海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
近所で迷い猫を探しているので、見かけたら教えてほしい。そんな頼みごとをされた経験はありませんか。
そんなときに使える「keep one’s eyes peeled」を、『モダンファミリー』シーズン8第9話の前半、付き添い役のクレアが口にする一言から、一緒に見ていきましょう。
「keep one’s eyes peeled」の意味とニュアンス
keep one’s eyes peeled
意味:(見逃さないよう)目を光らせている、注意して見張る
keep one’s eyes peeled は、何かを見逃さないよう、気をつけて見張っているときに使う口語表現です。後ろに for を置いて、探している物や、起こりそうな出来事を続けます。keep our eyes peeled for 〜 の形なら、複数人で警戒する場面にも合います。
one’s は、主語に合わせて my、your、our、his、her などに変わります。作中では、主語の we に合わせて our になっています。peeled は peel(皮をむく)の過去分詞形で、字面は「目をむいた状態に保つ」です。まぶたをしっかり開けて、何も見逃さないように構えている様子を表しています。
for の後ろには、見張る対象を置きます。作中の for kids trying to bring alcohol in here では、kids のあとに trying to bring alcohol in here が続き、「お酒を持ち込もうとしている子どもたち」という意味になります。見張る対象を、「〜しようとしている人や物」と後ろから説明する形です。
注意の強さは、軽く気に留める程度ではなく、しっかり見張る強さです。近い訳は、「目を光らせる」「見逃さないようにする」です。
【ここがポイント!】
- 「keep one’s eyes peeled」の核は、何かを見逃さないよう、目を開けて見張り続けること
- for の後ろに、探している物や起こりそうな出来事を置く
- one’s は主語に合わせて my / your / our などに変わる
『モダンファミリー』S08E09のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
付き添い役のクレアが、お酒を持ち込もうとする子どもたちへの見張りを口にします。グロリアがマージョリーの名前を挙げて知らせると、クレアはけんかのふりをして避けようと持ちかけます。マージョリーは、何かと手伝いを頼んでくる PTA の保護者です。
Claire: We got to keep our eyes peeled for kids trying to bring alcohol in here. I cannot make it through this thing without a drink.
(ここにお酒を持ち込もうとする子がいないか、目を光らせておかないと。それに、飲まずにこの集まりを乗り切るなんて私には無理よ。)Gloria: Marjorie, 12:00.
(マージョリー、12時の方向よ。)Claire: Oh, God. Quick, pretend we’re having a fight. Then she won’t come over here.
(ああ、もう。急いで、けんかしてるふりをしましょう。そうすれば彼女はこっちに来ないわ。)Gloria: Mm-hmm.
(ええ。)Modern Family Season8 Episode9 (Snow Ball)
シーン解説と心理考察
クレアの We got to keep our eyes peeled for kids … は、見張り役としての心得を口にした一言です。We got to は We have got to の口語的な形で、「〜しないといけない」という意味です。見張る対象は、お酒を持ち込もうとする子どもたちで、in here は「この場」を指します。
見張りの話に続けて、クレアは I cannot make it through this thing without a drink. と続けます。make it through 〜 は「〜を乗り切る」、this thing は「この集まり」、without a drink は「飲み物なしで」という意味で、ここでは酒を指しています。役目を語った口で、自分は飲まずにはやり過ごせないとこぼす、本音がのぞく一文です。子どもたちの飲酒に目を光らせる話と、自分は飲みたいという話が、一息のうちに並んでいます。
そこへグロリアが Marjorie, 12:00. と知らせます。12:00 は時刻ではなく、時計の文字盤になぞらえて方向を示す言い方で、12時は真正面を指します。名前と方向だけを短く伝える、手早い知らせ方です。
クレアは Oh, God. と声を上げ、Quick, pretend we’re having a fight. と持ちかけます。pretend は「〜のふりをする」で、we’re having a fight は「けんかをしている最中だ」という進行形です。続く Then she won’t come over here. の Then は「そうすれば」、she はマージョリーを指します。けんかの最中の二人には近づきにくいはずだ、という読みが、この作戦の土台にあります。これに短い相づちが返り、二人の間で話がまとまります。
子どもたちへの見張りという真面目な話題から、保護者をかわす小さな作戦へ。話題が切り替わるテンポの速さが、この短いやり取りの特徴です。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
peel の「皮をむく」という動きを、目に当てはめて覚えます。みかんの皮をむくと、中身がむき出しになります。まぶたまで全部めくれて、目が丸ごと外に出ている状態を想像すると、「目を大きく開けて見張る」という意味の絵になります。これは覚えやすくするための見立てです。
keep は「状態を保ち続ける」という動詞です。むいた目を、そのまま保っておく。だから、一瞬ではなく、見張る時間が続くことまで表せます。クレアが「目を光らせておかないと」と言っているのは、この続く見張りのことです。
for は、探している物に向かう矢印です。目を向ける先を for のあとに置きます。peel、keep、for の三つを順に並べて、「むいた目を、保って、探す物へ向ける」と口に出してみると、語順も一緒に頭に入ります。
例文で覚える「keep one’s eyes peeled」
見失いたくない物を探す場面で、気軽に使える表現です。3つの場面での形を見てみましょう。
Keep your eyes peeled for the bus. It doesn’t stop long.
