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『モダンファミリー』シーズン8第9話では、学校のダンスパーティーの付き添いを避けたいジェイが、フィルと「男同士の夜」を過ごすと言い出します。ところがフィルが何を提案しても、ジェイの返事はそっけないものばかりです。
誘う側の言い方と、ひと言で断る側の言い方は、セットで覚えると使いどころがつかみやすくなります。この回の二人のやり取りは、その組み合わせの見本のような場面が続きます。
誘いが口実だったと分かるとき
話の発端は、ダンスへの付き添いです。グロリアはフィルが行くならジェイも行くようにと言い、ジェイはフィルも本当は行きたくないはずだと話を向けます。ところがフィルは Actually, I was looking forward to it. と、楽しみにしていたと答えてしまいます。
そこでジェイは、he and I haven’t had a boy’s night in a good while と、二人でしばらく男同士の夜を過ごしていないと言い出し、What do you say, buddy? と持ちかけます。フィルはこれに応じます。ところが、クレアとグロリアが出かけた後の会話はこうです。
Phil: This is gonna be so great!
(これ、すっごく楽しくなるぞ!)Jay: Sure it will.
(そうだろうな。)Jay: Maybe give them about a five-minute lag time before you hit the road.
(出発する前に、あいつらと5分くらい時間を空けたほうがいいかもな。)Phil: What do you mean? You you said we were gonna do something together.
(どういうこと? 一緒に何かしようって言ったじゃない。)Jay: I was just trying to get us out of that stupid dance.
(あのくだらないダンスから二人とも抜け出そうとしただけだ。)Phil: Oh.
(あ。)Phil: Okay.
(そっか。)Jay: Enjoy your night, Phil.
(いい夜をな、フィル。)Modern Family Season8 Episode9 (Snow Ball)
get out of ~ は「(気の進まない予定や役目)から抜け出す」という意味で、get us out of のように人を間に入れると「自分たちを〜から抜けさせる」になります。hit the road は「出発する、帰る」のくだけた言い方です。
ジェイの Sure it will. は形の上では同意ですが、続く台詞を見ると、相手の期待に深く付き合わない短い相づちとして働いていることが分かります。誘いの言葉が、実は別の目的のための口実だったと明かされる場面です。
「We could ~」「How about ~?」と即答の断り
それでもフィルは、ジェイと何かをしようと提案を重ねます。最初の we could go bowling には、前の晩にリーグがあったからと I’m a little bowled out. と返されます。bowling に out を付けて「ボウリングはもうたくさん」とした、言葉遊びの断り方です。続けてフィルが Round of mini golf? と聞くと、ジェイはこう答えます。
Jay: Great idea.
(いい考えだ。)Jay: Wait up.
(ちょっと待ってろ。)Jay: I’ll go get my frog and my slingshot.
(カエルとパチンコを取ってくる。)Jay: We’ll hop on our bikes and go down there.
(自転車に飛び乗って行こうぜ。)Phil: We could get something to eat.
(何か食べに行くのもいいね。)Jay: Already ate.
(もう食った。)Phil: Go to the movies?
(映画は?)Jay: Hate the lines.
(行列が嫌いだ。)Modern Family Season8 Episode9 (Snow Ball)
ジェイの Great idea. は、その後に子どもの遊びのような計画を並べることで、ミニゴルフは子どもっぽいと皮肉る返事になっています。言葉では賛成しながら中身では断る、という皮肉の典型です。
誘う側の We could ~ は「〜するのもありだね」と選択肢を差し出す柔らかい言い方で、Go to the movies? のように動詞から始める問いかけは、主語と助動詞を省いたくだけた形です。一方、Already ate. と Hate the lines. は主語の I を省いた即答で、理由をひと言で返して話を終わらせる響きがあります。
別の場面でも、同じ流れは続きます。
Phil: How about ice cream?
(アイスクリームはどう?)Jay: Too cold.
(寒すぎる。)Phil: Coffee?
(コーヒーは?)Jay: Too late.
(遅すぎる。)Phil: Oh, wait a minute.
(あ、ちょっと待って。)Phil: I’m such an idiot.
(俺ってほんとバカだな。)Modern Family Season8 Episode9 (Snow Ball)
How about ~? と名詞だけの Coffee? は、どちらも気軽な誘いの形です。返す側の Too cold. と Too late. は「Too + 形容詞」だけで断る、もっとも短い部類の返事と言えます。
押す側の言い方と、区切りのつけ方
断られても引かないフィルの押し方にも、使える言い方が並びます。別の場面で、フィルはジェイに一緒にやろうと持ちかけます。
Phil: One time.
(一回だけ。)Jay: No, it’s stupid.
(いや、くだらない。)Phil: Just try it.
(とにかくやってみてよ。)Jay: I’m not doing it.
(やらないぞ。)Phil: No one else is around.
(ほかに誰もいないって。)Jay: I don’t care.
(関係ない。)Phil: Come on, I’ll start.
(ほら、俺から始めるから。)Modern Family Season8 Episode9 (Snow Ball)
One time. は回数を最小にして相手のハードルを下げる頼み方、Just try it. は「とにかく試して」と背中を押す一言です。No one else is around. は人目を気にする理由を先回りして消し、Come on, I’ll start. で自分が先にやってみせます。対するジェイの I’m not doing it. は、進行形で「やるつもりはない」ときっぱり示す断り方です。この後、フィルが歌い始めると、ジェイは All right, that’s it! と打ち切ります。
提案が尽きた後、ありもしない催しを持ち出したフィルは、ジェイに聞き返されると、そんな催しはないと明かします。そして最後に、こう言います。
Jay: What are you doing?
(何してるんだ?)Phil: I don’t care what you do, but I’m going into that dance.
(そっちが何をしようと構わないけど、俺はダンスに行くよ。)Phil: I like to see the kids all dressed up and happy and trying to look older than they are.
(子どもたちがおめかしして、楽しそうに、背伸びしてるのを見るのが好きなんだ。)Modern Family Season8 Episode9 (Snow Ball)
I don’t care what you do, but ~ は、相手の返事を待つのをやめて、自分の行動を決めるときの区切りの言い方です。誘い続ける側にも、どこかで自分の予定を宣言する一言があると会話が前に進む、という見本と言えます。
まとめ|誘う言い方、断る言い方
We could ~ や How about ~? で誘い、Already ate. や Too cold. のような短い返事で断る応酬に、get out of の口実と Great idea. の皮肉が重なります。最後の I don’t care what you do, but ~ まで、誘いと断りの英語が一続きで見えてきます。
二人のかけ合いを観ながら、気軽な誘いの言い方を少しずつ増やしていきましょう。
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