海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
良かれと思ってやったことが思わぬ結果になり、「やらなければよかった」と悔やんだ経験はありませんか。
そんな場面で自分の失敗を認める「made a mess of things」を、『モダンファミリー』シーズン4第16話の後半、ジョーの髪を切ってしまったジェイが、妻のグロリアに打ち明けるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「made a mess of things」の意味とニュアンス
made a mess of things
意味:事態をめちゃくちゃにした、台無しにした
make a mess of ~ は、〜を散らかす、〜をめちゃくちゃにするという意味です。mess は「散らかった状態」、make は「作る」なので、直訳は「散らかった状態を作る」になります。物理的に散らかす場合と、うまくやるはずのことを台無しにする場合の、両方で使えます。
of の後ろに things(物事、事態)を置いた make a mess of things は、特定の物ではなく事態全体をめちゃくちゃにしたと、自分のやり方の失敗を認める形です。made は過去形で、すでに起きた失敗を振り返る場面に向いています。I’m going to make a mess of things. や I’ll make a mess of things. の形にすれば、これから台無しにしてしまいそうだという不安も語れます。
主語が I なら、失敗の責任を自分で引き受ける調子になり、主語が he や they なら、第三者の失敗を報告する言い方になります。just を添えた I just made a mess of things. は、「結局、めちゃくちゃにしただけだった」という、うまくいかなかった結果を認める響きになります。
日本語に訳すときは、「事態をめちゃくちゃにした」「台無しにした」「こじらせた」など、場面に合わせて言葉を選びます。自分の失敗を認める場面なら、「やらかした」「しくじった」のような話し言葉に寄せると、ジェイのような打ち明けの口調に近づきます。things を「いろいろなこと」と訳すと意味がぼやけるため、「事態」「状況」と言い換えるのが安全です。
【ここがポイント!】
- 「made a mess of things」の核は、散らかった状態を作ってしまった、つまり事態を台無しにしたという感覚
- of の後ろの things は「事態全体」を指し、自分のやり方の失敗を認める形になる
- 主語を I にすると責任を引き受ける言い方に、he や they にすると失敗の報告になる
『モダンファミリー』S04E16のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
グロリアがジェイを急かしているところで、ジェイが「白状しなきゃならないことがある」と切り出す場面です。ジェイはジョーの髪を切ったこと、仕上がりがひどいことを打ち明け、グロリアに理由を尋ねられて答えます。その答えの中に出てくる made a mess of things に注目です。
Jay: Gloria, I have a confession to make. I gave Joe a haircut. It’s bad.
(グロリア、白状しなきゃならないことがある。ジョーの髪を切った。ひどい出来なんだ。)Gloria: Why would you do that?
(どうしてそんなことをしたの?)Jay: My dad used to cut my hair when I was a kid, and I thought it’d be a nice way for the baby and me to bond. But I just made a mess of things Like I make a mess of everything.
(俺が子どもの頃は、親父が髪を切ってくれてたんだ。それで、赤ん坊と俺が仲良くなるいい方法だと思ってさ。でも結局、めちゃくちゃにしちまった。俺はいつも何でもめちゃくちゃにしちまうんだ。)Gloria: Let me take a look at this.
(ちょっと見せてちょうだい。)Modern Family Season4 Episode16 (Bad Hair Day)
シーン解説と心理考察
ジェイの「I have a confession to make.」は、これから悪い知らせを白状する前置きで、話の重さを先に示す一言です。続く打ち明けの中身は、ジョーの髪を切ったこと、そして「It’s bad.」と、自分から先に出来の悪さを認める点にあります。
グロリアの「Why would you do that?」は、理由を尋ねる問いで、ジェイはそれに、子どもの頃は父親が髪を切ってくれたから、赤ちゃんと絆を深めるいい方法だと思ったと答えます。動機は、赤ちゃんとの距離を縮めたいという前向きなものです。
その理由のあとに来るのが、「But I just made a mess of things Like I make a mess of everything.」です。良かれと思った動機と結果とのずれを自分から認める一言で、「いつも何でも」と言い添えることで、今回の失敗を自分の癖のようにも語っています。これに対してグロリアは、「Let me take a look at this.」と、まず自分の目で確かめようとします。理由を聞いたあとで評価を下す前に、実際の仕上がりを見ることを選ぶ一言です。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
mess を「散らかった状態」、make を「作る」と受け取って、床いっぱいに散らかった部屋の絵を思い浮かべてみましょう。片づけるつもりで手を出したのに、かえって散らかった状態を「作ってしまった」。そんな失敗の絵が、made a mess of things の中心にあります。
ジェイの場面に重ねると、子どもの頃に父親がしてくれたことを自分もしようとして、ジョーの髪を「散らかった状態」にしてしまった、という構図です。動機が前向きだったからこそ、結果とのずれが際立ちます。床いっぱいの散らかった部屋を思い出しながら、ジェイの打ち明けを重ねれば、意味と場面が一緒に残ります。
例文で覚える「made a mess of things」
失敗を認める made a mess of things を、自分の失敗を語る場面、第三者の失敗を報告する場面、往復の会話で打ち明ける場面の3つで確認していきましょう。
I tried to fix the computer myself, but I made a mess of things.
