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『モダンファミリー』シーズン5第15話では、地元の不動産業者の会で社交委員長の再選がかかっていたフィルが、ライバルのギルに敗れます。そのうえ、息子どうしがレスリングで対戦することになり、フィルはまたギルと顔を合わせます。
今回は、勝ち誇る相手の言葉と、それを正面から言い返さずに受け流すフィルの返し、さらにどうしても勝てない相手について語る言い方を、場面の順に見ていきます。
「I’m in. You’re out.」結果を告げる側と、受け止める側の英語
フィルは、地元の不動産業者の会で be up for re-election as social chair(社交委員長として再選がかかっている)状態だったと話しています。その結果をフィルに告げたのはギルです。
Gil Thorpe: I’m in.
(俺の当選だ。)Gil Thorpe: You’re out.
(お前は落選。)Gil Thorpe: Sorry to have to tell you that in private.
(こうして内々に伝えるしかなくて悪いな。)Modern Family Season5 Episode15 (The Feud)
I’m in. You’re out. は、in と out を並べただけの短い対比で、勝った側と負けた側をはっきり分けています。選挙やチームの選抜など、入る・外れるが決まる場面で使える組み合わせです。in は「仲間に入っている」、out は「外れている」という位置関係のイメージで、主語を入れ替えるだけで立場の違いが際立ちます。
Sorry to have to tell you that ~ は「〜を伝えなければならなくて申し訳ない」という、悪い知らせを切り出すときの形です。ただ、勝った本人の口から短い宣言のあとに続くと、気づかいよりも余裕のほうが目立って聞こえるのが面白いところです。
結果を聞いたフィルは、自分が一期で終わったことを嘆きます。
Phil: I’m a one-termer? That puts me alongside Henry Eustace Tyler and Art Wagner!
(俺が一期だけで終わり? これじゃヘンリー・ユースタス・タイラーやアート・ワグナーと同じ扱いじゃないか!)Gil Thorpe: Never met Art Wagner.
(アート・ワグナーには会ったことないな。)Phil: They took away his realtor’s license after Gategate.
(ゲートゲート事件のあと、不動産業の免許を取り上げられたんだ。)Gil Thorpe: Okay, enough history, “done-for.
(よし、昔話はそこまでだ、”おしまい”さん。)Modern Family Season5 Episode15 (The Feud)
one-termer は「一期(one term)だけで終わった人」を指す名詞です。I’m a one-termer? と疑問の形にすることで、信じられない気持ちが伝わってきます。ギルの Okay, enough history は「その話はもういい」と相手の話を切り上げる一言で、”done-for” はフィルの姓の響きに done for(もうおしまい)を重ねた呼び方と読めます。
「This is when you try to intimidate me.」挑発を言葉にして受け流す
レスリングの試合の日、ギルはフィルにこう声をかけます。
Gil Thorpe: Oh, whoops! I’m sorry, man.
(おっと、悪いな。)Gil Thorpe: I hope I didn’t blind ya.
(目がくらんでなきゃいいけど。)Gil Thorpe: Although you might not want to see what’s next.
(まあ、この先は見たくないかもしれないがな。)Gil Thorpe: Our kids are wrestling each other.
(うちの子とお前んとこの子が対戦するんだよ。)Phil: Are you kidding?
(冗談だろ?)Modern Family Season5 Episode15 (The Feud)
I hope I didn’t ~ は「〜していなければいいけど」と相手を気づかう形です。ギルはそこへ Although you might not want to see what’s next.(この先は見たくないかもしれない)と続け、息子どうしの対戦を告げます。気づかう言葉と、相手の負けを予告するような言葉を並べている点が見どころです。フィルの Are you kidding? は「冗談だろ?」と驚きをそのまま返す一言です。
短いやりとりを挟んで、フィルはギルの言葉の狙いを口にします。
Phil: No, uh, yeah, yeah, yeah.
(いや、その、ああ、ああ、ああ。)Phil: No, I get it.
(いや、わかってるよ。)Phil: This is when you try to intimidate me.
(ここで俺をびびらせようって魂胆だろ。)Gil Thorpe: No! No.
(違う違う。)Gil Thorpe: Hey, good luck.
(まあ、がんばれよ。)Modern Family Season5 Episode15 (The Feud)
I get it. は「わかった」「お見通しだ」と、相手の意図を理解したことを示す一言です。This is when you ~ は「今が〜する場面だよね」と相手の行動を先回りして言い当てる形で、intimidate(おじけづかせる、威圧する)と組み合わせると、挑発を真正面から受けずに、手の内を言葉にして受け流す返しになります。ギルは否定して good luck と返しますが、その言葉を本心と受け取るかどうかは見る側に委ねられています。
「I just can’t win with him.」どうしても勝てない相手を語る
試合を前にして、ジェイも自分の苦手な相手について話します。
Jay: I really want this win, Phil.
(この勝ちはどうしても欲しいんだ、フィル。)Jay: I can taste it, like metal.
(味がするくらいだ、金属みたいな。)Phil: Me, too.
(俺もです。)Phil: Metal.
(金属の味。)Jay: I don’t know what it is with this guy, but no matter what I do, I just can’t win with him.
(あの男の何がそうさせるのか知らんが、何をやってもあいつにはかなわないんだ。)Phil: That’s the way I am with his son.
(俺にとっては、あいつの息子がまさにそれです。)Modern Family Season5 Episode15 (The Feud)
I can taste it は、勝利や成功がすぐそこまで来ていると感じるときの言い方です。ジェイは like metal と味まで付け足し、フィルもそれに合わせています。
I don’t know what it is with ~ は「〜の何がそうさせるのか分からない」と、理由を説明できない相性の悪さを語る前置きです。no matter what I do と can’t win with ~ を続けると、「何をしてもかなわない」という苦手意識がはっきり伝わります。can’t win with ~ は勝負事に限らず、何をしても気に入ってもらえない相手や、どう接してもうまくいかない相手について使われることもあり、日常の愚痴にもなじむ形です。
フィルの That’s the way I am with ~ は「自分にとっては〜がそれだ」と、相手の話を自分の経験に重ねて返す形です。苦手な相手がいるジェイと、その息子に手を焼くフィル。二人の張り合いが親子の組み合わせで重なる場面と言えます。
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| I’m in. You’re out. | 勝った側と負けた側を短く言い分ける |
| Sorry to have to tell you that ~ | 悪い知らせを切り出す |
| I’m a one-termer? | 結果を信じられない気持ちを疑問で返す |
| No, I get it. This is when you ~ | 相手の狙いを言い当てて受け流す |
| I just can’t win with ~ | どうしても勝てない相手を語る |
まとめ|勝ち誇る言葉と、受け流す返し
I’m in. You’re out. のような短い宣言、This is when you try to intimidate me. のように相手の狙いを言葉にする返し、I just can’t win with him. と苦手な相手を語る言い方。ライバルどうしの会話には、正面から言い返さずに切り抜ける英語がそろっています。
次回も『モダンファミリー』と一緒に、場面ごとの英語を見ていきましょう。
試合に送り出す言葉や、困った事態の深刻さを言い分ける英語は、同じ回のほかのコラムやフレーズ記事で扱っています。


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