「sell」と「merge」はどう違う?会社の行く末を話し合う英語|『モダンファミリー』S09E22で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「sell」と「merge」はどう違う?会社の行く末を話し合う英語|『モダンファミリー』S09E22で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン9第22話では、ジェイとクレアのもとに、スマートクローゼットを手がけるスタートアップの若者たちがやって来ます。ジェイは助言を求めに来た相手だと思っていましたが、持ち出されたのは会社そのものについての提案でした。

会社を「売る」のか、相手と「一つになる」のか。似ているようで中身の違う二つの言葉を、親子の話し合いから読み解きます。

目次

「best and final」の提案と、強気の押し

来客の前、ジェイは相手を「業界の大物に助言を求めに来る、駆け出しのクローゼット屋」くらいに考えていました。ところが、仲間を連れて来たニックが口にしたのは別の話です。

Nick: So here’s our offer, best and final.
(じゃあ、こちらの提案です。これが最終条件。)

Claire: Offer for what?
(何の提案?)

Modern Family Season9 Episode22 (Clash of Swords)

best and final は、交渉で「これ以上の条件は出さない」という最終提示を表す言い方です。best and final offer の形で、不動産の売買や入札の場面でも使われることがあります。クレアの Offer for what? は、何についての提案なのかを短く聞き返す一言で、相手の切り出しが唐突だったことが伝わってきます。続く言葉で、ニックたちの狙いが会社そのものだと分かります。クレア自身も、相手は情報を聞きに来ただけだと思っていたと口にしています。

ニックはさらに、自分たちの技術を前面に出して迫ります。

Nick: Listen, we have developed smart-closet technology that’s gonna make places like this obsolete.
(いいですか、僕らはスマートクローゼットの技術を開発したんです。こういう所はいずれ時代遅れになりますよ。)

Nick: We are giving you a chance to get out while you’re still ahead.
(損をしないうちに手を引くチャンスをあげてるんです。)

Jay: Speaking of which Get out of here!
(出ていくって話なら、お前らが出ていけ!)

Modern Family Season9 Episode22 (Clash of Swords)

make ~ obsolete は「〜を時代遅れにする、不要にする」という意味です。get out while you’re ahead は、賭けで勝っているうちにやめておく、という発想の言い回しとされ、「損が出る前に手を引く」ことを表します。ここでは、時代に取り残される前に会社を手放したほうが得だ、という売り込みの言葉として使われています。ジェイは相手の get out を受けて Get out of here! と返しており、同じ言葉を使って切り返した形です。

「sell」と「merge」の違い

その後、ジェイとクレアが向こうの会社を訪ねると、ニックは二人が提案を受けに来たものと思って出迎えます。

Nick: Look who’s here! You are not gonna regret taking our offer.
(誰かと思えば! うちの提案を受けて後悔はさせませんよ。)

Modern Family Season9 Episode22 (Clash of Swords)

take an offer は「申し出を受け入れる」です。ここでの offer は、会社を引き取るという話を指しています。その場で、クレアは父を呼び止めて別の考えを持ち出します。

Claire: Hang on, Dad.
(待って、パパ。)

Claire: I I don’t like these dorks any more than you do, but they might be onto something.
(あのオタクたちが気に入らないのは私もパパと同じ。でも、いいところを突いてるかもしれない。)

Jay: What are you saying? You want to sell?
(何が言いたい? 売りたいのか?)

Claire: No, I was thinking more of a merger.
(違う。どちらかといえば合併を考えてたの。)

Claire: I did some digging, and they are two years behind on production.
(少し調べたんだけど、向こうは生産が2年遅れてる。)

Modern Family Season9 Episode22 (Clash of Swords)

ジェイの sell と、クレアの merger の違いが、この短いやりとりに表れています。どちらも会社の行く末を左右する言葉ですが、相手との関係の結び方がまったく異なります。

表現 意味 会社はどうなるか
sell (the company) 会社を売る 持ち主が相手に移る
merge / merger 合併する / 合併 二つの会社が一つにまとまる

sell では会社を手放すことになりますが、merge は両者が力を持ち寄って一つになる形です。ジェイが「売りたいのか」と聞いたのに対し、クレアは No で打ち消してから、別の選択肢として合併を示しています。会社を買い取る側から見た言い方としては acquire(買収する)、acquisition(買収)もあり、ニュースではこちらが使われることも多いようです。売るか、買われるか、一緒になるかで動詞が変わる点を押さえておくと、経済の話題も追いやすくなります。

代案を切り出す英語と、話を打ち切る英語

クレアの言葉には、反対されそうな案を持ち出すときの工夫がいくつも入っています。Hang on は「ちょっと待って」と相手を引き止める言い方です。might be onto something は「何かいいところを突いているかもしれない」と、相手の考えに一理あることを控えめに認める表現です。先に「気に入らないのは同じ」と父の気持ちに寄り添ってから本題に入る順序も、話の運びとして見どころです。

I was thinking more of ~ の more of は「どちらかといえば〜」という意味で、相手の解釈を正しながら自分の案を差し出せます。過去進行形の was thinking にすると、決めつけずに考えを打ち明ける響きになると説明されることがあります。I did some digging は「少し調べてみた」というくだけた言い方で、根拠があることを示す前置きになります。behind on ~ は「〜が遅れている」です。

これに対するジェイの答えは短いものでした。

Jay: Nope, not gonna happen.
(だめだ、ありえない。)

Jay: End of conversation.
(話は終わりだ。)

Modern Family Season9 Episode22 (Clash of Swords)

not gonna happen はきっぱり拒む言い方で、End of conversation. は「この話はここまで」と議論を打ち切る一言です。職場で目上の人に使うと角が立つため、使う相手と場面は選ぶ必要があります。この場では、ジェイは娘の代案を受け入れません。

まとめ|「売る」と「合併する」の言い分け

sell は会社を手放すこと、merge は二つの会社が一つになることです。best and final などの提案の言葉に加えて、might be onto something や I was thinking more of ~ を知っておくと、反対されそうな案も切り出しやすくなります。

親子で仕事の話をする二人を観ながら、ビジネスの英語を拾っていくのも一つの楽しみ方です。

同じ回のほかのコラムでは、趣味の集まりに踏み出す英語や、ファンの催しの文化も取り上げています。

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