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『モダンファミリー』シーズン9第8話では、ジェイが陪審員として裁判所に呼ばれた体験を語ります。なんとか務めを逃れようとするジェイの言い分や、裁判官・廷吏とのやりとりには、アメリカの陪審制度ならではの言葉が並びます。
陪審員に選ばれた市民が何を申し出られるのか、法廷では誰がどんな役割を担うのか。劇中の場面を手がかりに、陪審をめぐる文化と英語を見ていきます。
「jury duty」と免除を願い出る「hardship」
ジェイは、去年の夏に陪審員として呼ばれた体験を振り返り、それを getting out of jury duty(陪審の務めから逃れること)という「いかにもアメリカ的な伝統」に参加した、と皮肉まじりに語ります。jury duty は「陪審の務め」で、市民の義務として裁判所から呼び出されるものです。
法廷で、ジェイは務めを免れようと理由を並べます。裁判官とのやりとりは次のとおりです。
Judge: Nice try, Juror 3.
(残念だったな、陪審員3番。)Jay: What about economic hardship? The last time I missed work, the California closet market collapsed.
(じゃあ、経済的な困難ってのはどうだ? 前に俺が仕事を休んだときは、カリフォルニアのクローゼット市場が崩壊したんだぞ。)Modern Family Season9 Episode8 (Brushes with Celebrity)
Nice try. は「うまくやったつもりだろうが、その手には乗らない」と、見え透いた言い分を受け流すひと言です。ジェイが持ち出す economic hardship は「経済的な困難」の意味で、hardship は暮らしや仕事に生じる深刻な負担を指す語です。
アメリカの多くの裁判所では、呼び出された人が、経済的な困窮や健康上の事情などを理由に、務めの免除や延期を申し出る仕組みがあるとされます。こうした申し出は hardship excuse や hardship exemption と呼ばれることがあり、認めるかどうかは裁判所が判断します。基準や手続きは州や裁判所によって異なります。ジェイの言い分は、市場が崩壊するという大げさな理由で、裁判官の受け流し方からも、この手の申し出がすんなり通るものではないことが伝わってきます。
補充陪審員「alternate」と日程の確認
その後、陪審員11番の女性が席を外すことになり、裁判官は廷吏にこう指示します。
Judge: Bailiff, help Juror 11 with anything she needs, and bring in the next alternate.
(廷吏、陪審員11番に必要なことは何でも手を貸してくれ。それから次の補充陪審員を入れるように。)Modern Family Season9 Episode8 (Brushes with Celebrity)
alternate は形容詞では「代わりの」という意味ですが、法廷では名詞で「補充陪審員」を指します。審理が長くなる裁判などでは、正規の陪審員のほかに補充陪審員が選ばれ、欠員が出たときに加わる場合があります。陪審員が名前ではなく Juror 3、Juror 11 と番号で呼ばれているのも、劇中の法廷の特徴です。
続いて、新たに11番の席についたテリー・ブラッドショーに、裁判官が確認します。
Judge: Juror 11, is there anything that might prevent you from serving effectively on this jury?
(陪審員11番、この陪審の務めをきちんと果たすのに差し支える事情はありますか?)Terry Bradshaw: No scheduling conflicts, Your Honor.
(日程の問題はありません、裁判長。)Modern Family Season9 Episode8 (Brushes with Celebrity)
serve on a jury は「陪審員を務める」という決まった組み合わせで、ここでは effectively を添えて「支障なく務められるか」を尋ねる形です。答えの scheduling conflicts は「予定の重なり、日程の都合」の意味で、仕事や旅行の予定と審理の日程がぶつかる場合を指します。免除の理由としてよく話題になる事情の一つと言えます。ジェイの大げさな言い分と並べると、同じ確認の場でも答え方がまったく違うことが分かります。
「Your Honor」「bailiff」「Objection!」法廷の役割
別の場面の法廷で、陪審員のジェイは思わぬ言葉を口にします。
Jay: Objection! I request permission to approach Mr. Bradshaw.
(異議あり! ブラッドショー氏のところへ行く許可を求める。)Judge: No! I mean, denied! Look, that’s not a thing you can ask.
(だめだ! いや、却下! いいか、それは求められることじゃない。)Modern Family Season9 Episode8 (Brushes with Celebrity)
Objection!(異議あり)は、一般的には弁護士や検察官が、相手方の質問や証拠に対して述べるものです。裁判官は認めるときに sustained、退けるときに overruled と言うことが多く、ここでの denied は「(申し立てを)却下する」の意味です。request permission to approach も、弁護士が証人席や裁判官席に近づく許しを求めるときの言い回しとして知られています。陪審員のジェイがそれを持ち出したので、裁判官は「それは頼めることではない」と退けます。
このあと陪審員3番を外す申し出があり、ジェイには廷吏からこう告げられます。
Bailiff: Sir, you have to leave now.
(あなたには退出していただきます。)Modern Family Season9 Episode8 (Brushes with Celebrity)
bailiff(廷吏)は、法廷の秩序を保ち、陪審員の案内や世話も受け持つ係とされます。裁判官を Your Honor(裁判長)と呼ぶ習慣と合わせて、法廷の役割を表す基本の言葉と言えます。役割ごとの決まり文句を、陪審員が場違いに使ってしまう場面でもあります。
まとめ|陪審をめぐる英語と法廷の役割
jury duty、economic hardship、alternate、scheduling conflicts、Objection!、bailiff、Your Honor。ジェイの法廷の場面からは、免除の申し出から審理の場の役割まで、陪審制度を形づくる英語が見えてきます。
制度の運用は州や裁判所ごとに違いますが、こうした言葉を知っておくと、法廷が舞台の海外ドラマも追いやすくなります。
有名人を見かけた話をする英語や、読書会で本を語る英語は、同じ回のほかのコラムで紹介しています。


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