「Just don’t beat yourself up.」に見る、自分を責める言葉と、責任を押しつけ合う本音の英語表現|『モダンファミリー』S04E13で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「Just don't beat yourself up.」に見る、自分を責める言葉と、責任を押しつけ合う本音の英語表現|『モダンファミリー』S04E13で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン4第13話では、リリーの皮肉っぽい口ぶりは誰のせいなのかをめぐって、ミッチェルとキャメロンが言い合いを始めます。「自分のせいだ」と言う側と、なだめる側の会話が、少しずつ本音の押しつけ合いに変わっていく流れがこのコラムのテーマです。

自分を責める言い方、それをなだめる言い方、責任を相手に回す言い方を、会話の順に追っていきます。

目次

「my doing」「my fault」で自分のせいだと認める

知人のパーティーに呼ばれなくなった2人が、その理由を確かめ合う場面です。ミッチェルがこう言います。

Mitchell: That is why we are making the sacrifice— for our daughter.
(だからこそ、僕たちは我慢してるんだ。娘のためにね。)

Cameron: Oh, yeah, you’re right.
(ああ、そうだね、君の言うとおりだ。)

Cameron: I mean, I’m the last one who should be complaining when, let’s face it, Lily’s snarkiness is my doing.
(だって、僕に文句を言う資格なんてないよ。正直に言って、リリーが皮肉屋になったのは僕のせいなんだから。)

Mitchell: Well, what’s done is done.
(まあ、済んだことは済んだことだよ。)

Modern Family Season4 Episode13 (Fulgencio)

make a sacrifice は「犠牲を払う」で、ここではパーティーを我慢することを指します。キャメロンの I’m the last one who should ~ は「〜すべきでない人の筆頭は自分だ」、つまり「自分には〜する資格がない」という言い方です。let’s face it は「正直に認めよう」と前置きする決まり文句で、続く ~ is my doing は「〜は自分のしたことだ」「自分のせいだ」を表します。

ミッチェルの what’s done is done は「済んだことは仕方ない」と、過ぎたことを蒸し返さずに区切りをつける言い回しです。ここでは、自分を責めるキャメロンに対して、話をそれ以上広げないための一言として働いていると読み取れます。

ただ、キャメロンはここで引き下がらず、もう一度自分の非を口にします。

「Just don’t beat yourself up」でなだめる

Cameron: Yeah, I mean, it’s just hard to not feel guilty, you know, when it’s mostly my fault.
(うん、でもね、ほとんど僕のせいだと思うと、罪悪感を持たずにいるのは難しいんだよ。)

Mitchell: I get it.
(分かるよ。)

Mitchell: Just don’t beat yourself up.
(とにかく、自分を責めすぎないで。)

Modern Family Season4 Episode13 (Fulgencio)

ミッチェルはそのまま、服の話に切り替えます。

Mitchell: Hey.
(ねえ。)

Mitchell: Pocket square? No pocket square?
(ポケットチーフ、する? しない?)

Cameron: Really? You’re taking zero of the responsibility, or
(本気? 責任をひとつも取らないつもり? それとも――)

Mitchell: Oh.
(ああ。)

Modern Family Season4 Episode13 (Fulgencio)

feel guilty は「罪悪感を覚える」で、hard to not feel guilty は「罪悪感を持たずにいるのは難しい」と、気持ちを抑えられないことを伝えます。mostly my fault の mostly は「ほとんど」で、全部ではないと含みを残す語です。

beat yourself up は「自分を殴りつける」から転じて「自分を責めすぎる」という意味の言い回しで、Don’t beat yourself up. は落ち込む相手をなだめるときによく使われます。前に置いた I get it.(分かるよ)と合わせて、気持ちを受け止めてから励ます順になっているのが分かります。

ところが、話題が服に移ったところで、キャメロンは You’re taking zero of the responsibility と言いかけます。take responsibility は「責任を取る」で、zero of the responsibility と言うことで「一切引き受けない」ことが強調されます。キャメロンが mostly と言った意味がここで見えてくるのが、この場面の面白いところです。

「take the blame」と「play the martyr」で責任を押しつけ合う

キャメロンの言いかけで、ミッチェルは相手のねらいに気づきます。

Mitchell: We’re you trying to get me to take the blame?
(僕に責任をかぶせようとしてたの?)

Cameron: Maybe just a little.
(ちょっとだけね。)

Cameron: Uh-huh.
(うん。)

Mitchell: Oh, and deny you the chance to play the martyr? Look, Cam, if you’re looking for me to be the bad guy, you’re snarking up the wrong tree, okay? You are the one who can’t let a single situation pass without making a comment.
(へえ、それで君から悲劇の主人公を演じるチャンスを奪えって? いいかい、キャム、僕を悪者にしようとしてるなら、皮肉を向ける相手を間違えてるよ。何があっても一言言わずにいられないのは君のほうだろ。)

Modern Family Season4 Episode13 (Fulgencio)

take the blame は「責任をかぶる」「非を引き受ける」です。get someone to ~ は「人に〜させる」なので、「僕に責任をかぶせようとしていたのか」という問いになります。キャメロンの Maybe just a little. は「ちょっとだけね」と、図星を軽く認める短い返しです。

ミッチェルの play the martyr は「殉教者を演じる」から「悲劇の主人公ぶる」「被害者ぶる」という意味になり、be the bad guy は「悪者になる」です。snarking up the wrong tree は、見当違いの相手を責めることを表す bark up the wrong tree の bark を、皮肉を言う意味の snark に置き換えたしゃれです。最後の一文で、一言多いのはキャメロンのほうだと切り返しており、責任の押しつけ合いがお互いの口ぶりの指摘にまで広がっています。

後に、リリーの口ぐせの出どころが別にあったと分かると、キャメロンはこう言います。

Cameron: We’re not bad parents.
(僕たちはダメな親じゃない。)

Cameron: Claire is.
(ダメなのはクレアだ。)

Modern Family Season4 Episode13 (Fulgencio)

さっきまで自分のせいだと言っていたキャメロンが、冗談めかして責任をクレアに回す一言で、2人の言い合いが一区切りつく形です。

まとめ|自分を責める言葉と、なだめる言葉

my doing や mostly my fault で自分の非を認め、what’s done is done や Just don’t beat yourself up でなだめる。take the blame や play the martyr は、責任の取り分をめぐる本音がのぞく言葉と言えます。

自分を責めているようで、少しだけ相手にも分けたい。そんな2人の会話から、責任をめぐる英語の幅が見えてきます。

同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、リリーの口ぶりそのものや、父と子どもたちの会話を取り上げています。

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