海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン8第17話では、ミッチェルのちょっとした失敗をきっかけに、家族それぞれの隠しごとがひとつ、またひとつと明るみに出ていきます。白状する人、責める人、開き直る人と、立場によって口にする英語もさまざまです。
隠していたことを切り出す一言から、うそを指摘する言葉、そして打ち明けたあとの「すっきりした」まで。秘密をめぐる英語を、場面の順に追っていきます。
「I accidentally ~」で切り出す白状
最初の白状は、ミッチェルのものです。キャメロンが昔飼っていた豚の遺灰を、ミッチェルが倒してしまいます。そのミッチェルに、キャメロンが声をかける場面です。
Cameron: Is everything okay? You’re looking a little ashen.
(大丈夫? ちょっと顔が灰色っぽいよ。)Mitchell: I’m fine.
(平気だよ。)Mitchell: I-I I accidentally spilled pig Lily’s ashes, and I I thought that I would
(ぼ、僕…豚のリリーの遺灰をうっかりこぼしちゃって、それで、その、僕は…)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
ashen は「灰色の」「青ざめた」で、顔色の悪さを言う語です。遺灰(ashes)と同じつづりを含むため、キャメロンの一言は言葉遊びのようにも聞こえます。ミッチェルの I accidentally ~ は「うっかり〜してしまった」と、わざとではなかったことを先に示す白状の形です。同じ意味は by accident でも表せ、I spilled it by accident. のように文末に置く形もあります。言いかけたところで、キャメロンは何をしようとしていたかを言い当ててしまいます。
同じ形は、終盤のキャメロンの口からも出てきます。リリーの絵が本物ではないと分かった場面です。
Haley: It’s Cam’s fault.
(キャムのせいよ。)Haley: He made me copy it from a photo.
(写真を見ながら写せって言われたの。)Cameron: You know what? I accidentally destroyed the original, and I couldn’t live without it.
(実はね、うっかり元の絵をだめにしちゃって、あれがないなんて耐えられなかったんだ。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
ヘイリーの It’s ~’s fault. は「〜のせい」と責任の所在をはっきり言う形で、make someone do は「〜させる」です。キャメロンは accidentally で事情を明かし、I couldn’t live without it で理由を添えています。白状に言い訳をひとつ足す組み立てが、二人の場面に共通しているのが分かります。
「You lied to me」と「Everybody’s lying」
隠しごとはミッチェルとキャメロンだけではありません。話の前半、チケットの予約をめぐってグロリアが「返して」と言うと、ジェイはこう答えています。
Gloria: Okay, give it back to me.
(さあ、返して。)Jay: No need.
(その必要はない。)Jay: I got ‘em.
(取れたぞ。)Gloria: Oh, really? And you paid?
(あら、本当? お金も払ったの?)Jay: Yeah, you got your browser filling out your credit card info.
(ああ、お前のブラウザがカード情報を自動で入れてくれるからな。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
I got ‘em. の ‘em は them の短縮で、「(チケットを)手に入れた」という意味です。ところが、家族が集まった場でジェイがコンサートのチケットを取れていなかったことが分かると、やり取りはこう進みます。
Gloria: You lied to me.
(うそをついたのね。)Jay: Well, look around! Everybody’s lying.
(おい、周りを見てみろ! みんなうそをついてるじゃないか。)Jay: Forging paintings, driving blind, swapping ashes.
(絵の偽造に、前も見ずに運転、遺灰のすり替えだ。)Mitchell: I didn’t want to ruin the Pig Moon.
(ピッグムーンを台無しにしたくなかったんだ。)Cameron: There is no Pig Moon.
(ピッグムーンなんてないよ。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
You lied to me. は相手のうそを正面から指摘する短い一言です。ジェイの Everybody’s lying. は自分だけではないと話を広げる開き直りで、具体例を名詞の形で並べて畳みかけています。責める側は短い一文、言い返す側は例を並べた長い返事という対比も、このやり取りの見どころです。なお lie(うそをつく)は、過去形が lied、進行形が lying とつづりが変わる動詞です。最後にキャメロンが、ピッグムーンという行事そのものが作り話だったと明かし、隠しごとの連鎖がもう一段広がるという場面です。
「free of that secret」と打ち明けたあとの身軽さ
騒ぎのあと、キャメロンとミッチェルに助言したのはルークでした。
Luke: Just talk more.
(もっと話せばいいんだよ。)Luke: 90% of your problems would be solved if you just discussed things.
(ちゃんと話し合えば、問題の9割は解決するって。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
discuss things は「物事を話し合う」で、things と漠然と言うことで、個別の問題に限らず全体を指しています。その後、二人だけになった場面で、ミッチェルはこう言います。
Cameron: So, this is a real Vanderkoff.
(じゃあ、これが本物のヴァンダーコフなんだね。)Mitchell: Yeah, yeah.
(うん、うん。)Mitchell: It feels good to finally be free of that secret.
(やっとあの秘密から解放されて、気分がいいよ。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
be free of ~ は「〜から解放されている」「〜がない状態だ」で、重荷がなくなった感覚を表します。It feels good to ~ と組み合わせると「〜できて気分がいい」、finally が加わると、ずっと抱えていたものをようやく下ろせたという気持ちになります。
secret は keep a secret(秘密を守る)や let someone in on a secret(人に秘密を打ち明ける)といった組み合わせでもよく使われます。キャメロンも、隠しごとがなくなったことを喜ぶ一言を返します。ここから二人の打ち明け合いが始まります。
Mitchell: That expensive painting you bought me over there, I moved it to cover up a hole I made in the wall.
(君が買ってくれたあそこの高い絵、僕が壁に開けた穴を隠すために動かしたんだ。)Cameron: I only paid 25 cents for that painting at a garage sale, and I used the rest of the money on shoes.
(あの絵、ガレージセールで25セントしか払ってないんだ。残りのお金は靴に使っちゃった。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
cover up は「覆い隠す」で、物理的に隠す意味にも、失敗や事実を隠す意味にも使われます。ひとつ打ち明けると相手もひとつ打ち明ける流れに、ルークの助言がそのまま形になっているのが面白いところです。
まとめ|白状と、打ち明けたあとの一言
白状を切り出す I accidentally ~、うそを指摘する You lied to me.、開き直りの Everybody’s lying.、そして It feels good to finally be free of that secret.。明るみに出る前と後で、英語が変わっていく様子が見えてきます。
次回も『モダンファミリー』の家族の会話から、英語の言い回しを拾っていきましょう。
大学の合否をめぐるダンフィー家の英語は同じ回のほかのコラムで、個々の表現はフレーズ記事でも扱っています。


コメント