「give someone space」の意味と使い方|『モダンファミリー』S10E05で学ぶ英会話

「give someone space」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

大切な人を亡くした家族のそばで、何と声をかければいいのか分からず、ただ黙って距離を取る場面があります。

その距離の取り方を表す「give someone space」を、『モダンファミリー』シーズン10第5話の前半、母の死を口にしたクレアのあとで、ミッチェルが口にする頼みごとから、一緒に見ていきましょう。

目次

「give someone space」の意味とニュアンス

give someone space
意味:(人を)そっとしておく、距離を置いて一人にさせる

give someone spaceは、気持ちを整理したい人に近づきすぎず、干渉しないでいることを表します。spaceは「空間」を意味する名詞で、人とのあいだにあけておく余白をさします。その余白をgive(与える)ことで、相手が自分のペースで気持ちを落ち着けられる状態をつくる、という組み立てです。

見出しの形はgive someone spaceですが、シーンではgive us a little spaceの形で出てきます。someoneの位置にus(自分たち)が入り、spaceの前にa littleが付いているので、誰に余白を与えるのかが具体的になり、与える量も控えめになっています。someoneの位置にはher、him、themなどの代名詞も入り、spaceにはsomeやa lotのような量を表す語を付けられます。

使われ方は二通りあります。Let’s give her space.のように周囲が配慮して距離をとる言い方と、Can you give us some space?のように当事者が離れてほしいと頼む言い方です。シーンは後者で、頼む側の立場から言われています。物理的に離れる場合にも、気持ちの面で干渉しない場合にも使えます。どちらの意味になるかは文脈で決まるので、場面ごとに「席を外す」と「そっとしておく」のどちらに近いかを読み取るのがコツです。

【ここがポイント!】

  • 「give someone space」の核は、相手のまわりに余白をあけて、干渉せずにおくこと
  • someoneの位置に人を入れ、量はsome・a littleなどで調節できる
  • 頼む側ならCan you …、配慮する側ならLet’s …の形で使い分けられる

『モダンファミリー』S10E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

クレアが「うちの母は死んだのよ、フィル」とフィルをたしなめると、フィルは何かを言いかけて途中で止まります。そこへミッチェルが「少し僕たちをそっとしておいてくれないかな?」と頼み、フィルは「もちろん」と受け入れます。見せ場はミッチェルの頼み方で、give us a little spaceの形で出てきます。

Claire: Our mother is dead, Phil.
(うちの母は死んだのよ、フィル。)

Phil: I-I thought we were
(え、俺たちはてっきり…)

Mitchell: Maybe you should just give us a little space?
(少し僕たちをそっとしておいてくれないかな?)

Phil: Yeah. Yeah, sure. Sure.
(ああ。ああ、もちろん。もちろんだ。)

Modern Family Season10 Episode5 (Good Grief)

シーン解説と心理考察

フィルの「I-I thought we were」は、言いかけて途切れた一言です。何を言おうとしたのかは語られないまま、ミッチェルの頼みごとがそこに入ります。

ミッチェルの言い方には、頼みをやわらげる工夫が重なっています。Maybe you should just …と助言のような形にすることで、命令でも要求でもなく提案として差し出し、さらにjustとa littleで「ほんの少しだけ」という控えめな頼み方にしています。強く追い払うのではなく、相手を傷つけないように距離を求める配慮が、この一言にこもっています。頼みの内容は同じでも、言い方ひとつで受け取る側の気持ちの負担が変わることが、このやり取りから見えてきます。

フィルの返事は「Yeah. Yeah, sure. Sure.」と、同じ言葉を重ねています。頼みを受け入れる気持ちが、繰り返しの中に表れています。短い言葉を重ねるだけで、余計な説明を足さずに応じていることも伝わります。頼む側も応じる側も短い言葉でやり取りが成り立つのは、give us a little spaceという形が、それだけで意図を伝えられる表現だからです。クレアのたしなめる一言、フィルの途切れた一言、ミッチェルの控えめな頼みという流れの中で、give us a little spaceは、場のやり取りを区切る役目を果たしています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

