閉店する行きつけの店で過ごす最後の夜、アメリカの外食の文化と英語|『モダンファミリー』S11E14で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 閉店する行きつけの店で過ごす最後の夜、アメリカの外食の文化と英語|『モダンファミリー』S11E14で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン11第14話では、まもなく閉店するレストランに、家族がそれぞれの事情で集まります。誕生日のたびに通った店は、家族にとって思い出の詰まった場所でもありました。

長く通った店がなくなると聞くと、日本でも「最後にもう一度行っておこう」と考える人は多いはずです。閉店間近の店で交わされる会話を手がかりに、アメリカの外食をめぐる習慣と、それを語る英語を見ていきます。

目次

「one last time」:閉店前にもう一度訪れる

店にやって来たクレアは、来た理由をこう説明します。

Claire: Haley and Dylan were having a little bit of a meltdown, and we thought we’d hit Spuds one last time before they close for good.
(ヘイリーとディランがちょっと参っちゃってて、閉店する前に最後にもう一度スパッズに来ようと思って。)
Modern Family Season11 Episode14 (Spuds)

hit はここでは「たたく」ではなく、「(店や場所に)行く、立ち寄る」というくだけた意味で使われています。hit the gym(ジムに行く)や hit the beach(ビーチに行く)と同じ使い方です。one last time は「最後にもう一度」で、これが最後になると分かっている訪問を表します。

close for good の for good は「永久に」という意味で、一時的な休業ではなく店をたたむことを指します。

店について語るときの周辺の語彙もあわせて押さえておくと便利です。行きつけの店は our go-to place や our regular spot、常連客は regulars と表すことがあります。閉店を知らせる文面では closing its doors という言い方もよく見られます。

アメリカでも、長く地元で親しまれてきた店が閉店を知らせると、常連客や近所の人が最後の食事に訪れることがあると言われます。閉店の日まで混み合ったり、思い出を語る客が集まったりする光景は、店と地域の結びつきを映すものとして語られることもあります。もちろん、店の規模や地域によって受け止め方はさまざまです。

誕生日を店で祝った思い出

クレアの説明を受けて、ミッチェルは昔の思い出を口にします。

Mitchell: I know.
(わかるよ。)
Mitchell: It’s sad, isn’t it?
(寂しいよね。)
Mitchell: Remember we used to spend all of our birthdays here
(誕生日はいつもここで過ごしたよね。)
— Yeah!
(そう!)
Mitchell: and Spuddy Holly would always sing to us.
(スパディ・ホリーがいつも歌ってくれて。)
Claire: Yes! Oh.
(そうそう! ああ。)
Modern Family Season11 Episode14 (Spuds)

It’s sad, isn’t it? は、付加疑問 isn’t it? で相手に同意を求めながら気持ちを分かち合う言い方です。Remember we used to ~ は「昔よく〜したよね」と、共通の思い出を呼び起こす形で、used to が過去の習慣を表しています。would always ~ も「いつも〜してくれたものだ」という過去の繰り返しを表し、懐かしさを込めて語るときに使われます。

アメリカのファミリーレストランやチェーン店の中には、誕生日の客のために店のスタッフが集まって歌を歌ったり、デザートを運んだりするサービスを行うところがあると言われます。店ごとにオリジナルの曲を用意している場合もあり、子どもの頃の誕生日の思い出として語られることも少なくありません。ただし、サービスの有無や内容は店によって大きく異なります。

ミッチェルの話からは、この店で誕生日を過ごし、スパディ・ホリーが歌ってくれたことが、家族の思い出として残っていることが分かります。

電話を置く時間と、テーブルで楽しむ「見もの」

店のテーブルでは、ミッチェルが皆にこう呼びかけます。

Mitchell: You know what? Hey, let let’s all turn off our phones.
(そうだ、みんなで携帯の電源を切ろう。)
Mitchell: Come on.
(ほら。)
Modern Family Season11 Episode14 (Spuds)

turn off ~ は「(電源を)切る」という句動詞です。食事の席でスマートフォンをしまおう、画面を伏せて置こうという呼びかけは、家族や友人と過ごす時間を大事にしたいときの習慣として、アメリカでも話題にされることがあります。家庭ごとにルールはさまざまですが、Let’s all ~ で始めると、全員でそろって何かをしようという提案になります。

別の場面では、ジェイがこう頼んでいます。

Jay: Will someone order the table-side baked potatoes? I mean, that’s half of why you come here for the show.
(誰か、テーブルで仕上げるベイクドポテトを頼んでおいてくれ。ここに来る目当ての半分は、あの見ものなんだから。)
Modern Family Season11 Episode14 (Spuds)

table-side は「テーブルのそばで」という意味で、料理を客席の横で仕上げたり、取り分けたりする提供の仕方を指します。アメリカのレストランでは、サラダやデザート、ディップなどを客の目の前で作ってみせる演出が知られており、料理そのものと同じくらい「見せる」楽しみも味わえる提供の仕方として親しまれているようです。

half of why you come here は「ここに来る理由の半分」という言い方です。the show は「見せ物・見もの」で、ジェイにとってはテーブルでの実演が店に来る大きな楽しみであることが伝わってきます。

まとめ|最後の訪問で交わす英語

hit ~ one last time や close for good で閉店前の訪問を、Remember we used to ~ や would always ~ で店の思い出を、table-side や the show で店ならではの楽しみを語る言い方を見てきました。

家族の思い出が詰まった店で交わされる会話を観ながら、アメリカの外食の風景に目を向けてみると、この回の味わいがまた広がります。

同じ回のほかのコラムでは、悪い知らせの伝え方や、売るはずだった物をめぐる夫婦の会話も取り上げています。

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