「get worked up」の意味と使い方|『モダンファミリー』S10E05で学ぶ英会話

「get worked up」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

場の空気がしんみりしているときに限って、ごく小さなことで声を荒らげてしまう人がいます。そんな瞬間が、ドラマには時々あります。

そこでキャメロンが投げかける「get worked up」を、『モダンファミリー』シーズン10第5話の中盤、ジェイが名前を書いたサンドイッチがなくなったと言い出す場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「get worked up」の意味とニュアンス

get worked up
意味:(感情的に)興奮する、取り乱す、腹を立てる

get worked upは、不安や怒り、興奮などの感情が高ぶって、落ち着きを失った状態になることを表します。work upは「かき立てる、気持ちを高ぶらせる」という意味の動詞で、そのworked(過去分詞)は「かき立てられた状態」を示します。そこにgetが付くことで、落ち着いていた状態から高ぶった状態へ変わる動きが加わります。

見出しの形はget worked upですが、シーンではget this worked upの形で出てきます。getとworked upのあいだにthisが入っていて、このthisは「こんなに、そこまで」と程度を表す働きをしています。気持ちの高ぶりがどれほどなのかを、目の前の様子に指さして示す言い方です。

何について気持ちが高ぶったのかを示すときは、get worked up about ~ やget worked up over ~ の形で続けます。aboutとoverのあとには原因になった出来事を置き、シーンのover a sandwichのように、小さな原因でも大きな反応でも同じ形で言い表せます。怒りだけでなく、緊張や不安で気が立つ場合にも使えるので、何に反応したのかは前後の文脈で読み取ります。たとえば試験の前なら緊張、サンドイッチの話なら怒りというように、about ~ やover ~ の中身が手がかりになります。

【ここがポイント!】

  • 「get worked up」の核は、感情がかき立てられて落ち着きを失った状態になること
  • 原因はabout ~ やover ~ で添え、thisを入れると「そこまで」と程度を強調できる
  • 怒りに限らず、緊張や不安で気が立つ場面にも使える

『モダンファミリー』S10E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

フィルが「つらい日だものな」と声をかけると、ジェイは10分前にそこへ入れた名前入りのサンドイッチがなくなったと言い、「どこのどいつが持っていきやがった」と続けます。キャメロンが「こんな日に、サンドイッチごときでそこまで腹を立てるのかい」と問い返し、見せ場のget this worked upは、その一言の中に出てきます。

Phil: Aw, Jay, it’s a hard day.
(ああ、ジェイ、つらい日だものな。)

Jay: Tell me. I put a sandwich in there with my name on it 10 minutes ago, and now it’s missing. Who the hell took it?!
(まったくだ。10分前に名前を書いたサンドイッチをそこに入れたのに、なくなってるんだ。どこのどいつが持っていきやがった?!)

Cameron: Really? On a day like today, you can get this worked up over a sandwich?
(本当に? こんな日に、サンドイッチごときでそこまで腹を立てるのかい?)

Jay: Come here.
(こっちに来い。)

Phil: Yeah. Hey.
(ああ。なあ。)

Modern Family Season10 Episode5 (Good Grief)

シーン解説と心理考察

キャメロンの「Really?」は、ジェイの言い分をそのまま受け流さずに、問い返す一言です。続くOn a day like today, …は、フィルが口にした「つらい日」を受けて、今日という日と、サンドイッチという小さな出来事を並べて見せています。

get this worked upのthisは、ジェイがいま見せている高ぶりの程度を指していて、「そこまで」と驚きを込める働きをしています。キャメロンの問いは、怒りそのものよりも、怒りの大きさと原因の小ささとの差に向けられています。On a day like todayの「today」は、フィルが「つらい日」と呼んだ同じ一日を指しているので、キャメロンの前置きはその日の空気を踏まえた問いかけになっています。

ジェイは10分前に自分の名前を書いたサンドイッチを入れたと細かく説明していて、なくなったことへのこだわりが数字にまで表れています。そこへ続くジェイの「Come here.」とフィルの「Yeah. Hey.」が、キャメロンの問いかけのあとの空気を次の展開へ動かしています。つらい一日の中でも、身近な小さな出来事に気持ちが向かう様子が、短いやり取りに出ている場面です。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

workには「働かせる」、upには「高いほうへ上がる」という方向の意味があります。この二つを合わせて、気持ちが働かされて高いところまで持ち上がっていく、と覚えましょう。静かだった気持ちがかき立てられて、落ち着ける場所から離れていく流れです。

