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『モダンファミリー』シーズン2第7話では、風邪で寝込んだクレアとヘイリーが、ベッドに並んでソープオペラを見ます。クレアは登場人物ソーニャの身の上を語り始めますが、その話がどこまで番組の話なのかを、やがてヘイリーが問いただすことになります。
たとえ話に乗せて同意を求める言い方と、遠回しな話を打ち切って本題を確かめる言い方を、母娘のやり取りから見ていきます。
「Remember that?」たとえ話の舞台を整える言い方
この日の朝、クレアはフィルにこう話していました。
Claire: Boy, I wish Haley would date some other boys.
(はあ、ヘイリーがほかの男の子ともデートしてくれたらいいのに。)Modern Family Season2 Episode7 (Chirp)
I wish + 過去形 は、現実とは違うことを願う言い方です。その後、クレアの風邪がうつったヘイリーも帰宅し、2人はベッドでテレビを見ることになります。
Claire: You know what this reminds me of?
(これ、何を思い出すか分かる?)Haley: Huh?
(え?)Claire: When you were little and we used to snuggle and watch soap operas together.
(あなたが小さい頃、くっついて一緒にソープオペラを見てたでしょ。)Claire: Remember that? Nothing’s changed.
(覚えてる? 何も変わってないわね。)Modern Family Season2 Episode7 (Chirp)
You know what this reminds me of? は「これで何を思い出すと思う?」と相手の注意を引いてから話題を出す言い方です。used to は「以前はよく〜していた」という過去の習慣を表し、Remember that? と続けることで、昔の思い出を共有する空気をつくっています。soap opera は主に昼間に放送される連続メロドラマのことで、もともと石けん会社がスポンサーについた番組が多かったことからこう呼ばれると言われています。
「Can you imagine making a mistake like that?」同意を求める言い方
クレアは番組の登場人物ソーニャについて、ヘイリーに語り始めます。
Claire: You know something else you might find interesting Sonya is drinking because she married a buffoon when she was young and now she realizes she’s wasted her entire life.
(もう一つ面白いこと教えてあげる。ソーニャがお酒を飲んでるのはね、若いうちにおばかな男と一緒になって、人生を丸ごと無駄にしたって気づいたからなの。)Claire: Can you imagine making a mistake like that?
(そんな間違い、想像できる?)Haley: Yeah, that must be horrible.
(うん、それは最悪だね。)Claire: Yeah, now she’s just a bitter ghost of a woman filled with resentment.
(そうよ、今じゃ恨みでいっぱいの、ひねくれた抜け殻みたいな女よ。)Claire: But that’s what happens when you commit to someone before you see what else is out there.
(でも、ほかにどんな人がいるのか見ないうちに相手を決めちゃうと、そうなるのよ。)Modern Family Season2 Episode7 (Chirp)
Can you imagine ~ing? は「〜するなんて想像できる?」と聞く形ですが、答えを求める質問というより「ありえないでしょ」と同意を促す問いかけです。see what else is out there は「ほかにどんな選択肢があるか見てみる」という言い方で、恋愛の話題ではほかの相手との出会いを指すことが多い表現です。
ヘイリーはこの話を、クレア自身とフィルのことだと受け取ります。そこで、ソーニャとその相手の側に立った返事をします。
Haley: Yeah, well, maybe Sonya and her husband just need to work a little harder.
(でもさ、ソーニャと旦那さんがもうちょっと頑張ればいいだけかもよ。)Claire: Can he give her those years back? She could have been something.
(彼にその年月を返せるの? 彼女、ひとかどの人間になれたかもしれないのに。)Claire: She could have traveled the world, been with fascinating men.
(世界を旅したり、素敵な男性と付き合ったりできたかもしれないのよ。)Claire: She could have accomplished things.
(いろんなことを成し遂げられたかもしれない。)Claire: That’s all she thinks about now every time she looks at him.
(彼の顔を見るたびに、今はそればかり考えてるのよ。)Modern Family Season2 Episode7 (Chirp)
could have + 過去分詞 は「(実際はしなかったが)〜できたかもしれない」という、実現しなかった可能性を表す形です。3回重ねることで、失われた選択肢を並べ立てる語り口になっています。後悔を語るときの I could have ~ や、相手を責めるときの You could have told me.(言ってくれればよかったのに)など、日常会話でもよく使われる形です。Can he give her those years back? も、「返せるわけがない」という反語の問いかけです。
「Let’s cut the crap.」本題を確かめる言い方
後の場面で、ヘイリーはソーニャが間違ったとは限らないと言い、若いうちに運命の相手と出会うこともあると返します。クレアは That never happens.(そんなこと絶対ない)と否定します。そこでヘイリーが切り込みます。
Haley: Okay, let’s cut the crap.
(ねえ、回りくどいのはやめよう。)Haley: We’re not talking about some character on a soap opera here, are we?
(これ、ドラマの登場人物の話なんかじゃないよね?)Claire: No.
(ええ。)Claire: No, we’re not.
(ええ、違うわ。)Claire: Honey, I’m sorry.
(ごめんね。)Claire: I don’t want to hurt your feelings but I’ve been feeling this way for a really long time, and Can we be honest with each other? He’s kind of a doofus.
(傷つけたくはないんだけど、ずっと前からこう思ってたの。お互い正直に話さない? 彼って、ちょっとまぬけよね。)Modern Family Season2 Episode7 (Chirp)
cut the crap は「くだらない話はやめる」という意味のくだけた、やや乱暴な言い方で、親しい間柄で使われます。We’re not talking about ~ here, are we? は否定文に付加疑問を付けて「〜の話じゃないよね?」と確かめる形で、相手に本当の話題を認めさせる働きをしています。Can we be honest with each other? は、言いにくい本音を切り出す前置きとして使えます。
前半の buffoon と、ここでの doofus はどちらも「まぬけ、おばかさん」を指すくだけた語で、人をからかうときに使われます。本人の前で使うと角が立つため、使う場面は選びたい言葉です。
- A: We’re not talking about the weather here, are we?
(これ、天気の話じゃないよね?)
クレアの言う He が誰なのかは、台詞の中で名指しされません。ヘイリーの I thought you liked that about him.(ママはそういうところが好きなんだと思ってた)という返事と、後の場面の Dad may be a doofus という台詞から、ヘイリーは父親のことだと受け取っていることが分かります。朝のクレアの一言と並べると、2人が同じ He をめぐってすれ違ったまま話している可能性が見えてくるのが、この場面の面白いところです。
まとめ|遠回しに言う側と、本題を問う側
Can you imagine ~? や could have でたとえ話に本音を乗せる言い方と、cut the crap や We’re not talking about ~ here, are we? で本題を確かめる言い方を見てきました。回りくどい話ほど、受け取る側の解釈がずれやすいことも伝わってきます。
母娘のすれ違いの行方は、『モダンファミリー』本編でたどってみると一層楽しめます。
同じ第7話のほかの場面の英語は、フレーズ記事やほかのコラムで扱っています。


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