海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン10第1話では、フィルとルークが親子のホットドッグ早食い大会に挑みます。その一方でルークは、大学で受ける授業をなかなか決められずにいます。
「また失敗するのが怖い」と打ち明けられたとき、どう受け止めて返すかは英語でも迷いやすいところです。不安を言葉にする側と、それを励ます側の言い回しを、親子の会話から順に見ていきます。
「screw up」と「mess up」で失敗への不安を言葉にする
ルークの悩みの出発点は、大学の授業選びです。物語の早い段階で、ルークは授業を選びながらこう話しています。
Luke: Oh, just choosing some classes for college.
(ああ、大学の授業を選んでるだけ。)
Luke: This one looks interesting.
(これ、面白そう。)
Modern Family Season10 Episode1 (I Love a Parade)
choose classes は「履修する授業を選ぶ」で、take a class(授業を取る)と並んで学生生活の基本の言い方です。looks interesting は「面白そうに見える」と、中身をまだ知らないものへの第一印象を伝える形になります。
その後、大会の会場で出番を待つ場面で、ルークは自分の不安をはっきり口にします。フィルが前向きな言葉をかけたあとの返事がこちらです。
Luke: Dad, I know what your bumper sticker is, and I know what you’re trying to do here.
(父さん、父さんのバンパーステッカーの決まり文句は知ってるし、何をしようとしてるかも分かってるよ。)
Luke: But college is different.
(でも大学は違うんだよ。)
Luke: I mean, you screw up at community college, you’re out of options.
(だってさ、コミュニティカレッジでしくじったら、もう後がないんだ。)
Phil: You’re not gonna screw it up.
(お前はしくじったりしないよ。)
Luke: I’ve messed up a lot of things in my life.
(僕、これまでいろんなことをやらかしてきたし。)
Luke: I’m scared I’ll do it again.
(またやっちゃいそうで怖いんだ。)
Modern Family Season10 Episode1 (I Love a Parade)
bumper sticker は車のバンパーに貼る短い標語のステッカーのことで、ここではフィルが口にしがちな前向きな決まり文句を指していると読み取れます。screw up と mess up はどちらも「しくじる、台無しにする」というくだけた言い方で、screw up のほうがやや強く響くと言われることが多い語です。目上の人や改まった場では make a mistake を使うのが無難です。
you’re out of options は「選択肢がもうない」、つまり「後がない」という意味で、ルークの焦りの中心にある言葉です。そして I’m scared I’ll ~ again は、過去の失敗を根拠に「また〜しそうで怖い」と打ち明ける形として、そのまま使えます。
「Good.」と「Being scared means you care.」で不安を言い換える
不安を打ち明けたルークに、フィルは意外な一言から返します。
Phil: Good.
(それでいい。)
Luke: What?
(え?)
Phil: Being scared means you care.
(怖いってことは、本気で大事に思ってるってことだよ。)
Phil: Maybe Maybe that’s what’s been missing in the past.
(たぶん……たぶん、これまではそれが足りなかったんだ。)
Luke: It’s the biggest thing I’ve ever tried to do.
(今までで一番大きな挑戦なんだ。)
Modern Family Season10 Episode1 (I Love a Parade)
Good. は普通なら喜ばしい知らせへの相づちですが、ここでは「怖い」という告白をあえて肯定する返しになっています。ルークの What? は、慰めの言葉を予想していた側の戸惑いとして読み取れます。
続く Being scared means you care. は、A means B(AということはBということだ)の形で、怖さを「大事に思っている証拠」に言い換えています。動名詞の Being scared を主語にすることで、怖がっている状態そのものを話題にしているのが特徴です。scared と care が韻を踏むように並ぶため、短く覚えやすい励ましになっています。
that’s what’s been missing は「それがこれまで欠けていたものだ」で、現在完了進行形が「ずっと足りなかった」という時間の幅を表します。ルークの the biggest thing I’ve ever tried to do は、最上級と現在完了の組み合わせで「今までで一番大きな挑戦」と言う定番の形です。不安を言い換えてもらった直後に、挑戦の大きさを自分の言葉で認めている流れが分かります。
「You’re not gonna ~」と「I thought you might feel this way.」で寄り添う
フィルの励まし方は一つではありません。先ほどの会話の中で、フィルはまず You’re not gonna screw it up. と打ち消しで安心させようとしています。You’re not gonna ~ は「〜なんてしないよ」と相手の心配を否定する言い方で、くだけた会話では gonna、丁寧に言うなら going to を使います。
ただ、打ち消すだけではルークの不安は消えず、続けて過去の失敗を口にします。そこでフィルは、否定ではなく肯定から入る Good. に切り替えます。「大丈夫」と言い切る励ましと、「怖いのは悪いことではない」と受け止める励ましを、同じ場面で見比べられるのがこのやりとりです。
大会のあと、親子のやりとりはこう続きます。
Luke: Dad, I don’t think I can ever eat another hot dog again.
(父さん、もう二度とホットドッグは食べられないと思う。)
Phil: Yeah, I thought you might feel this way.
(ああ、そう言うと思ってたよ。)
Modern Family Season10 Episode1 (I Love a Parade)
I don’t think I can ever ~ again は「もう二度と〜できそうにない」と、限界を伝えるときの言い方です。フィルの I thought you might feel this way. は「そう感じるんじゃないかと思っていた」で、相手の気持ちを先に想像していたことを伝えます。might を使うことで決めつけにならず、「そうかもしれないと思っていた」という柔らかさが出ます。
ルークは別の場面で、家族に feel pressure(プレッシャーを感じる)という言い方で授業選びの悩みも打ち明けています。不安を言葉にしてもらったら、まず受け止めてから寄り添うという順序が、親子の会話全体から見えてきます。
まとめ|怖さを受け止めて返す英語
screw up や I’m scared I’ll ~ again で不安を打ち明け、Good. と Being scared means you care. で怖さを言い換える流れを見てきました。打ち消す励ましと受け止める励ましの違いも、同じ場面で確かめられます。
次回も『モダンファミリー』と一緒に英語を学んでいきましょう。
同じ回のほかのコラムでは、「ピンときた」ときの英語や、独立記念日のパレードの文化も取り上げています。


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