(自分でパソコンを直そうとしたけど、事態をめちゃくちゃにしてしまったよ。)
自分で直そうとして悪化させた場面です。but の前に「試みた」内容を置くと、失敗との落差が伝わります。
He made a mess of things by sending the wrong file to the client.
(彼は顧客に違うファイルを送って、事態をこじらせてしまいました。)
同僚の失敗を報告する場面です。by 以下で何をしたかを示すと、失敗の原因がはっきりします。
A: What happened to the surprise party?
B: I made a mess of things. I mixed up the dates.
(A:サプライズパーティーはどうなったの?)
(B:僕が台無しにしちゃったんだ。日にちを間違えてね。)
失敗を打ち明ける会話です。先に made a mess of things と認めてから、理由を短く添える流れが自然です。
あわせて覚えたい関連表現
mess up
(しくじる、台無しにする)
mess up は短く言えるくだけた表現で、目的語なしでも「失敗する」と使えます。make a mess of things は、「事態全体をめちゃくちゃにした」と、やや大きな失敗を語る言い方です。
screw things up
(事態をこじらせる、しくじる)
ほぼ同じ意味ですが、screw は口語的で強めの響きがあります。make a mess of things のほうがやや穏やかで、場面を選ばずに使えます。
make a mess of ~
(〜を散らかす、〜を台無しにする)
of の後ろを things ではなく具体的な名詞にすると、その対象を散らかす、または台無しにすると言えます。the kitchen なら台所を散らかす、the interview なら面接を台無しにする意味になります。
Note|make a mess の後ろの名詞で意味が分かれる
make a mess of の後ろに何を置くかで、この表現の意味は「散らかす」と「台無しにする」に分かれます。
of の後ろが具体的な物や場所なら、文字どおり散らかすという意味になります。make a mess of the kitchen は、台所を散らかすということです。一方、of の後ろが面接や計画のような抽象的な事柄なら、うまくやるはずのことを台無しにするという意味になります。make a mess of the interview は、面接をしくじるということです。things は後者の側で、特定の物ではなく「事態全体」を指すため、失敗の意味で読みます。また、of を使わずに make a mess とだけ言う場合は、後ろに in や on を置いて、make a mess in the kitchen のように、散らかした場所を示します。of の後ろに来るのは散らかされた対象そのもので、in や on の後ろに来るのは散らかした場所である、と押さえておくと迷いません。
ジェイの made a mess of things も、後者の意味です。ジョーの髪を切る試みが、事態をめちゃくちゃにしたと認める言い方になっています。
後ろに来る名詞を見れば、散らかしたのか台無しにしたのかが読み取れます。
まとめ|良かれと思った結果を、素直に認める一言
made a mess of things は、散らかった状態を作ってしまったというイメージから、事態全体を台無しにしたと自分の失敗を認める表現です。
自分で直そうとして悪化させたとき、同僚の失敗を報告するとき、打ち明け話の中で正直に認めるとき。of の後ろを things にすると、特定の物ではなく事態全体の失敗を語る言い方になります。
良かれと思ってジョーの髪を切ったものの、結果が思わしくなかったと、ジェイが自分から認める場面でした。その一言に、動機と結果のずれを受け止める素直さがにじんでいます。自分の失敗を打ち明ける場面で言葉に迷ったときのために、表現の引き出しに加えてみてください。


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