相手を中心に、ぽっかり空いた丸い空き地があるイメージです。誰もその中に踏み込まず、相手だけが自分のペースで息をつける場所です。giveはその空き地を相手に差し出す動詞で、spaceは空き地そのものを表します。

ミッチェルの「少し僕たちを…」も、自分たちのまわりに少しだけ余白がほしいという頼みでした。広い空き地でなくても、a littleの分だけ余白があれば足りる、という控えめな求め方が、この一言の形に出ています。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「give someone space」

そっとしておく側と頼む側の両方の立場を、3つの場面で確かめます。

She just got some bad news, so let’s give her some space.
(彼女は悪い知らせを受けたばかりだから、そっとしておいてあげよう。)
落ち込んでいる友人への配慮を話し合う場面です。someの量を表す語を添えると、「少しの余白」というやわらかい響きになります。

Could you give us a little space? We need to talk in private.
(少し席を外してもらえますか? 二人だけで話す必要があるので。)
個別の話し合いを頼む場面です。頼む側の言い方になり、あとに理由を添えると、距離を求める意図がはっきり伝わります。

A: Should I call her again?
B: No, give her some space.
(A:もう一回彼女に電話したほうがいいかな?)
(B:いや、そっとしておきなよ。)
連絡をためらう相談に答える会話です。命令形のgive her some spaceは、親しい間柄で短く助言するときの形です。

あわせて覚えたい関連表現

leave someone alone
((人を)放っておく)
相手のそばを離れて、構わずにおく動作そのものを表します。give someone spaceが「余白をあける」という配慮の組み立てなのに対し、こちらは「一人にしておく」という行為を直接述べる形です。

give someone room / breathing room
((人に)息つく余裕を与える)
roomやbreathing roomは、心身の余裕を強調する言い方です。spaceとほぼ同じ場面で使え、breathing roomは「息をつくための余地」という絵がそのまま見える分、気持ちの余裕を言いたいときに合います。

back off
(手を引く、距離を取る)
こちらは自分が引く動作を表します。give someone spaceが相手に余白を与える言い方であるのに対し、back offは聞き手に「下がって」と求めるときにも、自分が引くときにも使えます。

Note|頼みごとをやわらげる、依頼の言い方の幅

同じ「少し離れてほしい」という頼みでも、英語には言い方の強さに幅があります。ミッチェルが選んだ形は、その幅の中でもやわらかい側に入ります。

いちばん直接的なのは、Give us space.のように動詞から始める命令形です。要求をそのまま差し出す形で、親しい相手に短く言うときに合います。その一段手前にあるのが、Could you give us some space?のような疑問文の依頼で、相手に応じるかどうかの余地を残します。さらにMaybe you should just give us a little space?は、助言の形にmaybeとjustとa littleを重ねた言い方です。maybeで断定をぼかし、justで「ただそれだけ」と範囲を絞り、a littleで量を小さくしているので、頼みごとの角がいちばん取れた形になります。日本語に訳すときも、「離れて」「離れてもらえますか」「少しそっとしておいてくれないかな」と、段階に合わせて言葉をやわらげられます。

ミッチェルの一言は、この三段階の最後にあたります。悲しみの中にいる場で、相手を責めずに距離だけを求めたい、という頼み方に合った選び方です。

場面と相手に合わせて三つの形から選べますが、ミッチェルのように提案の形で頼むと、受け取る側の気持ちにも余地が残ります。

まとめ|「少しだけ」をつけて頼む、距離の求め方

give someone spaceは、相手のまわりに余白をあけて、干渉せずにおくことを表す表現です。配慮する側と頼む側のどちらの立場でも使えます。

someoneの位置には人を入れ、some・a littleのような語を加えると量を調節できるので、親しい友人への一言から、個別の話し合いを頼む場面まで幅広く応用できます。

母を亡くしたばかりの場で、ミッチェルが「少しだけ」を重ねて距離を求め、フィルが「もちろん」と受け止めるやり取りは、頼み方ひとつで場の空気が守られることを教えてくれます。

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