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『モダンファミリー』シーズン8第17話では、出願した大学から不合格の知らせが続くルークのために、フィルとクレアが大学へ直接掛け合いに行きます。ところが、応対した学部長から持ちかけられたのは、思いがけない条件でした。
子どものために動こうとする親の言い方、条件を前に迷う一言、そして結果を疑う本人の問いかけ。親と子、それぞれの立場から出てくる英語を、場面の順に見ていきます。
「tell them they made a mistake」と掛け合う親
フィルの母校からのメールも不合格だと分かったあと、フィルは大学へ向かうと言い出します。クレアとのやり取りです。
Claire: What are you doing?
(何してるの?)Phil: I’m driving up there to tell them they made a mistake.
(車で行って、向こうが間違ってるって言ってくる。)Phil: They’d be lucky to have a kid like Luke.
(ルークみたいな子が来てくれたら、向こうは幸運なんだ。)Claire: Well, I guess it it can’t hurt.
(まあ、損はないわよね。)Claire: I mean, it’s not like they can super reject him.
(だって、もっと強烈に落とすなんてできないんだし。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
tell them they made a mistake は「判断が間違っていると伝える」で、決定に異議を申し立てるときのまっすぐな言い方です。They’d be lucky to have ~ は「〜がいてくれたら相手は幸運だ」で、子どもや仲間を推すときに使われます。would を使った仮定の形なので、「もし受け入れたら」という含みが加わります。
クレアの It can’t hurt. は「やって損はない」と、結果に期待しすぎずに賛成する一言です。続く super reject は reject(不合格にする)に super を付けた冗談めいた造語で、これ以上悪くはならないという開き直りが込められています。
大学に着いて入学担当の学部長の名を聞くと、フィルは相手を知っていると分かります。
Phil: No.
(まさか。)Phil: Rudy Hinden we were classmates.
(ルディ・ヒンデン…同級生だったんだ。)Phil: Super annoying always “On.
(すっごくうっとうしいやつでさ、いつもテンション高くて。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
ヒンデン学部長は、フィルの大学時代の同級生でした。classmate は「同級生」「同じクラスの仲間」を指す語です。
「It’s not customary」と「Let me bounce on it」
ルークの件で訪ねてきたフィルに、ヒンデン学部長は、フィルが昔やっていた手品のやり方を教えてほしいと切り出します。
Dean Hinden: No, no, no, really I’ve been trying to figure it out for years.
(いやいや、本当に。何年も考えてるんだけど分からなくてね。)Phil: Um, I’m sorry.
(あの、悪いけど。)Phil: It’s It’s not customary for a magician to reveal his secrets.
(マジシャンは種明かしをしないのが習わしなんだ。)Dean Hinden: It’s also not “customary” for a dean of admissions to alter an applicant’s status, so I’ll go get the straitjacket from the nurse.
(入学担当の学部長が出願者の合否を変えるのも「習わし」じゃないよ。じゃあ保健室から拘束衣を取ってくる。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
It’s not customary for A to B は「AがBするのは慣例ではない」で、決まりや習わしを理由に断る言い方です。学部長は同じ形をそのまま返し、合否を変えることと引き換えにする条件を示しています。相手の言葉を借りて言い返す組み立てが、このやり取りの面白いところです。学部長が拘束衣を取りに行くと言ったあと、クレアがフィルに確かめます。
Claire: You’re gonna do it, right?
(やるのよね?)Phil: I don’t know.
(どうかな。)Phil: Let me bounce on it.
(ちょっと弾ませて考えさせて。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
Let me bounce on it. は決まった表現ではなく、sleep on it(一晩寝かせて考える)のような言い方をもじったフィルの言い回しです。即答を避けたいときの英語としては Let me think about it. や Let me sleep on it. が使えます。
迷うフィルに、クレアは「この決断で悩むなんてありえない」と迫ります。それでも実際にその場面が来ると、クレアの言葉はこう変わります。
Claire: Phil.
(フィル。)Claire: Honey, you don’t have to do this.
(あなた、こんなことしなくていいのよ。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
You don’t have to do this. は「無理にしなくていい」と相手を引き止める一言です。背中を押していた側が最後に止めに回るところに、クレアの迷いも表れていると読み取れます。
「Did you talk to them?」と合格の裏を疑う
家族が集まった場で、最後の1校から合格の知らせが届きます。喜ぶ周囲をよそに、ルークはこう言います。
Luke: Wait, this doesn’t make any sense.
(待って、こんなのおかしいよ。)Luke: I got rejected by worse schools than this.
(もっと下の学校にも落ちてるんだよ。)Luke: Why would they want me?
(なんで僕なんかを取るの?)Claire: Why wouldn’t they want you? Honey, it’s not all about grades.
(取らない理由がある? あのね、成績がすべてじゃないのよ。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
This doesn’t make any sense. は「つじつまが合わない」と違和感を口にする定番の形です。Why would they ~? の would は「どうしてわざわざ〜するのか」と理由を疑う気持ちを表し、クレアは Why wouldn’t they ~? と否定の形で打ち消しています。続いてルークは、フィルに直接たずねます。
Luke: Did you talk to them?
(向こうと話したの?)Phil: I’m sorry, what?
(え、何だって?)Luke: Show me your tongue.
(舌を見せて。)Phil: I don’t know what that would prove.
(それで何が分かるんだか。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
Did you talk to them? は、裏で誰かが動いたのではと感じたときの短く率直な問いです。フィルの I’m sorry, what? は聞き返しで、答えをはぐらかしているようにも聞こえます。このあとルークはフィルの舌が青いことから、両親が大学へ行ったと見抜きます。そして、こう言い出します。
Luke: I’m not going.
(行かない。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
最後のチャンスだと言われても、答えは変わりません。
Luke: Then I’ll wait until next year.
(じゃあ来年まで待つよ。)Luke: If I go, I want to deserve it.
(行くなら、それにふさわしい自分でいたいんだ。)Modern Family Season8 Episode17 (Pig Moon Rising)
deserve は「〜に値する」で、I want to deserve it. は「自分の力で得たと言えるものにしたい」という気持ちを表します。ルークは自分の力で認められたいと言葉にします。
まとめ|掛け合う親、問いかける子
掛け合う親の tell them they made a mistake、迷うときの Let me bounce on it.、そして合格の裏を疑う Did you talk to them? と I want to deserve it.。同じ合否をめぐる、親と子の英語の違いが分かります。
『モダンファミリー』を観ながら、家族それぞれの言い分に耳を傾けてみるのも一つの楽しみ方です。
家族の隠しごとが次々に明るみに出る場面や、合否通知の受け取り方をめぐる英語は、同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。


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