「You don’t get to be district salesman of the year without thinking inside the box.」に見る、とっさの一言を売り文句に変える営業トークの英語表現|『モダンファミリー』S04E05で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「You don't get to be district salesman of the year without thinking inside the box.」に見る、とっさの一言を売り文句に変える営業トークの英語表現|『モダンファミリー』S04E05で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン4第5話は、ハロウィンの一日を描いた回です。不動産の仕事をするフィルは、ハロウィン当日に家のオープンハウスを開き、訪れた人たちに物件を案内します。

今回は、決まり文句をひっくり返した自己アピールと、案内の途中で飛び出した一言を売り文句につなげる言い方を、場面の順に見ていきます。物を見せながら説明するときの前置きや、相手の反応に委ねる言い回しも、あわせて取り上げます。

目次

「thinking inside the box」で決まり文句をひっくり返す

フィルは自分の営業の腕について、次のように語ります。

Phil: You don’t get to be district salesman of the year without thinking inside the box.
(箱の中で考えなきゃ、地区の年間最優秀セールスマンにはなれないのさ。)

Phil: That’s right.
(そうとも。)

Phil: I said “inside.
(「中」って言ったんだ。)

Phil: You know why? ‘Cause while everyone’s chasing each other around outside the box, you know what the box is? Empty.
(なぜかって? みんなが箱の外で追いかけっこしてる間、箱の中はどうなってると思う? 空っぽなんだよ。)

Modern Family Season4 Episode5 (Open House of Horrors)

英語には think outside the box(枠にとらわれずに考える)という決まり文句があり、発想の柔軟さをほめるときに使われることが多いと言われます。フィルはこれを thinking inside the box とひっくり返し、みんなが外に出ているなら中は空いている、という自分なりの理屈を添えます。

That’s right. I said “inside.” は、うっかりではなく、わざとひねった言い方だと念を押す一言です。You know why? や you know what the box is? と問いかけを重ねて、聞き手の注意を引きつける話し方が見どころです。

You don’t get to be A without B は「B なしに A にはなれない」という構文で、get to be は「〜になれる」を表します。成果の裏にある条件や努力を示すときに使える形で、自分の実績を語る場面にも、相手の苦労をたたえる場面にも応用できます。

  • A: How did you get so good at cooking?
    (どうしてそんなに料理が上手になったの?)
  • B: You don’t get to be a good cook without burning a few pans.
    (鍋をいくつか焦がさずに、料理上手にはなれないよ。)

「I wouldn’t go in there!」から「Unless you love」へ

冒頭の場面でフィルはクレアに「you’re not even scary」と言っていました。オープンハウスの家では、返事のないまま、クレアに向かってこう呼びかけます。

Phil: This isn’t gonna work, Claire ‘Cause I know you’re here.
(無駄だよ、クレア。ここにいるのは分かってるんだから。)

Phil: What’s the plan, anyway? You gonna pop out at me? It’s gonna take more than that to scare this–
(で、作戦は? 俺の前に飛び出してくるつもりか? そんなんじゃ、この……を怖がらせるのは無理——)

Modern Family Season4 Episode5 (Open House of Horrors)

pop out at ~ は「〜の前にいきなり飛び出す」、It’s gonna take more than that to ~ は「〜するにはそれ以上のものが要る」、つまり「その程度では〜できない」と強がる言い方です。そこへ家はまだ見られるかという声がかかり、フィルは案内を始めます。

Phil: As you potential buyers can see, this is a, uh, a beautiful home.
(購入をご検討の皆さんもご覧のとおり、こちらは、その、美しいお宅です。)

— What’s behind here?
(この奥は何?)

Phil: Oh, I wouldn’t go in there! Unless you love formal dining rooms.
(おっと、そこには入らないほうが! フォーマルなダイニングルームがお好きなら別ですけどね。)

Modern Family Season4 Episode5 (Open House of Horrors)

As you can see は物を見せながら説明するときの定番の前置きで、potential buyers(購入を検討している人)を間に入れて相手を呼んでいます。I wouldn’t go in there! は「私なら入らない」という仮定の形で、やんわり止める言い方です。

すぐ後の Unless you love ~ は「〜がお好きなら話は別」という意味で、止めた部屋をそのまま売り込む流れへ切り替える役目を果たします。クレアが隠れていると思い込んでいた流れを踏まえると、とっさに出た制止を売り文句で包み直したやり取りとも読めます。

「full of so many delightful surprises」で物件を売り込む

案内はさらに続き、フィルは家の魅力をこう語ります。

Phil: I just love to see people’s reactions when I show them— so much storage.
(お見せしたときの皆さんの反応を見るのが大好きでしてね……こんなにたっぷりの収納を。)

Phil: What? It’s crazy! I think you guys will find that this house is full of so many delightful surprises that you’ll be happy here for–
(どうです? すごいでしょう! この家は楽しい驚きでいっぱいだと分かっていただけるはずです。きっとここで幸せに……)

Modern Family Season4 Episode5 (Open House of Horrors)

I just love to see people’s reactions when ~ は「〜したときの相手の反応を見るのが大好き」という言い方で、見せる側の楽しみを口にしながら期待を高めます。so much storage は収納の多さを強調する言い方で、住まいの売り込みでは収納が話題になりやすいと言われます。

I think you guys will find that ~ は「〜だと分かっていただけると思います」と、押しつけずに相手の実感に委ねる形です。full of so many delightful surprises は家の魅力をうたう言葉ですが、脅かされるのではと身構えていたフィルの口から出ると、別の「驚き」とも重なって聞こえるのが面白いところです。この売り込みは言い終わる前に上がった声で途切れます。

実際の場面で使うなら、I think you’ll find that ~ の形で、提案や説明の最後に添えると、相手に判断を任せる柔らかい響きになります。

表現 場面での働き
thinking inside the box 決まり文句をひねって自分を売り込む
It’s gonna take more than that to ~ その程度では〜できないと強がる
As you potential buyers can see 見せながら説明を始める
I wouldn’t go in there! / Unless you love ~ 止めた直後に魅力へつなげる
I think you guys will find that ~ 相手の実感に委ねて売り込む

まとめ|ひねった自己アピールと、とっさの売り文句

thinking inside the box のような決まり文句のひねり、I wouldn’t go in there! から Unless you love ~ への切り返し、full of so many delightful surprises のような売り文句。フィルの案内には、その場の一言を物件の魅力へつなげる言い回しがそろっています。

次回も『モダンファミリー』の会話から、場面ごとの英語表現を拾っていきましょう。

ハロウィンの飾りつけや学校の人気グループをめぐる英語は、同じ回のほかのコラムで取り上げています。

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