「I thought I had created this special, unique thing」盗まれたと思ったら、自分がまねた側だったと気づくときの英語|『モダンファミリー』S11E13で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「I thought I had created this special, unique thing」盗まれたと思ったら、自分がまねた側だったと気づくときの英語|『モダンファミリー』S11E13で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン11第13話では、家族そろってパリを訪れます。キャメロンはこの街で、自分が演じてきた道化フィズボにそっくりな道化と出会います。そこから、まねをしたのはどちらなのかをめぐって、キャメロンの考えが揺れ動きます。

まねされたと思った相手が、実は先にいた。思い込みがひっくり返るとき、英語ではどんな言い方をするのでしょうか。キャメロンの気づきと、それを受け止めるミッチェルの言葉を、順を追って見ていきます。

目次

「He’d stolen ~」で盗まれたと言い切る

パリの街で出会った道化は、フィズボと見分けがつかないほどの格好をしていました。その道化について、キャメロンはこう語ります。

Cameron: He’d stolen Fizbo.
(あいつはフィズボを盗んだんだ。)
Cameron: The whimsically mismatched plaids, my trademark bold splash of pink, my blue lip!
(わざとちぐはぐにしたチェック柄、僕のトレードマークの鮮やかなピンク、青い唇!)
Modern Family Season11 Episode13 (Paris)

He’d stolen は He had stolen の短縮形で、過去完了の形です。語りの中で過去の出来事を説明するとき、それよりさらに前に済んでいたことを示すのに使われます。ここでは、出会った時点ですでに盗みが終わっていた、という言い方になっています。

steal は物だけでなく、アイデアや芸風、見た目の特徴を「盗む」場合にも使われます。職場で企画をまねされたと感じたときに He stole my idea. と言えば、相手が自分の考えを無断で使ったと非難する言い方になります。

続く my trademark ~ は「私のトレードマークの〜」という意味です。trademark は本来「商標」を指す語ですが、日常会話では人の服装や口癖、得意技など、その人らしさを示す特徴にも使われます。

キャメロンはチェック柄、ピンク、青い唇と一つずつ挙げ、盗まれたことの根拠として並べています。この時点のキャメロンは、相手がまねをした側だという前提で話していると読み取れます。

「Here, I thought ~, but ~」で思い込みがくつがえったと気づく

ところが、キャメロンの考えはこのあと逆の向きに変わります。

Cameron: Here, I thought I’d come up with the idea, but he was right.
(自分がこのアイデアを考え出したと思ってたのに、あっちが正しかったんだ。)
Modern Family Season11 Episode13 (Paris)

Here, I thought ~ の here は場所を指すのではなく、「こっちは〜だと思っていたのに」という気持ちを添える働きをしています。思い込みが外れたと分かったときに使われる言い回しで、後ろに but を続けて実際はどうだったかを示す形がよく見られます。come up with the idea は「アイデアを思いつく、考え出す」という句動詞の表現です。

キャメロンは相手のほうが正しかったと認めています。このあと、謝りに来たミッチェルに向かって、キャメロンは出来事を打ち明けます。

Cameron: Look, I ran into the real Fizbo today, and he squirted me in the face with water and hit me in the head with a book.
(聞いてよ、今日本物のフィズボに出くわしたんだ。顔に水をかけられて、本で頭をたたかれた。)
Mitchell: What?!
(何だって?!)
Cameron: See, here, I thought I had created this special, unique thing, but I’m the one that’s been a fraud all this time! I’m throwing the suit in the river!
(ほら、自分だけの特別なものを作り出したと思ってたのに、ずっとまがい物だったのは僕のほうだったんだ! この衣装は川に捨てる!)
Modern Family Season11 Episode13 (Paris)

ran into は「偶然出くわす」という意味の句動詞です。ここでも here, I thought ~, but ~ の形が使われ、had created と過去完了にすることで「ずっとそう思い込んでいた」時間の幅が加わっています。

I’m the one that’s been ~ all this time は「これまでずっと〜だったのは自分のほうだ」と、矛先を自分に向け直す言い方です。the one that ~ で「ほかでもない自分が」と主語を際立たせ、all this time で過去から今までの長さを表しています。fraud は「偽物、ぺてん師」を指す強い語です。

「I don’t think you ~」で見方をもう一度ひっくり返す

自分を責めるキャメロンに、ミッチェルは別の見方を示します。

Mitchell: Look, I-I gotta say, um I don’t I don’t think you stole anything.
(なあ、言わせてもらうと、君は何も盗んでないと思う。)
Modern Family Season11 Episode13 (Paris)

I gotta say は I’ve got to say のくだけた形で、「言わせてもらうと」と自分の意見を切り出す前置きです。英語では「〜ではないと思う」を I think you didn’t ~ ではなく I don’t think you ~ と、否定を think の側に置いて言うのが自然とされています。ミッチェルは同じ steal を使い、キャメロンの「自分が盗んだ側だ」という思い込みを打ち消しています。

ミッチェルはそのあとも言葉を重ね、こう締めくくります。

Mitchell: If I’ve learned anything today, it’s that clothes do not make the man or the clown.
(今日何か学んだとしたら、服が人をつくるわけじゃないってことだ。道化もね。)
Mitchell: And you are the real Fizbo.
(本物のフィズボは君だよ。)
Modern Family Season11 Episode13 (Paris)

If I’ve learned anything today, it’s that ~ は「今日何かを学んだとすれば、それは〜ということだ」と、出来事から引き出した教訓を述べる型です。clothes do not make the man は、人は服装で決まるという意味のことわざ Clothes make the man を打ち消した形で、そこに or the clown を足しています。

the real Fizbo は、少し前にキャメロンが相手の道化を指して使った言葉です。ミッチェルはその同じ言葉をキャメロン本人に向けており、本物と偽物の向きがもう一度入れ替わる流れになっています。

まとめ|思い込みの向きが変わる英語

He’d stolen ~ で盗まれたと言い切り、Here, I thought ~, but ~ で思い込みが外れたと気づき、I don’t think you ~ で見方をもう一度ひっくり返す。この流れをたどると、考えの向きが変わる瞬間を英語で言い表す手がかりになります。

パリで揺れるキャメロンと、それを支えるミッチェルのやりとりには、「思っていたのに」を伝える英語が詰まっています。

同じ回のほかのコラムでは、本人に知らせるかどうかを相談する英語や、旅先の空き時間の過ごし方を取り上げています。

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