海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
人に厳しく言った直後に、自分も同じことをしてしまい、返す言葉に詰まった経験はありませんか。
そんな場面にぴったりの「come down on someone」を、『モダンファミリー』シーズン5第15話の後半、マニーが母グロリアの態度の食い違いを指摘するシーンから、一緒に見ていきましょう。
「come down on someone」の意味とニュアンス
come down on someone
意味:〜を厳しくとがめる、〜に厳しく当たる、〜を叱りつける
come down on someoneは、相手の言動を厳しくとがめたり、叱ったりすることを表す言い方です。come downは「降りてくる」、onは「〜の上に」を表す語で、相手の上に何か重いものが降りかかるように、厳しさが向けられる様子を思い浮かべると意味がつかめます。
とがめる理由を続けたいときは、come down on someone for 〜ingの形で、forのあとに理由となる行動を置きます。たとえばcome down on him for being lateなら、「遅刻したことで彼を厳しくとがめる」という意味になります。主語には、上司、親、先生のように、相手を叱れる立場の人を置くとしっくりきます。
ただ、叱る側と叱られる側の立場は固定されていません。今回のシーンのように、以前に厳しく言われた側が、その言い方を持ち出して指摘し返す場面でも使えます。相手を責める行為そのものを、少しくだけた調子で言い表せる便利な表現です。
訳語の「叱る」は、上から注意する響きが強い言葉です。come down onは、叱責に限らず、「厳しく当たる」「きつく言う」といった態度まで含めて表せる、幅のある言い方です。
【ここがポイント!】
- 「come down on someone」の核は、相手に厳しさが降りかかるイメージ
- とがめる理由はforのあとに〜ingで続けるのがコツ
- 叱る側と叱られる側が入れ替わった場面でも、言い方を持ち出す一言として使える
『モダンファミリー』S05E15のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
博物館を訪れたマニーとグロリアが、言葉を交わす場面です。自分の格好を気にするグロリアに対し、マニーが、以前の自分への言い方との食い違いを指摘します。マニーの二つ目の発言でcome down onが登場し、グロリアがそれを認めていく流れをたどります。
Manny: Mom, you’re unbelievable.
(ママ、信じられないよ。)Gloria: Ay, that’s sweet, but I know I look terrible.
(ああ、優しいのね。でも自分がひどい格好なのは分かってるの。)Manny: You come down on me for being self-conscious, then you run and hide because your face is red.
(僕が人目を気にしすぎるとさんざんとがめておいて、自分は顔が赤いからって走って隠れるんだね。)Gloria: You’re right. I keep blaming the high-school boys for making you self-conscious, and you’re taking after me.
(その通りね。あなたが人目を気にするのは高校の男の子たちのせいだとずっと思っていたけど、あなたは私に似たのね。)Manny: We can assign blame when we’re safely behind our tinted windows.
(責任の押しつけ合いは、スモークの窓の内側で安全になってからにしよう。)Modern Family Season5 Episode15 (The Feud)
シーン解説と心理考察
マニーの「ママ、信じられないよ」という切り出しに、グロリアは「優しいけれど、自分がひどい格好なのは分かっている」と返します。ここまでは、母が自分の姿を気にしている、というやり取りです。
そこでマニーが持ち出すのが、come down on meの一言です。人目を気にしすぎると、さんざんとがめられた側のマニーが、「自分は顔が赤いからと走って隠れる」と、言葉と行動の食い違いを突きます。責める側と責められる側の立場が入れ替わる瞬間が、この一言に重なっています。
グロリアはそれを「その通り」と素直に認め、マニーが人目を気にするのは高校の男の子たちのせいだと思っていたが、実は自分に似たのだと言います。言い返さずに受け止める返しから、親子の間で率直に言葉を交わせる関係が伝わってきます。母の側が指摘を認めたことで、come down onから始まった食い違いは、やわらかく解けていきます。
最後にマニーは、責任の押しつけ合いは窓の内側で安全になってからにしよう、と話をまとめます。指摘した本人が、ここでも話をまとめにかかる様子が、この場面のやわらかな終わり方を作っています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
上から重いものが「どさっ」と降りてくる場面を思い浮かべてみましょう。come down(降りてくる)がon(〜の上に)の相手に落ちる様子から、厳しさが相手に降りかかるイメージで覚えられます。
シーンでマニーが口にした「You come down on me for being self-conscious」も、まさに自分の上に厳しい言葉が降りかかってきた記憶を振り返る一言でした。降りてくる先が「me」なのか「him」なのかで、誰が厳しさを受けたのかが決まります。誰の上に降りかかったのかを意識すると、onのあとに置く人の語も、自然に頭に残ります。
例文で覚える「come down on someone」
叱る、とがめるといった場面で使えるcome down on someoneを、3つの例文で確認していきましょう。
My boss came down on me for missing the deadline.
