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『モダンファミリー』シーズン5第3話では、不動産の仕事で顧客の相談に追われるフィルが、クレアから何度も指摘を受けます。頼んだ用事が済んでいないこと、顧客に入れ込みすぎていることなど、クレアの言葉は手厳しいものです。
今回は、指摘された側のフィルがどう返したかに注目し、はぐらかす返事、相手の気持ちのせいにする切り返し、そして最後に非を認める一言までを順に見ていきます。
「Done and done.」と「The second.」で頼みごとを受け流す
クレアは、自分の手が回らない用事をフィルにまとめて頼みます。
Claire: I’m stretched a little thin today, so I need you to do the grocery shopping, check in on the kids, and maybe clean up those branches in the front yard.
(今日はちょっと手いっぱいなの。だから食料品の買い物と、子どもたちの様子を見るのと、できれば前庭の枝の片づけもお願い。)Phil: Done and done.
(了解、了解。)Claire: Is that an expression, or did you really only remember two of the things I said?
(それって決まり文句? それとも、私が言ったことを本当に2つしか覚えてないってこと?)Phil: The second.
(後のほう。)Modern Family Season5 Episode3 (Larry’s Wife)
冒頭の stretched a little thin(手いっぱい)は、同じ回のフレーズ記事で詳しく扱っています。ここで注目したいのは、その後の受け答えです。
Done and done. は「了解、すぐやる」と二つ返事で引き受けるくだけた言い方として使われることがあります。クレアは3つの用事を頼んだのに、フィルの返事は done が2回だけです。そこでクレアは Is that an expression, or ~?(それって決まり文句なの、それとも〜?)と、二択の形で問い返します。
フィルの The second. は、その二択の「2つ目」を選んだ答えです。つまり、本当に2つしか覚えていなかったと認めたことになります。言い訳をせず、問いの形にそのまま乗って答えることで、指摘を笑いに変えているやり取りと言えます。二択の質問に「後者」と答えるときは、日常会話では the second one や、少し改まった the latter も使えます。
「someone’s feeling neglected」で話の向きを変える
別の場面では、用事がまだ済んでいないことをクレアが指摘し、フィルが自分は人の役に立っているのだと応じます。そこからクレアの切り返しが続きます。
Claire: Honey, when I met you, you were a wedding deejay.
(ねえ、あなたと出会ったとき、あなたは結婚式のDJだったでしょ。)Claire: By the way, Spinderfella, looks like you still need to hit the grocery store.
(ところでスピンダーフェラさん、食料品の買い物、まだ行けてないみたいね。)Phil: I think someone’s feeling neglected.
(誰かさんは、かまってもらえなくて寂しいみたいだな。)Modern Family Season5 Episode3 (Larry’s Wife)
when I met you, you were ~ は、相手が持ち出した肩書きに対して「出会ったときは〜だった」と前提を崩す返し方です。looks like you still need to ~ は「まだ〜しなきゃいけないみたいね」と、残っている用事をさらりと突きつける言い方です。
これに対するフィルの I think someone’s feeling neglected. は、someone で相手をぼかしながら「放っておかれて寂しいんだろう」と言う一言です。用事の話には答えず、指摘そのものを相手の気持ちの問題に置き換えているのが分かります。クレアはそれでも引き下がらず、こう続けます。
Claire: You’re getting too involved, Phil.
(入れ込みすぎよ、フィル。)Claire: You are juggling these women, and you’re not that good a juggler.
(あなたは女性たちの相手を掛け持ちしてるけど、そんなに器用じゃないでしょ。)Phil: Now you’re just lashing out!
(今度はただの八つ当たりだ!)Modern Family Season5 Episode3 (Larry’s Wife)
get too involved は「深入りしすぎる、入れ込みすぎる」という意味で、仕事や人間関係に関わりすぎている相手への指摘に使えます。juggle は本来お手玉のように複数の物を投げ回すことで、そこから「いくつものことを同時にこなす」という意味でも使われます。not that good a ~ は「それほど上手な〜ではない」という形で、juggler を続けて掛け持ちの腕前を皮肉っています。
フィルの lash out は「食ってかかる、八つ当たりする」という意味です。指摘を受けた側が、その中身ではなく言い方を問題にして返す形で、ここでも話の向きを変えようとしているのが読み取れます。
当てこすりに合わせ、最後は「She was right.」
フィルの顧客たちがいる場で、クレアはフィルの世話になった顧客のような口ぶりで語り始めます。
Claire: Phil taught me how to trust a man again, and I think that was always his plan.
(フィルのおかげで、また男性を信じられるようになったの。最初からそのつもりだったんだと思う。)Phil: That was always my plan.
(最初からそのつもりだったよ。)Claire: And it was not easy for me to trust a man after the husband that I’d had.
(あんな夫と暮らしたあとじゃ、男性を信じるのは簡単じゃなかったから。)Claire: This guys left tools in the yard, let the kids run wild.
(その人ったら、庭に工具は置きっぱなし、子どもは好き放題にさせて。)Phil: Well, great to see you, Claire.
(さて、会えてよかったよ、クレア。)Claire: He was always interrupting me.
(いつも私の話をさえぎってたし。)Claire: And he wore the most ridiculous sleep-mask thing.
(おまけに、ばかみたいなアイマスクをして寝てたの。)Modern Family Season5 Episode3 (Larry’s Wife)
クレアの挙げる「前の夫」の特徴は、そばにいるフィル本人への当てこすりとして聞こえるように並べられています。フィルはまず That was always my plan. と話に合わせ、続いて Well, great to see you, ~. と別れのあいさつで話を切り上げようとします。それでもクレアは止まりません。
Claire: Never took my advice.
(私の助言は一度も聞かなかった。)Claire: You know, that’s the worst part.
(それが一番ひどいところね。)Claire: He never he never said he was sorry just one time.
(あの人は一度だって謝らなかったの。)Claire: I would kill to have heard, “Claire, you were right.
(「クレア、君が正しかった」って一度でいいから聞きたかった。)Phil: She was right.
(彼女が正しかった。)Claire: Louder.
(もっと大きな声で。)Phil: I do not love this side of you.
(君のこういうところは好きじゃないな。)Modern Family Season5 Episode3 (Larry’s Wife)
I would kill to ~ は「〜のためなら何でもする」という強い願望を表すくだけた言い方で、to have heard と完了形にすると「聞けていたらどんなによかったか」という意味になります。フィルの She was right. は、目の前のクレアを she と呼び、求められた言葉をほぼそのまま口にする返事です。Louder. と重ねて求められたフィルは、I do not love this side of you. とひと言だけ返します。かわし続けた末に非を認め、それでも最後に小さく抵抗する流れが見どころです。
まとめ|かわす言葉と、認める言葉
Done and done. や The second. で受け流し、someone’s feeling neglected や lash out で話の向きを変え、最後は She was right. と認める。指摘された側の返し方にも、場面に応じたいくつもの段階があることが分かります。
『モダンファミリー』の何気ないやり取りを観ていると、受け答えの英語の幅広さが見えてきます。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の英語表現を別の角度から取り上げています。


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