「run the show」の意味と使い方|『モダンファミリー』S06E08で学ぶ英会話

「run the show」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

気がつけば、家族の誰か一人がなんでも決めていて、それでいいのかなと思ったことはありませんか。

そんな場面で使える「run the show」を、『モダンファミリー』シーズン6第8話の中盤、ミッチェルとキャメロンが娘のリリーの振る舞いについて言葉を交わすシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「run the show」の意味とニュアンス

run the show
意味:(場を)取り仕切る、仕切る、主導権を握る

run the showは、その場の物事を取り仕切って、進め方や決め方を握っている状態を表す口語表現です。runには「運営する、動かす」、showには「ショー、催し」という意味があり、ショーの進行を一人で回している人の姿が、そのまま比喩になっています。

会議や行事、職場のチームや家庭など、誰が決定権を持っているのかが話題になる場面で使われます。「誰が仕切っているのか」を尋ねるときにも、「あの人がすべて仕切っている」と述べるときにも使え、中立的に事実を述べる場合もあれば、少し批判的な響きを帯びる場合もあります。本来その立場にない人が仕切っているように見えるときは、批判的な色合いが強くなります。

形の面では、run the showの前後に人を置く言い方がよく登場します。Who’s running the show?(誰が仕切っているの?)のように主語にして尋ねる形、She runs the show.(彼女が仕切っている)のように断定する形、そして let + 人 + run the show(〜に仕切らせる)のように使役の形で使う言い方があります。時制も自由で、進行形にすると「いま実際に仕切っている最中」という動きが強まります。

日本語にするときは、「仕切る」「取り仕切る」「主導権を握る」あたりが目安です。文脈によって、場の進行を回しているのか、決定権を持っているのかで、日本語の選び方が少し変わります。

【ここがポイント!】

  • 「run the show」の核は、ショーの進行を一人で回す進行役のイメージ
  • 誰が決めているのかという場面で、中立にも批判的にも響く表現
  • let + 人 + run the show の形にすると、「仕切らせる」という許す側の視点になるのがコツ

『モダンファミリー』S06E08のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ミッチェルが娘のリリーを念頭に、これ以上主導権を握らせておくわけにはいかないと切り出す場面です。キャメロンが別の作戦があると答えると、ミッチェルは聞き返し、二人の温度差が会話に表れています。

Mitchell: We cannot let her run the show like this.
(こんなふうに、あの子に仕切らせておくわけにはいかないよ。)

Cameron: Okay, trust me, I have another plan.
(わかった、僕に任せて。別の作戦があるんだ。)

Mitchell: Really? Because right now, our child’s walking around like a Vietnamese Annie Hall.
(本当に? だって今、うちの子はベトナム版アニー・ホールみたいな格好で歩き回ってるんだぞ。)

Cameron: Mitchell, I will make it clear that she is not the boss.
(ミッチェル、あの子がボスじゃないってことは、僕がはっきり示すよ。)

Modern Family Season6 Episode8 (Three Turkeys)

シーン解説と心理考察

「あの子に仕切らせておくわけにはいかない」というミッチェルの言葉には、いまの状態を続けさせられないという強い調子がにじんでいます。let her run the show like thisのlike thisは、いま目の前で起きている状態を指して、その状態のまま放っておけないと訴えています。

対するキャメロンは、「僕に任せて」と、別の作戦があることを告げて応じます。ミッチェルが問題を訴え、キャメロンが解決を引き受ける、という役割分担が、二人のやり取りから伝わってきます。

ミッチェルが「本当に?」と聞き返すのは、その作戦をすぐには信じ切れない気持ちの表れです。そのうえで、うちの子がいま歩き回っている様子を持ち出し、事態の切迫さを重ねています。キャメロンの自信と、ミッチェルの半信半疑がぶつかる構図が見どころです。

最後にキャメロンが言う「あの子がボスじゃない」という一言は、run the showの反対側から状況を言い直したものです。娘に主導権を握らせないという方針を、キャメロンがはっきり言葉にした一言として響きます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

舞台の袖に立つ進行役が、出演者の出番や時間配分を一人で決めている場面を思い浮かべてみましょう。ショー全体の流れがその人の手の中にあり、誰がいつ登場するのかも進行役次第です。この「全体の流れを握っている」イメージが、run the showの「取り仕切る」につながります。

