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『モダンファミリー』シーズン2第3話のフィルは、クレアに頼まれていた棚の固定を済ませたと伝えていました。ところが地震が起き、その話と実際の様子が合わなくなっていきます。子どもたちを相手に、フィルはもっともらしい説明をあれこれと重ねます。
今回はこの場面から、見られた事実を別の話にすり替えて言いくるめる言い方と、最後に出てくる口止めの一言を見ていきます。
見られた事実を「念のため」「錯覚」に言い換える言い方
フィルは、何か月もの間クレアに棚を壁に固定するよう言われ続け、やったと伝えていました。浴室のドアが開かなくなったときには、クレアが出られない間に棚を固定できると考えていたことも明かしています。その後、棚のベルトのそばでルークと話す場面です。
Phil: Hey, buddy.
(よう、相棒。)
Phil: Oh, just double-checking these straps.
(ああ、このベルトを念のため確かめてるだけさ。)
Phil: This is an extra.
(これは予備だよ。)
Phil: These babies saved your life.
(こいつらがお前の命を救ったんだぞ。)
Phil: That’s why this cabinet barely moved.
(だからこの棚はほとんど動かなかったんだ。)
Luke: It fell all the way to the couch.
(ソファのところまで倒れてたよ。)
Modern Family Season2 Episode3 (Earthquake)
just double-checking ~ は「念のためもう一度確かめているだけ」という言い方で、作業の最中を見られたときに「新しく始めたわけではない」と印象づける働きをします。just が「たいしたことではない」という軽さを添えます。
these babies は、身近な道具や機械を親しみを込めて呼ぶくだけた呼び方です。barely moved の barely は「かろうじて、ほとんど〜ない」で、被害や変化を小さく見せたいときによく使われます。そこへルークが It fell all the way to the couch と、見たままの事実を返します。
やり取りが続き、フィルはこう言います。
Phil: No, it didn’t.
(いや、倒れてないよ。)
Phil: This cabinet barely moved.
(この棚はほとんど動いてない。)
Phil: That’s just perspective playing tricks on your mind.
(それは遠近感がお前の頭をだましてるだけさ。)
Phil: Like, if I hold up my thumb, it looks bigger than your head.
(ほら、俺が親指を立てると、お前の頭より大きく見えるだろ。)
Luke: No, it doesn’t.
(見えないよ。)
Luke: It looks tiny.
(すごく小さく見える。)
Phil: You have to look at it from over here.
(こっちから見なきゃだめなんだよ。)
Luke: How can I look at my head from over there?
(どうやってそっちから自分の頭を見るの?)
Modern Family Season2 Episode3 (Earthquake)
play tricks on ~ は「〜をだます、〜に錯覚を起こさせる」で、my eyes are playing tricks on me(目の錯覚かな)の形でもよく耳にします。That’s just ~ を前に置くと、「それは〜のせいにすぎない」と相手の見たものを軽く片づける言い方になります。
フィルは親指のたとえで説得を続けますが、ルークの返事はどれも見たままです。言いくるめる側が理屈を足すほど、素直な質問で話が崩れていく流れが見どころと言えます。
You have to look at it from over here は「こっちから見ないと」と、相手に見る位置を変えるよう求める言い方です。ところがルークは How can I look at my head from over there? と、言葉どおりに受け取った質問で返します。How can I ~? は「どうやったら〜できるの?」と、無理な注文に対して素朴に聞き返す形として使えます。
理屈を重ねた説明と、口止めの一言
後の場面で、アレックスに「ママを浴室から出すはずじゃなかったの?」と聞かれたフィルは、棚が原因だったと説明を始めます。
Alex: How?
(どうして?)
Phil: Yeah, it’s very heavy.
(ああ、すごく重いからさ。)
Phil: And because it was properly anchored to the wall, it was sort of a ripple effect.
(で、壁にちゃんと固定されてたもんだから、いわば波及効果が起きたんだ。)
Phil: It was pulling part of the floor down and then pushing part of the floor up, causing the bathroom door Please don’t tell on me.
(床の一部を下に引っ張って、別の一部を押し上げて、それで浴室のドアが……頼むから告げ口しないでくれ。)
Modern Family Season2 Episode3 (Earthquake)
anchor A to B は「AをBに固定する」、ripple effect は「波及効果、次々に広がる影響」を表します。専門的な言葉を並べて因果関係を組み立てると説明はもっともらしく聞こえますが、途中で話が途切れ、最後は Please don’t tell on me という頼みで終わります。
tell on someone は「(人)のことを告げ口する」で、子ども同士や家族の間でよく使われます。Don’t tell Mom のように話す相手を指定する言い方と比べると、tell on me は「私の不利になることを言いつける」という意味合いがはっきりします。
クレアが浴室から出た後、アレックスとルークはこう話します。
Alex: Dad was incredible.
(パパ、すごかったのよ。)
Alex: He was running around here, turning off the gas line cleaning up broken glass and taking care of Luke after he ran into a wall.
(家じゅう走り回って、ガスの元栓を閉めて、割れたガラスを片づけて、壁にぶつかったルークの面倒も見てたの。)
Luke: I got scared because the cabinet didn’t fall down.
(棚が倒れなかったから、怖くなっちゃった。)
Modern Family Season2 Episode3 (Earthquake)
アレックスは running around ~, turning off ~, cleaning up ~ と -ing 形を並べ、父がしていたこととして次々に挙げています。ルークの the cabinet didn’t fall down は、先ほどフィルが繰り返していた「棚はほとんど動いていない」という説明と重なる言い方です。
- A: Did that picture just move?
(今、あの絵が動かなかった?) - B: No, that’s just your eyes playing tricks on you.
(いや、目の錯覚だよ。) - A: I saw you take the last cookie.
(最後のクッキー、取ったの見たよ。) - B: Please don’t tell on me.
(お願いだから言いつけないで。)
まとめ|言いくるめの英語と、その行き着く先
just double-checking や barely moved で事実を小さく見せ、playing tricks on your mind で錯覚のせいにし、最後は Please don’t tell on me で口止めする。言いくるめの英語にも段階ごとの型があることが分かります。
家族の会話を追いながら、身近な英語を拾っていきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の英語がより立体的に見えてきます。


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