「fight someone else’s battles」の意味と使い方|『モダンファミリー』S05E15で学ぶ英会話

「fight someone else's battles」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

身近な人同士のもめごとに、いつの間にか自分まで巻き込まれて、代わりに戦っているような気分になったことはありませんか。

そんな場面にぴったりの「fight someone else’s battles」を、『モダンファミリー』シーズン5第15話の後半、試合の直後にルークの様子をめぐってジェイとフィルが言葉を交わすシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「fight someone else’s battles」の意味とニュアンス

fight someone else’s battles
意味:他人の争いを代わりに戦う、他人のけんかを引き受ける

fight someone else’s battlesは、本来は当人が向き合うべき争いを、別の人が代わりに戦うことを表す言い方です。fightは「戦う」、battleは「戦い」を表す語で、文字どおりの戦いだけでなく、家族や職場のもめごと、対立といった争いを指す比喩としても使われます。

someone else’sの部分には、戦いの持ち主が入ります。シーンではother people’sのように複数の人の争いを表す形になっていますし、your kid’s battlesのように、具体的な人を指す形にもできます。持ち主を自分に変えれば、fight one’s own battlesとなり、「自分の争いは自分で戦う」という反対の意味になります。

争いの持ち主と、実際に戦う人がずれている、という構図がこの表現の芯です。親が子どものけんかに口を出す場面や、友人のもめごとに首を突っ込む場面など、当事者ではない人が前に出て戦う状況を言い表せます。

否定形や、pointless(意味がない)のような語と組み合わせると、「代わりに戦っても仕方がない」という、距離を置く姿勢も表現できます。戦う側にも戦わない側にも使える、応用の幅がある表現です。

【ここがポイント!】

  • 「fight someone else’s battles」の核は、争いの持ち主と、実際に戦う人がずれていること
  • someone else’sの部分を自分にすると、fight one’s own battlesと反対の意味になる
  • battleはけんかや対立といった、家族や職場の争いを指すたとえにも使える

『モダンファミリー』S05E15のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

レスリングの試合の直後、試合を終えたルークが平気そうに見えることをめぐって、ジェイとフィルが語り合う場面です。ジェイは、父親と祖父をがっかりさせて平気な子供はいないと言い、フィルはそれと反対の見方を返します。フィルの最後の発言でfight other people’s battlesが登場します。

Jay: I don’t buy it.
(信じられんな。)

Phil: Why?
(どうして?)

Jay: What are you talking about? No kid lets down his father and grandfather and is that okay with it. He’s burying his feelings.
(何を言ってるんだ? 父親と祖父をがっかりさせて、それで平気な子供なんているか。あいつは気持ちを押し殺してるんだ。)

Phil: Or maybe he’s just raised better than that. He knows it’s pointless to fight other people’s battles.
(それか、ただ育ちがいいだけかもしれない。他人の争いを代わりに戦っても意味がないと、あの子は分かってるのさ。)

Modern Family Season5 Episode15 (The Feud)

シーン解説と心理考察

ジェイは、ルークが「平気だ」と言うのを信じられず、「父親と祖父をがっかりさせて平気な子供などいない」と主張します。ジェイの言うfatherはフィル、grandfatherは自分自身のことなので、ルークに期待をかけた側の一人として、ジェイ自身の立場もこの発言に含まれています。

これに対してフィルは、「育ちがいいだけかもしれない」と返し、他人の争いを代わりに戦っても意味がないと、あの子は分かっているのさ、と話します。ここでの「他人の争い」は、フィルとジェイがこの試合に持ち込んでいた、試合相手の家族との対立を指すものとして読めます。大人たちが抱える対立を、子が代わりに戦う必要はない、という受け止め方です。

ジェイが気持ちを押し殺しているのではないかと心配するのに対して、フィルは、ルークが自分の意思で争いから距離を取っているのではないかと見ています。同じ様子を見ながら、正反対の解釈をぶつけ合う二人の温度差が、この会話の中心です。争いを試合に持ち込んだ大人たちと、それを引き継がない子という対比が、フレーズの意味をくっきり浮かび上がらせています。

また、フィルの返しは「Or maybe」で始まっていて、断定ではなく可能性として持ち出す言い方になっています。ジェイの強い言い切りに対して、フィルが穏やかな調子で別の見方を差し出す点も、二人の会話の見どころです。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