ミッチェルの言葉に重ねると、家族というショーの進行役が、いつの間にか娘のリリーに移っているという見え方になります。進行役の座に誰がいるのかを問い直すのが、このシーンの出発点でした。

覚えるときは、進行表を持つ人の姿と一緒に頭に置いておくのがコツです。進行表を握っているのがrun the showで、進行表を「誰かに持たせる」のがlet + 人 + run the showという整理になります。この二つを組にしておくと、場面の主導権をめぐる言い回しがすっと出てきます。

例文で覚える「run the show」

会議から家庭まで使えるrun the showを、3つの例文で確認していきましょう。

Who’s running the show at the meeting today?
(今日の会議は誰が仕切っているんですか?)
会議の進行役を確認する場面です。Who’s running the show?の形にすると、「進行や決定を握っているのは誰か」を尋ねる質問になります。

A: Who decided the menu?
B: My sister. She always runs the show at family dinners.
(A:メニューは誰が決めたの?)
(B:姉だよ。家族の食事はいつも姉が仕切るんだ。)
家族の集まりの様子を話すやり取りです。alwaysを添えると、いつも同じ人が仕切っているという習慣の意味になります。

I don’t want the new intern to run the show on his first day.
(新人の彼に、初日から仕切られるのは困ります。)
仕切る立場にない人が仕切り始めることへの戸惑いを話す場面です。on his first dayのように時点を添えると、いつの段階での話かがはっきりします。

あわせて覚えたい関連表現

call the shots
(決定権を持つ、指図する)
call the shotsは、何をするかを決める権限に焦点があります。run the showは、決めるだけでなく、場全体を回している状態まで含む点が違います。

be in charge
(責任者である、担当している)
be in chargeは、立場や担当を中立的に表します。run the showは、実際に仕切っている様子が浮かぶ、くだけた響きになります。

take charge
(主導権を取る、引き受ける)
take chargeは、主導権を「取りにいく」動作を表します。run the showは、すでに仕切っている状態を表すことが多い点で、動きと状態の違いがあります。

Note|let + 人 + run the show の形と、like this が添える意味

シーンのミッチェルの言葉は、We cannot let her run the show like this. という一文でした。この文には、使役の形と、like thisという添え言葉の2つの仕組みが入っています。ここでは、この一文を辞書的な文法の範囲で整理します。

まず、let + 人 + 動詞の原形は、「人に〜させる、〜するのを許す」という使役の形です。let her run the showは、「彼女にrun the showさせる」、つまり「彼女が仕切るのを許す」という意味になります。makeの使役のように無理やりさせるのではなく、止められる立場にいながら止めない、という許容のニュアンスがあるのがletの特徴です。そのため、ミッチェルの文は、止められる立場にいながら止めずにおくことを、「できない」と打ち消している形になります。

次に、We cannot let her … は「〜させておくわけにはいかない」という否定の型です。cannotで許容そのものを打ち消すので、「その状態を認めるわけにはいかない」という強い拒否が出ます。

そして、like thisは「このように、こんな具合に」という意味の添え言葉です。話し手の目の前で起きている状態を指すので、「いまのこの状態のまま」という含みを足します。like thisを外して We cannot let her run the show. とすることもできますが、その場合は仕切ること一般への拒否になり、目の前の状況を指す感覚は薄れます。

この3つを組み合わせると、「この状態のまま、彼女に仕切らせておくわけにはいかない」という日本語に対応する形が見えてきます。形を分けて読むと、一文の意味がすっきり整理されます。

使役の形を押さえておくと、let him run the show、let them run the showのように、人の部分を入れ替えて幅広く使えます。

まとめ|誰が仕切るのかを、一言で示す

run the showは、その場を取り仕切る、主導権を握るという意味の口語表現です。Who’s running the show?のように主語にしたり、let + 人 + run the show の形で「仕切らせる」を表したりと、形を変えて使えます。

会議や行事、家庭内の役割など、誰が決定権を持っているのかが話題になる場面で、状況をひとことで言い表せます。call the shotsやbe in charge、take chargeとの違いを知っておくと、決める権限、担当、主導権を取る動きを言い分けられます。

娘に主導権を握らせておくわけにはいかないと訴えるミッチェルと、それを引き受けるキャメロンのやり取りは、誰が仕切るのかを一言で示す表現の使いどころそのものでした。家族の中で、決定権の置きどころを言い当てる、そんな一言です。

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