シーンでは、サンドイッチがなくなったという小さなきっかけから、ジェイの気持ちがぐんぐん持ち上がっていきます。キャメロンはその高さにthisを添えて、「そこまで上がるのか」と指さしたことになります。thisは気持ちの高さを指さす指のような役目です。get worked upだけでも意味は通じますが、thisを入れると高ぶりの程度を目の前で示す言い方になります。どちらを選ぶかは、驚きや呆れを込めたいかどうかで決まります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「get worked up」

小さなことへの反応を落ち着かせる場面から、緊張を説明する場面まで、3つの例文で見ていきます。

Don’t get so worked up about a small mistake.
(ちょっとしたミスで、そんなに取り乱さないで。)
同僚をなだめる場面です。soを入れると、反応の大きさを強調する言い方になり、aboutで原因を示しています。

There’s no need to get this worked up over a late delivery.
(配達が遅れたくらいで、ここまで腹を立てる必要はないよ。)
小さな出来事に過敏に反応する人へ声をかける場面です。シーンと同じthisの形で、程度を指さしながらoverで原因を添えています。

A: Why are you so upset?
B: I’m not. I just get worked up before a big presentation.
(A:どうしてそんなに気が立ってるの?)
(B:そんなことないよ。大事な発表の前は、つい気持ちが高ぶっちゃうだけ。)
緊張から気が立つ様子を説明する会話です。怒りではなく緊張で気持ちが高ぶる場合にも使える点が分かります。

あわせて覚えたい関連表現

get upset
(動揺する、気を悪くする)
気持ちを乱された結果を広く表す言い方です。get worked upが気持ちの高ぶりの勢いを含むのに対し、get upsetは「気分を害した」という結果に焦点があります。

freak out
(パニックになる、取り乱す)
こちらは激しい動揺やパニックを表します。get worked upが怒りや緊張で気が立つ程度にも使えるのに対し、freak outは落ち着きを完全に失った状態を言い表す語です。

lose one’s temper
(かっとなる、癇癪を起こす)
怒りに限った表現で、感情を抑えきれなくなる瞬間を表します。get worked upが不安や興奮も含む広い言い方であるのに対し、こちらは怒りの爆発に絞られます。

Note|thisが程度を表すとき、日本語では「そこまで」と訳す

get this worked upのthisは、「これ」と何かの物を指しているのではなく、程度を示す働きをしています。この使い方を知っておくと、日本語に訳すときの迷いが減ります。

辞書的には、thisは形容詞や分詞の前に置かれると「こんなに、これほど」という意味の副詞として働きます。I didn’t expect it to be this hard.なら「こんなに難しいとは思わなかった」、Why are you this angry?なら「どうしてそんなに怒っているの」と訳せます。シーンのyou can get this worked up over a sandwichも同じ型で、目の前にいるジェイの高ぶりの程度を指して「そこまで腹を立てるのか」と訳せます。日本語では話し手が見ている程度をどう言うかで、「こんなに」と「そこまで」が分かれます。自分の状態を言うなら「こんなに」、相手の様子を指して言うなら「そんなに」「そこまで」がしっくりきます。キャメロンはジェイの様子を指しているので、「そこまで」が合います。

英文ではthisの一語が、日本語では「そこまで」「そんなに」と指さす言葉に置き換わります。見出しのget worked upから見ると、thisが入っただけで驚きの響きが加わった形です。

まとめ|小さな原因と大きな反応を結ぶ「this」

get worked upは、感情がかき立てられて落ち着きを失った状態になることを表す表現です。怒りだけでなく、緊張や不安で気が立つ場面にも広がります。

原因はaboutやoverで添え、thisを入れて「そこまで」と程度を指さすと、相手の反応の大きさに対する驚きまで伝えられます。気持ちの高ぶりを指摘したり、落ち着かせたりする場面で使える一言です。

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