「talk yourself out of」の意味と使い方|『モダンファミリー』S04E14で学ぶ英会話

「talk yourself out of」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

せっかくの誘いや挑戦を前にして、「でも」「やっぱり」と自分に理由を並べ、結局やめてしまった経験はありませんか。

そんな自分への言い聞かせを止める「talk yourself out of」を、『モダンファミリー』シーズン4第14話の中盤、マニーがルークに劇の代役の話を伝えるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「talk yourself out of」の意味とニュアンス

talk yourself out of
意味:自分に言い聞かせて〜をやめる、理屈をつけて自分で〜を思いとどまる

talk yourself out of は、やろうと思っていたことや、やれるはずのことを、あれこれ理由をつけて自分でやめてしまう、という意味の表現です。talk は「話す、説得する」、out of は「〜の外へ」という意味なので、自分自身に話しかけて、そのことの外へ出してしまう、という組み立てになっています。

もとになっているのは、talk 人 out of 〜(人を説得して〜をやめさせる)という形です。この「人」の位置に yourself が入ると、説得する相手が他人ではなく自分自身になります。自分の中の声が、自分を止めている、という動きです。

yourself の部分は、主語に合わせて形が変わります。I なら myself、he なら himself、she なら herself となり、I talked myself out of it のように使います。今回のシーンのように命令形で言うときは、yourself のままです。

あとに続くのは、名詞か動名詞です。talk yourself out of it のように it で受けることもあれば、talk yourself out of applying のように動名詞を続けることもあります。

【ここがポイント!】

  • 「talk yourself out of」の核は、自分で自分を説得して、そのことから外へ出してしまう動き
  • 説得する相手が自分自身で、yourself は主語に合わせて形が変わる
  • 命令形の「Stop trying to 〜」と組むと、迷っている相手の背中を押す一言になる

『モダンファミリー』S04E14のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

マーカスが出られなくなったこと、そしてキャメロンが代わりを頼みたがっていることを、マニーがルークに伝える場面です。ルークの返事のあとに、マニーが Stop trying to talk yourself out of it と切り出す流れに注目です。

Manny: Marcus is out, and Cam wants you to take over.
(マーカスは出られなくなって、キャムは君に代わりを務めてほしがってるんだ。)

Luke: Really? Well, I do know all the songs.
(え、ほんと? まあ、歌なら全部知ってるけどね。)

Manny: Stop trying to talk yourself out of it. You’re doing it.
(自分で理由をつけて断ろうとするのはやめなよ。君がやるんだ。)

Luke: It’s only for two nights.
(たった2晩だけだしね。)

Manny: You’re doing it again, looking at the negatives. Look at the bright side.
(また悪い面ばっかり見てるよ。いい面を見なよ。)

Modern Family Season4 Episode14 (A Slight at the Opera)

シーン解説と心理考察

マニーはまず、マーカスが出られなくなったこと、キャメロンが代わりを頼みたがっていることを、簡潔に告げます。Marcus is out と Cam wants you to take over の2文は、事実だけを並べた、飾りのない伝え方です。

これに対して、ルークは「え、ほんと?」と受け止めたうえで、歌なら全部知っていると答えます。ルークの返事を受けたマニーは、すぐに Stop trying to talk yourself out of it と言い、続けて You’re doing it と言い切ります。ここでの it は、代わりを引き受けることを指しています。言い切りの形が、話し合いの余地を残さない調子をつくっています。ルークは歌なら全部知っていると答えただけですが、マニーはそれを、引き受けない理由を並べているかのように言い換えています。命令形の Stop に、続く You’re doing it の言い切りが重なり、ルークに口をはさむ間を与えない流れになっています。

続くルークの「たった2晩だけだしね」に、マニーは You’re doing it again と返します。注目したいのは、doing it の意味が、前の You’re doing it とは違っている点です。最初の You’re doing it は「君がやるんだ」という意味で、代わりを務めることを指します。ふたつめの You’re doing it again は「また同じことをしているよ」という意味で、悪い面ばかり見ている、とマニーが言い立てる内容を指しています。同じ doing it が、文脈で別の中身に切り替わっているのが面白いところです。同じ言葉をくり返しながら意味を入れ替える言い回しが、マニーの畳みかける調子を支えています。

さらにマニーは、looking at the negatives(悪い面を見ている)と言ったあとで、Look at the bright side(いい面を見なよ)と、向きを逆にした一言を重ねます。悪い面と、いい面。たった2晩だけという軽い受け止めまで悪い面の話にしてしまう言い回しで、ルークの返事とマニーの言い換えの食い違いが、会話のおかしみになっています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