(締め切りに遅れたことで、上司にきつくとがめられた。)
失敗を振り返って語る、職場の場面です。for missing the deadlineのように、forのあとにとがめられた理由を置くと、何を責められたのかがはっきりします。
Don’t come down on him too hard; he’s just a kid.
(彼を厳しく責めすぎないで。まだ子どもなんだから。)
誰かをかばう場面です。否定形や、too hardのような副詞を添えると、厳しさの度合いを調整する言い方になります。
A: Why did she come down on you?
B: I forgot to call her back.
(A:どうして彼女にきつく言われたの?)
(B:折り返しの電話を忘れたんだ。)
叱られた理由を尋ねる会話です。come down onが「叱られる」出来事を指し、理由を答えるところまで会話が自然につながります。
あわせて覚えたい関連表現
crack down on
(〜を厳しく取り締まる)
crack down onは違反や行為を取り締まる言い方です。come down onは、主に人をとがめる言い方という違いがあります。
lay into
(〜を激しく非難する)
lay intoは、言葉や行動で激しく攻撃するニュアンスが強い表現です。come down onは、叱責の厳しさが中心という違いがあります。
go easy on
(〜に手加減する、甘くする)
go easy onは、come down onと反対に、厳しくしないことを表します。対にして覚えると整理しやすい表現です。
Note|「叱る」「とがめる」「責める」の訳し分け
come down on someoneを日本語にするとき、「叱る」「とがめる」「責める」のどれに寄せるかで、印象が変わります。
上から厳しく言う響きを出したいときは「叱る」、相手の非を指摘して咎める調子なら「とがめる」、失敗の責任を相手に向けるなら「責める」と、訳し分けます。たとえば、上司が部下に言う場面なら「きつく叱られた」がなじみますし、友人同士の指摘なら「とがめられた」のほうがやわらかく収まります。責任の所在を問う文脈では、「責められた」が合います。シーンのマニーは、母から人目を気にする態度をとがめられたことを振り返っているため、「とがめる」と訳すと、指摘する調子と、あとで立場が入れ替わる展開の両方がなじみます。また、come down on me for being self-consciousのようにforのあとに理由が続く場合は、「〜したことでとがめる」と、理由を先に訳に含めると、日本語として自然になります。
このように、同じcome down on someoneでも、誰が誰に向けて言うのか、何をとがめるのかによって、選ぶ日本語が変わります。
訳し分けを覚えておくと、英語のひと言が持つ厳しさの度合いを、場面に合わせて日本語に写せます。日本語で「きつく言う」「当たる」と言い換えられる場面も、come down onで表せると考えておくと、会話の中で浮かびやすくなります。
まとめ|言い方を持ち出す一言に込められた、立場の入れ替わり
come down on someoneは、相手の言動を厳しくとがめる、叱りつけることを表す言い方です。とがめる理由はforのあとに置き、叱る側と叱られる側の関係によって、訳語を選び分けます。
上司が部下を叱る場面でも、親が子の態度をとがめる場面でも使えるため、誰かへの厳しい対応を語るときに活躍します。以前に厳しく言われた側が、その言い方を持ち出して指摘する、という使い方もできる表現です。英語で誰かの厳しい対応を語りたくなったとき、まず思い浮かべたい一言です。
マニーの「You come down on me for being self-conscious」の一言には、責める側と責められる側の立場が入れ替わる瞬間と、それを素直に認めるグロリアとのやり取りがぎゅっと詰まっていました。表現の引き出しに加えてみてください。


コメント