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『モダンファミリー』シーズン9第18話は、フィルとクレアの結婚記念日の一日を描いています。フィルは今年、クレアへの贈り物の買い物を当日まで後回しにしていて、店で何とか案をひねり出そうとします。
アイデアが出ないときの独り言には、思いつきを口にする言い方や、時間切れを嘆く言い方がそろいます。贈り物探しの流れに沿って、仕事のアイデア出しにも使える言い回しを順に見ていきます。
「Bad ideas aren’t your enemy.」で悪い案から始める
店で贈り物を探すフィルは、まず香りつきのキャンドルという候補を自分で退けます。
Phil: Scented candles.
(香りつきキャンドルか。)Phil: The simpleton’s choice.
(考えなしの選択だな。)Modern Family Season9 Episode18 (Daddy Issues)
simpleton は「単純な人、考えの浅い人」を指すやや古風な語です。the simpleton’s choice で「何も考えていない人が選ぶもの」となり、定番の贈り物をひとことで切り捨てる言い方になります。
フィルには、理想の贈り物についての持論があります。自分では買わないもの、気持ちが動く体験になるもの、そして演出(showmanship)のあるものの3つです。3つ目の演出は、このあとクレアの贈り物の話にも出てきます。そのうえで、こう続けます。
Phil: I mean, finding a gift that has all three is challenging, but here’s the thing.
(まあ、3つ全部そろった贈り物を見つけるのは難しい。でも、肝心なのはここだ。)Phil: Bad ideas aren’t your enemy.
(悪いアイデアは敵じゃない。)Phil: In fact, sometimes if you free-associate from the bad ideas, you discover great ones.
(それどころか、悪いアイデアから自由に連想していくと、すごいアイデアが見つかることもある。)Phil: Let’s try it.
(やってみよう。)Modern Family Season9 Episode18 (Daddy Issues)
here’s the thing は「でもね、大事なのはここ」と本題に入る前置きです。Bad ideas aren’t your enemy. は、ダメな案を出すことを恐れなくていい、という考え方を短く言い切った文と言えます。free-associate は「思いつくままに連想する」という動詞で、名詞形は free association です。Let’s free-associate for a minute.(ちょっと思いつくままに挙げてみよう。)のように、会議のアイデア出しでも使えます。
「popped into the noodle」で思いつきを口にする
フィルの方法論は、すぐに試されます。店員が別の品物をすすめた直後、フィルは自分の思いつきを口にします。
Sales Associate: Sir, would you like a bonsai tree?
(お客様、盆栽はいかがですか?)Phil: Novelty key chain.
(おもしろキーホルダー。)Phil: First thing that popped into the noodle.
(最初に頭に浮かんだやつだ。)Phil: It’s terrible.
(ひどいな。)Modern Family Season9 Episode18 (Daddy Issues)
pop into one’s head は「ふと頭に浮かぶ」という決まった言い方です。noodle は本来「麺」ですが、くだけた口語では「頭」の意味にもなります。First thing that popped into ~ で「真っ先に浮かんだもの」となり、思いつきの段階であることを相手に断る前置きとして働きます。
novelty は「目新しさ」が元の意味で、novelty key chain のように名詞の前に置くと「ちょっと変わったおもしろグッズ」を指します。フィルは口にした直後に It’s terrible. と自分で却下していて、案を出すことと評価することを一人で繰り返している様子が分かります。
店員の Sir, would you like ~? は、接客で品物をすすめるときの丁寧な型です。Would you like ~? は Do you want ~? より丁寧に響くため、店や接客の場面でよく使われます。フィルの言葉は盆栽への返事ではなく自分の思いつきになっていて、頭の中が贈り物の案でいっぱいだと読み取れます。
「the clock ran out on me」で時間切れを言い表す
贈り物探しの結末について、フィルはクレアの贈り物と比べながらこう語ります。
Phil: Claire’s gift involved a blindfold and a second location showmanship of the highest order.
(クレアの贈り物は目隠しに、別の場所への移動まであった。最高レベルの演出だ。)Phil: To make things worse, the clock ran out on me.
(さらに悪いことに、俺は時間切れになった。)Modern Family Season9 Episode18 (Daddy Issues)
of the highest order は「最上級の」という硬めの言い方で、showmanship と組み合わせて最大限の称賛として響きます。To make things worse, ~ は「さらに悪いことに」と、悪い話を重ねるときの前置きです。
the clock runs out は、試合の残り時間が尽きるイメージから「時間切れになる」を表します。ここで注目したいのは on me の部分です。The car broke down on me.(車に故障されて困った。)のように、on + 人 は出来事がその人にとって不利に起きたことを表します。The printer jammed on me right before the meeting.(会議の直前にプリンターが詰まってしまった。)のように、日常の小さな災難にも使えます。
フィルはこのあと、自分の贈り物は妥協して選んだもので、口に出すのもためらうと打ち明けます。英語では妥協して手を打つことを settle と言い、settle for ~(〜で手を打つ)の形でもよく使われます。理想の3条件から始まった贈り物探しが、時間切れと妥協で終わるという流れです。
まとめ|アイデア出しから時間切れまでの英語
the simpleton’s choice で定番を退け、free-associate で案を広げ、popped into the noodle で思いつきを口にする。最後は the clock ran out on me と settle で時間切れと妥協を伝える、一人のアイデア出しの流れです。
『モダンファミリー』のフィルの贈り物探しを観ながら、案をひねり出すときの英語を拾うと、独り言に使える言い回しが増えていきます。
冗談をめぐる夫婦の言い合いや、結婚記念日の贈り物の習慣は、同じ回のほかのコラムで扱っています。


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