自分(yourself)が、自分の背中に向かって話しかけながら、部屋の外(out of)へ連れ出してしまう。そんな絵を思い浮かべてみましょう。やる気の詰まった部屋の中にいたはずの自分が、自分の説得によって、扉の外に押し出されてしまうイメージです。

ルークのシーンに重ねると、マニーの Stop trying to は、その連れ出しを止める合図にあたります。「やめなよ」と手を引き戻し、「君がやるんだ」と部屋の中へ戻す動きです。out of の反対の向きは into で、talk yourself into は自分を説得して部屋の中へ入る、という動きになります。out of と into を対にして覚えておくと、向きを取り違えません。

例文で覚える「talk yourself out of」

挑戦の場面、振り返りの場面、相談の場面と、3つの場面で使い方を確認していきましょう。どの例文も、自分を止めているのが自分の理屈だという点が共通しています。

Don’t talk yourself out of applying for the job before you even try.
(試してもいないうちから、応募をやめる理由を自分で作らないで)
就職活動で迷っている友人を励ます場面です。out of のあとに applying という動名詞が続いて、何をやめてしまうのかを示しています。

I almost talked myself out of going to the audition.
(オーディションに行くのを、もう少しで自分で思いとどまるところだった)
挑戦を終えたあとで、迷いを振り返る場面です。主語が I なので yourself が myself に変わり、過去の出来事なので talked の形になっています。

A: I’m not sure I should ask for a raise.
B: Stop trying to talk yourself out of it. You’ve earned it.
(A:昇給をお願いすべきか分からないんだ)
(B:自分で理由をつけて諦めるのはやめなよ。それだけの成果は出してるんだから)
同僚どうしの相談の会話です。ドラマのシーンと同じ命令形で、迷っている相手の背中を押す一言になっています。

あわせて覚えたい関連表現

talk yourself into
(自分に言い聞かせて〜する気になる)
前置詞が out of から into に変わるだけで、方向が「やめる」から「やる」に逆転します。talk yourself out of と対にして覚えられる表現です。

talk someone out of
(人を説得して〜をやめさせる)
説得する相手が、yourself ではなく他人になった形です。自分を止めるなら talk yourself out of、人を止めるなら talk someone out of と使い分けます。

change one’s mind
(考えを変える)
change one’s mind は、結果として考えが変わったことを述べる表現です。talk yourself out of は、自分への説得という過程まで見える点で、動きのある言い方になります。

Note|talk yourself out of と into の前置詞が動きを逆にする仕組み

talk yourself out of と talk yourself into は、前置詞の向きだけが違う対の表現です。

out of は「〜の外へ」という向きで、talk yourself out of 〜は、自分を説得してそのことの外へ出してしまう、つまりやめる方向の動きになります。into は「〜の中へ」という向きで、talk yourself into 〜は、自分を説得してそのことの中へ入れる、つまりやる方向の動きになります。I talked myself out of buying it と言えば「買うのをやめた」、I talked myself into buying it と言えば「買う気になった」という具合に、動詞の部分は同じで、結果が反対になります。

もうひとつ押さえておきたいのが、yourself の形の変わり方です。説得の相手は、主語と同じ人物なので、主語が I なら myself、we なら ourselves と、主語に合わせて形が変わります。他人を説得する talk someone out of の someone には、この一致の決まりがありません。

ドラマのシーンでは、マニーが命令形で Stop trying to talk yourself out of it と使っていました。out of の向きを頭に置いておくと、この一言が「外へ出ていこうとする動きを止める」意味だと、すっと読み取れます。

まとめ|代役の話を前に、畳みかけるマニーの一言

talk yourself out of は、自分に理由を言い聞かせて、やろうとしていたことを自分でやめてしまう動きを表す表現です。talk 人 out of 〜の「人」が yourself になった形で、主語に合わせて myself や herself に変わります。

into と対にして覚えると、やめる方向と、やる方向の向きを取り違えません。命令形の Stop trying to 〜と組み合わせると、迷っている相手の背中を押す一言になります。仕事の相談や、挑戦を前にした励ましの場面など、日常でも使いどころが見つかる表現です。

代役の話を告げられたルークの前向きな返事を、次々と「自分を説得してやめようとしている」話に言い換えていくマニーの言葉には、相手に口をはさませない勢いがありました。表現の幅を広げてみてください。

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