(バスを見逃さないように目を光らせていて。長くは止まらないから。)
バス停で友人に声をかける場面です。命令の形にして、one’s の部分を your にしています。続く文で理由を添えると、なぜ見張るのかが伝わります。
We kept our eyes peeled for any mistakes in the report.
(私たちは報告書のミスを見逃さないよう目を光らせていた。)
資料の確認作業を振り返る場面です。過去の話なので keep が kept に変わりますが、peeled の形はそのままです。
A: What should I look for at the station?
B: Keep your eyes peeled for a red umbrella.
(A:駅では何を目印にすればいい?)
(B:赤い傘を見逃さないようにして。)
待ち合わせの目印を伝える往復の会話です。for のあとに、探してほしい物をそのまま置いています。
あわせて覚えたい関連表現
keep an eye out for
(〜がないか気をつけて見ている)
keep an eye out for は、気をつけて見ておく、やや軽めの言い方です。keep one’s eyes peeled for は、しっかり見張る強めの注意を表します。
be on the lookout for
(〜を探して警戒している)
be on the lookout for は、探している状態そのものを言います。keep one’s eyes peeled は、目を見開いて見張る動作を、口語的に言う表現です。
watch out for
(〜に気をつける)
watch out for は、危険や障害物を避けるための注意が中心です。keep one’s eyes peeled for は、見つけたい物や、起こりそうなことを見逃さない注意にも使えます。
Note|目の前の物を見張るか、これから現れる物を探すか
同じ「見張る」でも、前置詞が on か for かで、意味が分かれます。
keep an eye on 〜 は、目の前にある人や物から目を離さずに見ている、という言い方です。Keep an eye on my bag. なら、「私のかばんを見ていて」という意味になります。見る対象は、すでに手元や視界の中にあります。
一方、keep one’s eyes peeled for 〜 は、まだ見えていない物、これから現れるかもしれない物を探して見張る言い方です。Keep your eyes peeled for a taxi. なら、「タクシーが来ないか目を光らせていて」となります。
作中の kids trying to bring alcohol in here は、まだ現れていない、来るかもしれない子どもたちです。そのため on ではなく for が使われています。見張る対象が手元にあれば on、これから現れる物を探すなら for、と整理できます。
日本語では、どちらも「見張る」「目を光らせる」と訳せるので、違いが見えにくくなります。英語では、この違いを前置詞が受け持っています。クレアの一言は、for のあとに、これから現れるかもしれない子どもたちを置いた形です。
まとめ|見逃さない目を、これから来る相手に向ける
keep one’s eyes peeled は、何かを見逃さないよう、目を開けて見張り続けることを表す表現です。for のあとに、探している物や起こりそうな出来事を置き、one’s は主語に合わせて変えます。
待ち合わせの目印を探すとき、確認作業でミスを探すとき、近所の迷い猫を探すときなど、まだ見つかっていない物を探す場面で使えます。目の前の物を見守る keep an eye on と並べておくと、前置詞の使い分けも一緒に整理できます。
子どもたちへの見張りを語ったクレアが、マージョリーをかわす作戦を持ちかけるまでの流れには、見張りの話題から、手早い対処の相談へ移っていく速さが表れています。


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