた響きで、費用が全部まかなわれる様子がより強く出ます。

financial aid
(学費援助)
financial aid は、奨学金、補助、貸与などをまとめて指す広い言葉です。a full ride は、その中で全額給付という具体的な形を指します。

Note|ride の前の一語で意味が変わる。a full ride と a free ride の使い分け

a full ride と a free ride は、ride の前の一語だけが違う、よく似た形です。構成している語の文字どおりの意味と、使う動詞の違いから、取り違えを防ぐ方法を整理します。

まず、full と free の文字どおりの意味です。full は「全部の、いっぱいの」で、a full ride は、費用が全部まかなわれる乗り物、つまり全額支給の奨学金を表します。free は「無料の」で、a free ride は、運賃がかからない乗り物、つまり「ただ乗り」を表します。同じ ride でも、前の一語で、奨学金の話にも、ただ乗りの話にもなります。

次に、使う動詞と文脈です。a full ride は、get a full ride、win a full ride、receive a full ride のように、進学の文脈で使います。a free ride は、give someone a free ride(人をただ乗りさせる)や get a free ride(ただで得をする)のように、他人の費用や労力に便乗する場面で使います。文脈が進学や学費なら full、便乗や得をする話なら free と見分けます。動詞も手がかりになり、win a full ride のように勝ち取る意味の動詞が続けば、奨学金の話だと分かります。

日本語にするときは、a full ride を「全額支給の奨学金」と訳します。「ただ乗り」と訳すと、意味が大きくずれます。フィルの台詞は、got a full ride treading bells like these と、奨学金の話をしているため、「全額支給の奨学金をもらった」と訳すのが合います。

a full ride は、進学の話題で出てきたら奨学金のことだと読めば大丈夫です。ride の前の full を見落とさなければ、「ただ乗り」と取り違えることはありません。

まとめ|短い一言で、費用が全部まかなわれたことを伝える

a full ride は、大学の費用を全額まかなう奨学金を表す口語表現です。get、win、receive の目的語に置き、to のあとに大学を添えたり、for や because of で理由を添えたりして使います。

形が似た a free ride は、「ただ乗り」を表す別の表現です。ride の前が full なら奨学金、free なら便乗と、一語で見分けられます。日本語では「全額支給の奨学金」と訳すと、意味がずれません。

鐘の話を長く続けたあとで、The point is と切り出し、グレッチェンの結論を a full ride の一語に託すフィル。長い前置きのあとに、この短い名詞が結論として置かれています。

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