海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン10第5話はハロウィンの一日が舞台です。クモの巣の飾りつけや二人組の仮装をめぐって、家族のあいだで短いながらも気の利いたやりとりがいくつも交わされます。
せっかく用意したものを「また今度」と取っておくのか、「もうやらない」と引っ込めるのか、それとも最後まで貫くのか。その気持ちを一言で伝える英語を、3つの場面から順に見ていきます。
「gotta fly」と「do that one again」で、ネタを取っておく
物語の冒頭、クレアがクモの巣の飾りのことでフィルに声をかけます。
Claire: Can you come in here and help me with this web?
(ちょっとこっちに来て、このクモの巣を手伝ってくれない?)
Phil: Sorry, gotta fly.
(悪い、急いで行かなきゃ。)
Phil: I’m gonna do that one again when there’s more people around.
(今のやつ、もっと人がいるときにもう1回やろう。)
Modern Family Season10 Episode5 (Good Grief)
gotta fly は I’ve got to fly を縮めた口語で、「もう行かなきゃ」と急いでその場を離れるときに使われます。gotta go や gotta run と同じ働きをしますが、fly には「飛ぶ」の意味もあるため、言葉遊びとして使われることもあります。頼まれごとを断る場面でも、Sorry を前に置くと角が立ちにくくなります。
続くフィルの I’m gonna do that one again は「今のをもう一度やる」という言い方です。that one は直前の自分の返しを指し、when there’s more people around で「もっと人がいるときに」と条件を付けています。気に入った冗談や仕掛けを、観てくれる人が多いときのために取っておく、という発想がこの一文に表れています。
身近な場面なら I’m saving that one for later.(それはあとに取っておく)のように言い換えることもできます。用意したものをすぐに引っ込めるのでも出し切るのでもなく、「出しどころを選ぶ」という第三の選択肢を示す言い方として読み取れます。
「That was for ~」と「not doing that anymore」で、予定を取り下げる
別の場面では、ミッチェルとキャメロンが二人組の仮装で姿を見せます。クレアがまず尋ねます。
Claire: Who are you supposed to be?
(それ、誰の仮装?)
Mitchell: Ah, I’m Pr I’m Prince Harry.
(ああ、僕はハ…ハリー王子だよ。)
Claire: Oh, does that mean Cam is
(え、ってことはキャムは…)
Lily: Hear ye, hear ye, presenting the Duchess of Sussex, Meghan
(お聞きあれ、お聞きあれ、サセックス公爵夫人、メーガン…)
Cameron: No, no, no, no, no.
(いやいや、だめだめ。)
Cameron: That was for Pepper’s party.
(あれはペッパーのパーティー用だったんだ。)
Cameron: We’re not doing that anymore.
(あれはもうやらないよ。)
Modern Family Season10 Episode5 (Good Grief)
クレアの Who are you supposed to be? は、仮装した相手に「誰になっているの?」と聞くときの決まった形です。リリーの Hear ye, hear ye は、昔の触れ役が人を集めるときの呼びかけで、ここでは大げさに紹介しようとする言い方になっています。
キャメロンはその紹介をさえぎり、That was for ~(あれは〜用だった)で、その紹介を別の場のために用意したものだと位置づけ直します。過去形の was を使うことで、「その予定はもう終わったこと」というニュアンスが加わります。
さらに We’re not doing that anymore. と続け、「もうやらない」と言い切ります。進行形の not doing は、その場の思いつきではなく、すでに決めた方針として伝える響きがあります。用意していたものを引っ込めるときは、まず「何のためのものだったか」を言い、次に「もうやらない」と区切る、という2段階で伝えると自然です。
「still wearing」と「don’t ~ and then skip ~」で、最後までやり通す
その後の別の場面で、フィルはキャメロンの服装についてこう言います。
Phil: You know, I’m impressed you’re still wearing that dress.
(なあ、まだそのドレスを着てるなんて感心するよ。)
Modern Family Season10 Episode5 (Good Grief)
I’m impressed you’re still ~ing は「まだ〜しているなんて大したものだ」という意味で、続けている相手を半ば感心し、半ばからかうときに使えます。still が「やめずに続けている」点を強調しています。I’m impressed you ~ の形は、相手の粘り強さや思い切りをほめる言い方として幅広く使えます。
キャメロンは返事の続きで、こう言い切ります。
Cameron: As we say where I’m from, you don’t teach your dog to play the banjo and then skip the talent show.
(僕の地元ではこう言うんだ。犬にバンジョーを仕込んでおいて、特技を披露する大会をすっぽかしはしないってね。)
Modern Family Season10 Episode5 (Good Grief)
As we say where I’m from は「地元ではこう言う」と、言い回しを持ち出すときの前置きです。中身は you don’t A and then B(Aしておいて、Bはしない)の形で、「準備したなら本番から逃げない」という考え方を表しています。主語の you は特定の相手ではなく「人は誰でも」を指す総称の you です。skip は「(予定や行事を)すっぽかす」という口語的な動詞です。
この形を借りると、You don’t practice for weeks and then skip the recital.(何週間も練習しておいて、発表会を休んだりはしない)のように、やり通す理由を自分の言葉で組み立てられます。
まとめ|用意したものの扱い方を一言で伝える
do that one again で出しどころを選び、not doing that anymore で予定を取り下げ、you don’t ~ and then skip ~ でやり通す気持ちを示す流れを見てきました。用意したものの扱い方にも、いくつもの言い方があります。
『モダンファミリー』のハロウィンを観ながら、家族それぞれの一言を追ってみるのも楽しみ方のひとつです。
同じ回のほかのコラムでは、消えたサンドイッチをめぐる英語も取り上げています。


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