戦いの持ち主と、実際に戦う人がずれている様子を思い浮かべてみましょう。争いの持ち主が誰なのかがポイントで、someone else’sの部分が「別の人の」を表しています。

フィルの「He knows it’s pointless to fight other people’s battles」も、大人たちの争いは大人たちのもので、ルークが代わりに戦う必要はない、と言い切った一言でした。持ち主の札を一枚ずつ付けるように、「これは誰の争いか」を意識すると、someone else’sとone’s ownの使い分けも自然と身につきます。

迷ったときは、「この争いは誰のもの?」と自分に問いかけてみましょう。持ち主が自分なら自分で、他人なら代わりに、という整理で、意味の取り違えを防げます。

例文で覚える「fight someone else’s battles」

他人の争いを代わりに戦う状況を表すfight someone else’s battlesを、3つの例文で確認していきましょう。

You can’t fight your kid’s battles forever.
(子どものもめごとを、いつまでも代わりに戦い続けることはできないよ。)
過保護になりがちな親に助言する、日常の場面です。someone else’sの部分をyour kid’sのように具体的な人に置き換えられます。

I don’t want to fight someone else’s battles at work.
(職場で他人の争いに巻き込まれたくない。)
同僚同士の対立を避けたい、職場の場面です。at workを添えると、どこでの争いなのかがはっきりします。

A: Are you going to step in?
B: No, they should settle it. I won’t fight their battles for them.
(A:間に入るの?)
(B:いや、二人で決着をつけるべきだよ。私が代わりに戦うつもりはない。)
人のもめごとに口を出さないと決める会話です。for themを足すと、代わりに戦うことを頼まれても引き受けない、というニュアンスが伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

fight one’s own battles
(自分の争いは自分で戦う)
fight one’s own battlesは、自分で向き合うことを表します。fight someone else’s battlesはその反対で、他人の争いを代わりに戦うことです。

take sides
(一方の味方につく)
take sidesは、対立で片方を支持する言い方です。fight someone else’s battlesは、他人の争いを実際に引き受ける点が違います。

get involved in someone else’s quarrel
(他人の口論に巻き込まれる)
get involved inは巻き込まれる、関わるという意味です。fight someone else’s battlesは、代わりに戦う積極的な動きを含みます。

Note|「他人の争い」「他人のけんか」「肩代わり」の訳し分け

fight someone else’s battlesを日本語にするとき、争いの大きさや性質によって訳語が変わります。

争いが小さなもめごとなら「他人のけんかを引き受ける」、対立が根深いものなら「他人の争いを代わりに戦う」と訳すのが基本です。さらに、責任や負担を代わりに背負う場面では「肩代わりする」と訳すと、日本語としてなじみます。たとえばyour kid’s battlesなら「子どものもめごと」、at workで使うなら「職場の他人の争い」と、場面に合わせて名詞を選び分けます。シーンのフィルの発言は、大人たちが抱える、試合相手の家族との対立を子が引き継ぐかどうかという文脈で使われているため、「他人の争いを代わりに戦う」と、少し重みのある訳を選ぶと、対立の背景まで伝わります。一方、日常の例文のように、友人のもめごとに首を突っ込む程度なら、「他人のけんかを引き受ける」と訳したほうが軽やかに収まります。

このように、fight someone else’s battlesの訳語は、battleの重さをどう写すかで決まります。

同じ表現でも、日本語では争いの大きさに合わせて言葉の重さを調整できます。英語の一言を訳すときは、争いの重さを先に見極めてから、名詞と動詞の組み合わせを選ぶと収まりがよくなります。

まとめ|大人たちの争いを引き継がない、という受け止め方

fight someone else’s battlesは、当人が向き合うべき争いを、別の人が代わりに戦うことを表す言い方です。争いの持ち主を自分にすれば、fight one’s own battlesと反対の意味になります。

家族の対立でも、職場のもめごとでも、当事者ではない人が前に出る場面で活躍します。訳すときは、争いの大きさに合わせて「争い」「けんか」「肩代わり」を選び分けるのがコツです。

ルークの様子をめぐって、心配するジェイと、あの子はもう分かっていると見るフィルのやり取りには、同じ場面を見ながら違う解釈をぶつけ合う二人の温度差がぎゅっと詰まっていました。表現の引き出しに加えてみてください。家族の話題から職場の話題まで、争いの持ち主を意識して使い分けられる表現です。

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