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『モダンファミリー』シーズン2第9話では、ヘイリーがディランに別れを告げ、別れた2人のそれぞれにフィルが言葉をかける場面が描かれます。落ち込む相手を前にしたフィルの台詞には、相手のつらさをまず認めてから前を向かせる、励ましの英語の型がよく表れています。
今回はディランへの言葉とヘイリーへの言葉を順に取り上げ、励ますときに使える言い方を見ていきます。
「I know this is tough, but ~」で始める励まし
ヘイリーは、メッセージを送ってディランと別れたことをフィルとクレアに伝えます。その後、荷物を取りに来たディランとフィルが言葉を交わす場面があります。ディランは別れをまだ受け止めきれない様子をこう語ります。
Dylan: You know, I keep on hoping that this is just a dream that Haley and I didn’t really break up.
(なんかさ、ヘイリーと別れたのは夢で、本当は別れてないんじゃないかって、ずっと思っちゃうんだ。)Dylan: But it’s not a dream.
(でも夢じゃないんだよね。)Dylan: Unless the whole thing was a dream and we never even dated in the first place.
(全部が夢で、そもそも付き合ってもいなかったってことなら別だけど。)Phil: Weird.
(不思議だな。)Modern Family Season2 Episode9 (Mother Tucker)
keep on hoping は「〜だといいと思い続ける」という意味で、keep on + ing が「何度も〜してしまう」という繰り返しを表します。in the first place は「そもそも」と話の出発点にさかのぼる表現です。
フィル自身が作っている曲の話を少し挟んだあと、フィルはディランにこう声をかけます。
Phil: Hey.
(なあ。)Phil: I know this is tough, but you’re gonna be fine.
(つらいのは分かる。でも、君なら大丈夫だ。)Phil: You know, I was a lot like you in high school.
(俺も高校のころは君にそっくりだったんだ。)Phil: Except my hair was shorter and my guitar was a flute.
(髪はもっと短くて、ギターの代わりにフルートだったけどね。)Modern Family Season2 Episode9 (Mother Tucker)
I know this is tough, but ~ は、いきなり「大丈夫」と言うのではなく、まず相手の状況がつらいものだと認めてから励ましにつなげる型です。tough は「困難な、つらい」を表す口語でよく使われる語で、hard に置き換えても意味はほぼ変わりません。続く I was a lot like you は「自分も君とよく似ていた」と、相手に自分を重ねて寄り添う言い方です。最後の一文で笑いを添えるところに、フィルらしさが見えます。
you’re gonna be fine の gonna は going to の口語形で、「この先きっと大丈夫になる」と見通しを示す部分です。友人を励ます場面なら、次のように使えます。
- A: I didn’t get the job.
(その仕事、採用されなかったんだ。) - B: I know this is tough, but you’re gonna find something better.
(つらいのは分かるよ。でも、もっといいところが見つかるって。)
別の場面で、フィルはディランにもう一言かけます。
Phil: The point is, you got your whole life ahead of you.
(要するに、君の人生はまだこれからってことさ。)Phil: Enjoy being single.
(独り身を楽しめよ。)Modern Family Season2 Episode9 (Mother Tucker)
have your whole life ahead of you は「人生はまだこれからだ」と、先の長さを示して前を向かせる定番のフレーズです。会話では have got の have が落ちて you got となることがよくあります。The point is, ~ は「要するに」と話の要点をまとめる前置きで、励ましの言葉を締めくくるときにも使いやすい形です。
「a relationship worth having」に込められた言い換え
終盤では、今度はヘイリーがフィルに気持ちを打ち明けます。
Haley: I miss him.
(彼がいなくて寂しい。)Phil: Yeah.
(そうだよな。)Phil: He was your first real boyfriend.
(初めてのちゃんとした彼氏だったもんな。)Haley: I keep expecting him to show up.
(つい、彼が来るんじゃないかって思っちゃう。)Modern Family Season2 Episode9 (Mother Tucker)
I miss him. は「彼がいなくて寂しい」という意味で、日本語の「恋しい」に近い気持ちを短く表します。keep expecting + 人 + to ~ は「つい〜するのを期待してしまう」という言い方で、ディランの keep on hoping と同じく、同じことを繰り返し考えてしまう気持ちを表しています。別れた2人が、よく似た形で相手のことを話している点が印象的です。
やり取りが続いたあと、2人はこう話します。
Haley: I loved that car.
(あの車、好きだったな。)Phil: I rode in it to the guitar store.
(あれに乗ってギター店に行ったよ。)Phil: I felt like I was flying.
(空を飛んでるみたいだった。)Phil: I know it hurts now, sweetheart, but that’s how you know it was a relationship worth having.
(今はつらいよな。でもそれが、大事にする価値のある関係だったっていう証拠なんだよ。)Modern Family Season2 Episode9 (Mother Tucker)
ここでもフィルは I know ~, but ~ の型を使い、まず it hurts now(今はつらい)と認めています。that’s how you know ~ は「そうやって〜だと分かる」、つまり「それが〜の証拠だ」という意味です。worth + ing は「〜する価値がある」を表し、a relationship worth having で「持つ価値のある関係」になります。
worth は後ろに名詞や動名詞を置いて「〜の価値がある」を表す語で、worth the wait(待つだけの価値がある)や worth a try(試す価値がある)のように、日常会話でもよく使われます。つらさを価値に言い換える励ましは、次のような形でも表せます。
- A: It still hurts when I think about her.
(彼女のことを考えると、まだ胸が痛むんだ。) - B: That just shows how much she meant to you.
(それだけ君にとって大事な人だったってことだよ。)
ディランとヘイリーにかけた言葉を並べると、フィルが同じ型を相手に合わせて使っていることが分かります。
| 表現 | 意味 | 劇中で向けられた相手 |
|---|---|---|
| I know this is tough, but ~ | つらいのは分かるけど〜 | ディラン |
| you got your whole life ahead of you | 人生はまだこれから | ディラン |
| I know it hurts now, but ~ | 今はつらいだろうけど〜 | ヘイリー |
痛みがあること自体を、その関係に価値があった証拠として言い換えるのが、この励ましの要と言えます。
まとめ|つらさを認めてから励ます言い方
I know this is tough, but ~ や I know it hurts now, but ~ のように、相手のつらさを先に認めてから励ます型と、a relationship worth having の言い換えを見てきました。相手の気持ちを受け止めてから言葉を足す順番が、励ましを届きやすくすることが分かります。
次回も『モダンファミリー』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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